すーさんのひとりごと

このページは穂高の代表、すーさんこと鈴木が本職である山の話題をまじめ?に語るページです。体験、山行紀あり、情報、アドバイスありの結構ためになるページだと思いますので、みなさん要チェックです。 
                        byイトさん 

文部科学省大学生夏山1研修会。御前山の西斜面で雪上研修でのひとコマ。
                      島田講師撮影
山ヤのブログ
僕の尊敬している大先輩が登山(アルピニズム)の歴史を語っています。生き字引的です。失われていってはいけないものが歴史ですね(偉っそうに!)。時々読んでください。
こちらは難局(南極)
南極の越冬隊にドクターとして同行している友人の志賀先生。今まではトップページに先生のブログを公開していましたが、住みどころが悪いようで引越しをしたようです。楽しみにご覧いただいたみなさん申し訳ありません。楽しみにご覧になっていたみなさんで、継続してご覧になりたいみなさんは、先生の新しい住所をお教えしますので「すーさん」まで。引っ越しても楽しいこと書いています。
大陸の内陸へ向かうと、昭和基地のある東オングル島や大陸沿岸より風が強くなっていき、地吹雪が舞っていることが多いようです。南極大陸内陸の地平線まで四方見渡す限り真っ白な大地を雪上車で進んでいると、大海原で小舟をこいでいるような、あるいは、ここは雲上の極楽かしら?というような気分になるそうです。
8000m峰14座完登を目指して
友人の竹内洋岳君が、8000メートルを超える山々、14座(峰)すべての登頂に挑み、登山に出かけています。これまで9座に登頂し、残るはあと5座。詳しい旅や登山の模様はこちらのブログ
2007年11月7日(水)
凍傷の話
昨年、日本の凍傷治療の権威?金田正樹先生が山と渓谷社から『感謝されない医者』という題名の本を出版されました。本文中の「治療」・「症状」は先生にお願い部分ですが、「機序」・「原因」・「予防」は勉強になります。大切な部分を明瞭・簡潔に力説されるところが先生らしい。
 その金田先生、凍傷治療を始めて30年、これまで800例近い患者を診察され、いまでも年間その数は減るどころか、増えつづけているそうです。日山協の研究会の折、僕に「昔に比べて冬山登山人口は減少気味、そして登山装備は進歩してると聞いたけど、凍傷患者は増加気味、これいったいどういうこと?装備は宣伝に偽りあり?」と尋ねられ、解答に困りました。「まあ、都心部で人工的に作られた暖かい環境で生活していて、高速道路数時間で−20℃近くになった自然環境に入っていくわけだからしかたないか?体力を含めて、トレーニングしないで山に入ってるんだろうな!」と言われて脱帽でした。積雪期の高山を目指す登山者のみなさん、先生のお世話にならないようそろそろ準備しましょうか。と言っても、まだ寒くなりませんねえ。

退院時、唯一感謝されないのが凍傷の医者で、理由は患者さんが「指を切られた」という意識が強いからだそうです。本書は、そうした患者さんの心理に言及しながら、凍傷の最近の治療法まで綴った先生の独白記です。あっという間に読みきり。

さあ、そろそろ雪山への準備を始めましょうか
ウェアーの体感 その1 下着
まだまだ寒くなりませんね。寒いのか、暑いのかわからないような不思議な気候です。こんな環境は風邪をひきやすいので、みなさん注意してください。にもかかわらず、お店には冬支度をされるお客様がちらほらと・・・。そこで、その気にならない気温が続いていますが、ぼちぼちと、僕の体感を。始めは、最も人間の肌に近い所で、大切な役割をする下着から伝えてみます。寒〜い日に、下着の体感チェックをしてみしました。みなさんも簡単にできるので試みてください。陽の当たらない外気温3〜5℃のところへ、ポリエステル系、ウール系の下着(上)を2種類を30分位ハンガーにかけて放置してみます。その後、自分も上半身裸になり、同じ環境下で身体をさらけて「お〜寒〜」と感じてから(すぐだと思います)、寒気にさらしていた下着をパッと着た時、どちらの素材が暖かく感じるでしょう?最終的にはどちらも暖かくはなってくるのですが(体温により)、ウールは冷たさをさほど感じずに暖かくなってきますが、ポリエステル系は冷たさを感じながら、暖かくなってくるまでに時間がかかります。言い換えれば、外からの寒気もポリエステルは伝わりやすいし、ウールは伝わりにくいということでしょう(寒気にさらしていた30分間で、ウールよりポリエステルの方が冷たくなったということです)。細かい数値的データーではありませんが、人が身近なところでできる体感です。外気温が低く、強風が予測される環境でのフィールドワークでは、肌に一番近い下着の素材はウールが正解!?と感じたチェックでした。ただ、肌触りはポリエステルのほうが柔らかく違和感がありません。これも慣れなんでしょうが、ウールが吸湿性がよくないというのは誤解だと思います。最近は下着素材のPRも吸湿・速乾という汗対策ばかりが表面にでてきますが、冬のシーズンのフィールドでは発汗量はさほどではないと思います。日常的に発汗が少ないので、時々運動したときの発汗量はちょっとおおげさに感じることもありましょうが、むしろ、環境と運動量とレイヤード(重ね着)のバランスがわるいときに余分に発汗します。たとえ薄手でも、たくさんの繊維が重なり合えばバリアーとなってムレが生じ、発汗量を増やし、透湿性を下げてしまいます。体感をもとに、小まめに脱・着を行いましょう
2007年10月15日(月)
『食べる酸素』
世界で海抜最高、距離最長の鉄道――青蔵鉄路(青海チベット鉄道)の旅に行かれるお客さんが、「友達に聞いたら、飛行機に酸素は持って行けないから、『食べる酸素』っていうのがあるからそれがいいよ!って聞いたもので」と『食べる酸素』を購入に来られました。標高の高いところへ山旅される方や、イベント的に富士登山をされる方に多い問い合わせ購買なのですが、実はこの酸素、そのみなさんが意図としている、「息苦しくなって、食べることで楽になりたい!」。期待とは異なります。はっきり言うなら、「その効果は期待できません!」です。この食べる酸素は、疲労防止、回復効果をねらったサプリメント(補助食品)で、長時間、有酸素的運動を行った際に発生する疲労物資、「活性酸素」を消滅させ、身体の疲労、酸化防止に役立てましょう!がメッセージです。急性的に起こった、呼吸・循環の助けをするものではないこと雑談を交えてお話したところ理解くださいました。商標が『O2』ってのが誤解を生みますね。まあ、意図は違っても、ことわざにもあるように「病は気から」には役立つかもしれませんし、飲んで害はないようです。青海チベット鉄道の旅、行ってみたいなあ!
2007年10月15日(月)
講義の成果
日本山岳会・東海支部・支部友会の勉強会は成果が表れました。講義を聞いてくれたみなさんにはどうかわかりませんが、店の営業にですよ!3人ものご婦人の会員の方が名古屋から買い物に・・・・、「ありがとうございま〜す」。このみなさんには、「目からウロコ」がたくさんあったようです。そんなウロコになるような題材はないのですが、どうやら基本が伝わっていないようでした。靴の例を・・・
* 山の環境は
標高、緯度の高い・低いによって大きく異なります。一般的に標高や緯度が高いほど気温は低く、風は強く、それに四季が加わることで、益々様々な様相を提供してくれます。登山の季節は、春・夏・秋・冬表現ばかりではなく、日本アルプスや緯度の高い(北寄り)の山々の環境を基に、無雪期・積雪期・残雪期と3期に分けられています。無雪期はおおよそ残雪がなくなる7月初旬から初冠雪が始まる10月中旬頃までを指し、積雪期は降雪が始まり、積雪根雪となるおおよそ11月初旬から4月中旬あたりを指し、残雪期は積雪がなくなり、雪解けが終わるおおよそ4月下旬から6月下旬を指します(これ日本登山体系の基本)。
を基に装備を見極めましょう!
1.靴
無雪期対応の靴は、無限大に種類があります。店では、日本の環境ではトレッキングエリアが少ないことから、トレッキング・シューズという表現を使っていません。僕達の身近な鈴鹿山系、1000m標高の低山ですら、ヒマラヤやアルプスのトレッキング道とは大違いで、歩行距離こそ短いものの立派な登山道ですもんね。
登山靴の仕分けは、
1.無雪期の低山から高山の短期ピークハント向き軽登山靴。
2.無雪期の高山縦走から残雪期高山ピークハントまで対応の軽登山靴。
3.高山積雪期短期登山向き登山靴。
4.高山積雪期縦走にも対応できる登山靴。
の4分類ぐらいだとイメージ的にも解りやすいですかね。
 アイゼンが付く靴の基本は、積雪期・残雪期に前歯のあるアイゼンが装着できて、その環境で登山ができること!のはずですが、低山の積雪期に日帰りピークハントに行くだけなら、その条件を呑んで、「まあ、いいでしょう」妥協装備の軽登山靴、8本爪・10本爪の前歯のないバンド装着式のアイゼンが基本化されていました。まあ、その範囲の環境での登山しかしないなら「よし」ですけどね。みなさん、ヌバックの皮製で、靴先・踵どちらにも「コバ」の付いていない柔らか系の軽登山靴!この手の靴がいけないのではなく、どの環境条件で適正なのかなを知って使うということが大切かな。
2.フィッティング
計測器を使って実測値(足長・足囲)を測って、基本はソックス1枚!軽登山靴の場合は中厚、登山靴の場合は厚手(中厚・厚手という表現は抽象的ですので、ブリッジデイル社で厚手はAT・中厚はトレッカー)。足入れは、まず、実測値の表示サイズ(実測値が25.0cmなら25.0cm表示の靴)から始め、ワンサイズ+してみます。基本はここまで。
もう少し大きいサイズがいい、ソックスは薄手のと重ね履きをしたい、5本指のソックスを履くといい、は嗜好の範囲です。基本と嗜好を交ぜては「何が何だかわからなくなります」。基本をやってみて、嗜好がある人はそれもやってみて、どちらが今の自分にいいのかを、『判断』すること!
みなさん、自分の履いている靴をお持ちになられました。環境の仕分け、それに基づいた装備の仕分けがやや曖昧だったことと、靴のフィッティングは相変わず大き〜い!
2007年10月3日(水)
勉強会
隣街、東海市の「山遊会」という山仲間の定例会に講義を依頼されました。「20〜30人の集団登山について」ということでしたが、「分散登山をしてください」と講義よりお願いごとをしました。団体登山が悪いわけではありませんが、連れていき族と、連れられ族がいつも同じになってしまって、登山の「創造性」を失ってしまうことになりがちですからね。行為をされている会員のみなさん、それぞれ団体登山の短所は十分承知されてきてるようでした。登山の机上勉強会は、登山の中でも机上でやることを学ぶ(計画の立て方・読図・運動生理学等)、あるいは、これから実技講習をすることのガイダンスをすることだと思うのですが・・・・。どうしても学びたい(聞きたい)内容が装備の方向に偏ってしまう。まあ、僕が登山ショップをやっているからなんでしょうが、お店で学べる(わかる)ことはお店に足を運べば・・・・。
傾向的なことを言いますと、登山者はお店には買い物の時だけ系です。スキーヤーは買い物ではなくても、ちょっと暇を見ては、「あ〜でもない、こ〜でもない」と、仲間同士、スタッフと雑談やりとりをしています。勉強会から得るものは「知識」。雑談の中から得るものは「知恵」。僕はもっとお店に遊びがてら、雑談をすることが大切だと思いますよ。でも、みなさん「真面目」でした。
 次回は10月10日、日本山岳会・東海支部・支部友会。これもまた講義依頼内容が、装備について。名古屋の都会人?が田舎の山ショップに買い物(おっと雑談でした)に来てくれることを期待して・・・・。
2007年9月20日(木)
山岳事故と山岳保険
警察庁のまとめでは、昨年1年間に全国の山で起きた遭難件数は前年度比を35件上回る1417件、遭難者数は169人上回る1853人と、総計をとり始めた昭和36年以後、最悪となったようです。今年の7・8月の2ヶ月間に限っても全国の山で起きた遭難事故は昨年同期比で64件増えて410件、遭難者数も41人増えて446人と過去最高だったようです。事故全体から約70%が40歳以上の中高年者で、死者・行方不明者に占める割合では中高年が80%以上だそうです。事故のニュースがすべて我々の元に報道されているわけではないし、ましてや統計となると・・・・。すごい数にびっくりです(従事人口数に対しての遭難件数比はそうでもないかもしれませんが?)。遭難要因は「道迷い」が全体の約40%、「滑落」が約20%だそうです。僕のイメージでは「滑落」が多い気がしたのですがねえ・・・。北アルプスを中心とした高山は、各自治体の重要な観光資源であり、登山者は大歓迎といったところでしょうが、遭難者の増加も最終的にはマイナス要素に広がっていくこともあって頭痛の種のようです。救助の要は、機動力という点で、民間や県有のヘリコプターが使われています。民間ヘリによる捜索では1回あたり50万〜100万円かかるようですが、県自治体所有(消防防災ヘリ・警察ヘリ)は原則的に無料です。救助依頼が不届きな内容な登山者もいることや、登山とは無縁な世論からの批判も背に受け、有料化なども論議の対象となりそうです。 それどころか、年間の掛け金が2万円程で遭難捜索費用保険金が200万円程、保障されている運動危険担保付傷害保険を見直そうという保険会社の動向も出てきているようです。事故が増え、掛け金収入より支払い金額が上回り商売にならないというのが保険会社の意向で、掛け金の大幅値上げや、保険メニューの消滅など、納得せざるを得ない現状です。中高年のみなさんの山岳事故は世論からは批判的に見られているようです。「中高年のための〜」ってタイトルをつかった登山言葉が中高年は特別みたいな雰囲気を作ってしまったのかもしれませんね。自然環境は誰もが共通だってことを忘れて・・・・。
2007年9月13日(木)
「大日岳の事故と事件」
斎藤惇生 編
岩坪五郎・荻野和彦 他著

税込定価 ¥1990
2000年3月5日、旧文部省主催の「大学山岳部リーダー冬山研修会」に参加した学生ら27人が大日岳山頂付近で休憩中、雪庇が崩落して11人が転落。11人のうち、横浜市保土ケ谷区、東京都立大(当時)2年の内藤三恭司(ないとう・さくじ)さん=当時(23)=と、兵庫県尼崎市、神戸大2年の溝上国秀(みぞがみ・くにひで)さん=同(20)=の2人が崩落した雪崩に巻き込まれて行方不明になり、同年5月と7月にそれぞれ遺体で発見さるという悲しい事故が起こりました。
遭難死を巡り、ご遺族が国を相手に起こした損害賠償訴訟は、2007年7月、国が事故の責任を認めて謝罪した和解条項の意義を強調し、国による今後の安全対策の徹底を訴えたことにより終止符が打たれました。この点では、ほんとうに良かったと思います。
「山の遭難事故への債務と対応」
この本は、山の事故は事件になるのか。ふたりの若い命をうばった北アルプス大日岳の雪庇崩落はどうしておきたのか。事故がなぜ事件になったのか。2005年4月に2週間を掛け大日小屋をベースにし大日岳の巨大雪庇にメスを入れるべく、雪氷学者、山岳ガイド、一般登山・山スキー愛好家を含む総勢50名にて雪庇の調査活動が実行されました。その努力と汗の賜物である成果を登山者に伝えようと、「北アルプス 大日岳の事故と事件」という一冊の本に纏めました。雪氷学研究の権威は、登山者が目で認知している一般的「雪庇」の見解と、地形・氷雪学的「雪庇」を解析し、巨大雪庇の構造を世界にさきがけてあきらかにしています。今までの雪庇の常識では計り知れないことや、まだまだ未知の世界であるということを改めて認識させられる1冊です。是非一読下さい。穂高店頭でも販売しています。
登山靴のソール剥がれ
夏山最盛期を迎えてソールの張替え依頼が殺到しました(といってもしれた数ですが)。しかし、ソールが磨耗したことによる張替えはわずかに1割。残り9割は剥がれたことによる張替えです。尋ねれば、ほとんど山行中に・・・てことでした。このみなさん、靴を手入れしたことないようでした。手入れって、難しいことする必要はなく、単純に水洗い!おそらく、付着した泥を長いこと放置したことで、接着剤を少しずつ浸食させてしまったのでしょう。まあ、永久品ではありませんからいずれは・・・ということになるのでしょうが、手入れによって耐久性があがることも確かです。何といっても山行中というのはまずいですよね。手入れをしていれば気がつくと思いますよ。

こちらは、マインドル社の軽登山靴。ソールの磨耗は少ないのにアッパーに圧着している中間層部分から剥離。1年に数日しか使わない方たちの購入5〜7年後に見られる典型です。


こちらは、ガルモント社の一世風靡した縫いの軽登山靴。これは中間部からソールだけが剥離。靴の土台の強度に対してソールゴム質が硬すぎるんでしょうか?ザンバラン社のフジヤマとともによくある例です。
登山靴ソールリペアー
お店からみなさんにお願い
ソールの張替えに出される時は、靴の汚れ(特に靴底の土など)はきれいに洗って出してくださいね。
「ソールを張り替えたばかりなのに、もう剥がれてきてしまいました」と相談に。「えっ!このソール交換、うちの店で依頼されました?」と尋ねると「いや、他所の店で・・」と。このお客さん、靴を買われたお店、張替えに出されたお店、剥離して相談されたお店、全部別々!何故張り替えたばかりの靴のソールが剥がれてしまったのかを伝えてみたいと・・・。そのお客さんの靴はマインドル社のマカルーGTX。日本では残雪期の高山ピークハントまで対応する登山靴の仲間です。その靴のソールは右の写真のソールが本来!しかし、張り替わってきたソールは左側のソール。何が違うのか?細かい工業品規格は僕にはわかりませんが、右の写真の靴の先端部分を見てもらうと、右はフラットな部分が多いのに対して、左はミゾが複雑に入ってフラットな部分が少なく作られています(わかりにくいかもしれませんね)。一般的に軽登山靴(無雪期の登山にしか対応しないモデル)には左のソールが多く用いられ、フラットな部分が多いソールは岩にエッジンググリップしやすいように、オールラウンド系登山靴に用いられています。剥離の原因はおそらく土台が固めの登山靴にゴム硬度の柔らかい左のソールを張り付けたことで、靴の土台が撓み、捩れないのに、ソールだけが変化した「ズレ」によるものでしょう。メーカーに張替え依頼をしていたらありえないことなのですがねえ! 同じマインドル社の軽登山靴の仲間のソールを載せてみました

軽登山靴の仲間に多く用いられているビブラム社のゴムソール。靴自身の土台が柔らかいので、ゴム硬度はやや柔らかめ

同じマインドル社の登山靴
の仲間のソールを載せて
みました


オールラウンド系登山靴に
多く用いられているビブラム
社のゴムソール。靴自身の
土台が固いので、ゴム硬度
も固め

マムートのゲーター(ロングスパッツ)
夏の暑い最中にゲーターが数個入荷!季節はずれの仕入れに「ムカついて」桜井を叱咤!聞けば「タイトなスパッツで機能的」だそうです。わかったけど「誰が買ってくれるのか?」には回答無し!何でもヨーロッパに出かける人なんかにはお薦めだそうです。ちょっとヨーロッパで山登りしてくるとすぐ、ヨーロッパかぶれ!嫌な日本人なこと!「専門店ならこういうゲーター置いておかないと・・・」。「そんなことわかってるわい、季節が問題だろ!」益々ムカつく!
しかし、野郎にムカつくけど、このゲーターにはムカつきませんよ!タイトでファスナーはなし、フロントでマジックテープで合わせるタイプ。ファスナーがこれほどシンプルさを邪魔していたなんて・・・・。ゲーターの裾部分に膨らみが出ないのもうっとうしくなくていい。アイゼンで引っ掛ける可能性も低いのでは・・・。冬まで待たずに入荷したてのゲーターいかがですか?税込¥9500です。購入のお客さんがあると、「誰が買ってくれるんだ〜?」と叱咤した桜井から逆襲が・・・。実は僕もOR社の同様なゲーターを愛用しています。でもあまり受けないのでそっとしていました。
マック・パック
パックの耐久性・シンプルさを備えた、ニュージーランド製のパックメーカーです。以前は、ミゾーさんが輸入代理店でしたが、現在は大手ゴールド・ウィンが輸入代理店となっています。僕は以前からパシュートクラシック65・50、パシュート50・30と4サイズを使い分けて愛用していて、ほんとうにいいパックなのですが、価格が高いのであまり売れません。昨年、マッキンレー・カシンリッジをアルパインスタイルで登った友人の西村君がゴールド・ウィンのスタッフの一員になりました。そんなつながりから、シンプルで機動力のあるパックというものを、みなさんにも背負って体験してもらおうと、4サイズをそれぞれ貸し出しを始めました。背負ってみたいという方は、すーさんまで!
パシュート30・50。どちらかというとクライミング・バリエーションルート向き。

パシュート30・50。どちらかというとクライミング・バリエーションルート向き。
インソールで靴サイズを確認
一般的に、男女問わず、年代的にも若い世代から高齢者の方まで均一して、日常生活靴を「大き目サイズ」を履いている方が目立ちます。登山靴などと特殊な物を選択する場合は、足あたりが硬く、強いのと、「大き目のサイズ選ぶこと」というイメージから、さらに拡大しています。右の写真は最近最も多かった、靴のサイズが「ドデカイ」(三河弁でものすごく大きいの意味)過ぎる例を紹介してみます。フィールド用のシューズはどのタイプ(クライミングシューズを除いて)にもインソールが入っています。サイズが適正かどうかを知るには、このインソールを抜いてみて、踵を合わせてインソールの上に足を乗せ、先端までの隙間を見ることです。2.の写真は、25.0cmの実測の足のお客さんが27.0cmの靴を履いていた例で、顕著にわかるように、足先からインソールの先までものすごい隙間です。測ってみると25mm(2.5cm)の隙間でした。このお客さんの障害は、靴擦れ、つま先痛めで、ご自身の判断で、ソックスを重ね履きしていたところ、第5中骨(小指の付け根)が「痛くて幅を広げてほしい」要望でした。そこで、痛みの原因が骨にあるのか、あるいは他にあるのかを足を測りながら見て探っていって、靴サイズの不適正ではないか?というところにたどり着いたわけです(正直いうと靴を見ただけでわかっていましたが、納得してもらうためには過程をたどらないと・・・)。実はこのお客さんの足幅は、足長25.0cmに対して足囲も25.0cmとラスト表示でいう「E」で決して幅広ではありません。でも下りで小指の付け根が痛くなったのは、大きいサイズの靴で、足が前後に動く距離が大きいことで衝撃まで大きいものになった。ということと、中厚のソックスを重ね履きしたことで、足囲がラスト表示でいう「EEE」クラスに拡大してしまった。ということでしょう。ソックスは厚手のソックスを履いて足長を測っても1〜2mm位しか変わりませんが、足囲は10mm(1cm)程長く変わります。硬い素材に包まれている登山の靴に、初めて足入れをされるお客さんの声が、「幅がきついんだけど」と言われるのはこのためです。そこで、「馴染もう」とせずに違和感のないものだけを求めていくと上記のように、無限大にサイズを拡大して、その場はしのげても、後が大変!系に・・・。ということで、3.のように実測25.0cmの適正サイズUK6サイズ、25.4cmのインソールに足を乗せていただいて隙間の適正約1cm(ガイドや登山指導者のみなさんはもっと隙間の少ない「ピッタリ」系を履いてる人が多い)を確認してもらい、実際にUK6サイズの靴に足を入れてもらったところ、ご本人からは「これはきつくて履ける自信ないですね!」との回答でした。今までどれくらいの月日かわかりませんが、隙間2.5cmの靴に慣れていらっしゃるわけで、それがいきなり0.8cmの隙間になったわけですから、当然ですね!。僕は「このサイズが適正だからこれを履くべき!」と主張したかったわけではなく、適正サイズの感覚をわかってもらいたかったのです。
 登山道をしっかり安全に「歩く」ためには、この感覚にいづれ慣れていくことが大切ではないかと・・・。登山道の凹凸につまづいてバランスを崩し、事故につながってるのも、足はきちんと上げているのに、靴が大き過ぎて足と同じようについてこない?ことの誤差が起因していることも・・・と想像しています。日常の生活シューズもやはり傾向として同じようなことが言えます。ルーズな日常シューズの習慣感覚で、硬くて履きにくい登山の靴をチェックすれば、その場で違和感のないサイズや靴にどんどんエスカレートしていきますもんね。「足に合った靴を!」とはどんな靴なんでしょうね?あ〜むずかしい!!

1.現状履かれていたローバー社のUK8(27.0cm)のインソール

2.そのインソールの上に実測長25.0cmの足を乗せてみました。実測長とは登山靴を履くことが前提で、厚手のソックスを1枚だけ履いてもらって測ったものです。好みはありましょうが、まずは基本に忠実にソックスは1枚から・・・。

3.該当適正サイズのUK6サイズのインソールの上に足を乗せてみました。隙間の違いを見比べてください。
*: このお客さん、結果は、段階をおってということで、今回は適正基準サイズから、半サイズ上げてもらってUK6.5サイズ25.8cmで決断していただきました。それでも1サイズ半の見直しが出来たわけです。よい結果が出ることを期待しています。
またも靴の悩み?
「足が靴の中でズレまくるんですよ!、いいインソールがあると聞いたもので・・」と、インソールを購入にみえたお客さん。ところが、靴と足サイズを見てみると、インソール解決では・・・・。この客さんは足長23.5cmに対して足囲が24.3cmと、お店で実際に計測している限りでは数少ない「2E」ラストの幅広足でした。お客さんの登山靴のサイズはマインドル社のマカルーGTX、UK6サイズ(約25cm)。まあ、靴のサイズが実測より1サイズ半上なので、適正サイズより大きいサイズです。幅がやや広い足型なので、圧迫を感じるあまり、大きめの靴選択をしてしまい、馴染んだところ今度は足がズレるほどに・・・といったところです。既製インソールを入れても足のズレの解決にはならないと思い、1.成型インソールの方が実際の足裏形状が形づくので、ズレ防止のためのインソールを入れるならこのタイプ。2.靴のサイズ見直し。の二つを提案しました。「やっぱり、靴が大きいですか?」と理解はされたものの、ジャストフィットのサイズに足入れをしてみると、圧迫が強くて中々決断に至りません。このお客さんの場合はほんとうに幅がやや広めなので、圧迫は一般の方より強く受けることは事実です。しかし、ルーズな感覚にあまりにも長い間浸かっていたので、感覚をその場で理解しようとしても無理もあると思います。靴のフィット感は何よりも一番長い時間履く靴で養うことが大切です。仮に年間50日山登りをしたとしても、365日分の50日で、差し引きした315日、登山をする約6倍の日数は日常シューズ生活です。この生活感覚が基になるので、普段からルーズフィットな靴に履きなれていると、登山靴も当然その延長線感覚で選び使うことになります。このお客さんも日常生活靴も25.0cmで、インソールを抜いて合わせてみると、足の先端から、インソールの先端まで18mmの隙間!この日は、無料コンサルタントで終わってしまいました。
 余談: 毎年イトさんのスキー顧客がスキーシーズンが終わると山歩きに興味をもって、何人か登山靴を選びに来てくれます。「ピタッ」とフィットしているスキー靴をシーズン30日以上履き続けているこの人たち、僕や桜井が「頼むからもうワンサイズ大きい靴を選んで!」というくらいジャストフィットのジャストフィット的サイズを平気で選択しようとします。良い・悪いは別としても習慣なんですよね。

参考までに、僕が登山靴におすすめしている既製品インソール、ショックドクター社の「ウルトラアーチ」の構造です。
税込¥5980

こちらは、ハイキングシューズやトレイルウォーキングにおすすめしている既製品インソール、ショックドクター社の「X−アクティブ」の構造です。
税込¥3990
ヘッドランプ
頻繁に使わないから、使う場面になった時の想像がつかない。山の道具ってそういうものありますよね。背負ってる中身、全部使ったらおそらく「危急時」。
最近のヘッドランプの用途は山小屋でトイレに行く時の照明のようです。お客さんの要望は軽くて、小さくて!ばかりです。現実はそれに近いのでしょうが、登山行為は予測はしていても、予測以外のことが起こり、やもうえず闇の中を行動せざるを得ないことはありうることです(状況次第ではビバークが正解ですよ)。複雑な地形の日本アルプスでは、たかが登山道でも闇夜から情報を得るには明る〜いヘッドランプ以外にはありません。早朝出発も同じことで、夜明けが早い盛夏でも、1時間位の照明ですが、明るい方が機動力です。しかし、あまりにも多品種なので行動用として役立つおすすめ品を紹介しておきます。流行のLEDならブラックダイアモンド社の、ジーニックスIQ ペツル社のミオXP。ブラックダイアモンド社べクトラIQ、ペツル社デュオLED5、などのハロゲン球やクセノン球とLEDを併用しているモデルならこれまた鬼に金棒。僕は、ペツルのデュオにオプションでLED12灯を付けたお客さんのNさんから、「鈴木さんヘッドランプはこれですわ!」と絶賛されたので、真似してLED8灯を使っています。山岳部の1年生の伊藤さんに昨年の夏山合宿時に「鈴木さんのヘッドランプめちゃ明るいですね」と絶賛されました。「私の暗くて見難いんですよ!」と・・・。彼女、何を使っていたかというとペツル社のティカプラス(LEDのみの4灯)、「誰だ!学生さんにこんなヘッドランプをすすめたのは?」といっても後の祭りでした。でも、僕も最近はペツル社のデュオすら重さと大きさに抵抗を感じ、ブラックダイアモンド社のベクトラIQを使ってる次第。超小型LEDランプになるのも時間の問題ですかね?おすすめしたヘッドランプは実際にお店で照らして確認することができます。実感してくださいませ。
ヘッドランプの新製品
LEDは光が拡散乱反射して足元が見難いから「ダメ」!なんて、うちの学生に言ってる時代ではなくなりました。右の今季新発売になったブラックダイアモンド社のアイコン。「最大照射距離80m、電池寿命164時間(低照度モード)のスペックを誇る3ワットLEDを中央に搭載、その両サイドにスーパーブライトLED4灯を備えた、強力なヘッドランプ。3段階の照度調節が可能で、スーパーブライトLED4灯にはストロボモードを搭載。」とメーカー宣伝通り、非常に明るい!「値段も高いがいいランプです」税込:¥7240
シンプルなザック
中高年登山者だけの装備の合言葉と思っていた「軽いもの!」が、最近、年齢が下がってきて、登山者総合の合言葉になりつつあります。単純に軽ければ軽いほどいいことですよね。でもザックはどうか?となると、このシンプルで軽量なザック、なかなか売れません。レインフラップを止めているベルトは1本。ポケットに代表される「便利」機能はなにひとつ無し。裁断は型崩れしないようなフレーム入り立体裁断は無し。もちろん腰ベルトも最低限のパット。無いものづくしの、ライペン・クロワール、内容量約50リットル。クライミング要素が必要な日本アルプスのバリエーションルートに出かけたり、3〜4泊縦走に出かけたりするのに、ちょうどいい大きさかな?でも背負ってみると、やっぱり立体裁断されてるザックの方がいい!もちろんパッキングも、バランスよく背負えるように詰める技術?も必要!となるとあまりメリットがないように感じますよね。結論的に、装備の軽量を謳うなら、1品に焦点を当てるのではなく、全体を考慮する心を持ってほしいなあということで、ザックの例もあげてみました。僕のお店で、このクラスのザックで背負いフィット感の一番人気はミレー社のキャピサン。約50リットルクで、ザック重量は2050g。右のライペン・クロワールは1480g。約600gの差です。おそらく1品の登山装備の中で、重量差が600gあるものとなるとザックでしょう。背負いやすさをとるか、重量をとるか。検討することも装備選びの楽しみだと思います。
背面の長さも、女性向きに43cmと一般向きに48cmの2つが用意されています。税込¥21000
ストック
ストックも膝の痛み解消道具の一部になってきてるようです。「ストック、2本で使いなさい」。という人と、「1本でいい」。という人、「いらない」。という人、「何が正しいのですか?」という質問が・・・・。これ、アドバイスをされてる方々の経験を話されているのでしょうから、全部正解だと思いますよ。ただ、受け止めてるみなさんには、さまざまな表現の「情報」なので、どの手段を採用しようかと「判断」に困っているのでしょうね。ストックは、登山道具としては必需品ではないので、嗜好品として、使う人が使いやすい手段を体験して、実行すればいいと思います。ただし、ストックは、左右・上下の重心移動の、大きさ、範囲が均等に行われるよう『サポート』する道具なので、道具屋としての基本的使用アドバイスは「2本」。ということも知っておいてくださいね。最近では、フィットネス・ウォーキング等での2本使用例もあげられています。これは、重心移動のサポートという意図ではなく、歩行推進力を上げるためや、上半身も積極的に動かして、エアロビクス効率・向上をねらったものです。穂高岳連峰や、剣岳、あるいは後立山連峰の急稜な岩稜帯が長く続くところでは、重心移動はハンドホールド(手がかり)を使ってを支えなければいけない環境で、ストックを使うなんてことはないでしょうから、環境や、運動目的によっても、使用方法が異なることも知っておきましょう。僕の経験を話すと、スキー経験の長い方々は、ストックを使い慣れてるせいか、山歩きで、ストックを使う場合、2本を自然なスタイルで使いこなします。聞くと、「いやぁ、絶対2本使った方が、楽ですよ!」の回答が多いのも事実です。環境を選んで、『使い慣れる』。という回答にしておきましょう。
 ストックといえば、回らない・止まらないといった、長さ調節機構のトラブルが意外に多い。欠陥やパーツの消耗といった要因より、お店でその場解決。という調節の仕方の誤解・不解が圧倒的です。複雑・難解機構ではない単純機構なのですが、これも普段使わない「習慣性」でしょうか?
追伸:
などと、ストックの道具としての解説・アドバイスをしているような時代ではなくなりつつあります。某新聞メディアで、ある地域の山では、登山者のストック・ステッキが、突くことによって登山道を掘り起こし、それが原因となって雨等による水の流れが変わり、地形が変貌をとげている。という記事がでました。そのライターは、登山者は「使用する環境、使用方法を考えるべきだ」と訴えていました。具体的にどうすべきですかねえ?最近は、ストック購入のお客様へのアドバイスが消極的です。僕が入山しているエリアではそんな「過剰的」にはなっていないと思うのですが、あくまで僕の感覚的なもので、ジャーナリズムの活字には太刀打ちできません
おすすめのシナノ製トレッキングポール。スキーポールの老舗メーカーとして唯一継続している、MADE IN JAPANです。ポールには変わりないのですが、何がおすすめかというと、ジョイントを固定したり、移動したりの動きが実にスムースです。トレッキングポールの老舗メーカーL社も初期モデルはスムースでしたが、最近はどうも・・・。グリップも持つ範囲が長くとられていて斜登高時にも使いやすくなっています。
シナノ製VIP AS ¥8030(税込)1本販売
膝の痛み解消 その3 インソール
実はインソールが一番大切なことかもしれません。膝が痛いなどのトラブルは、急に激しい動きをして筋疲労が要因になってることより、姿勢が悪くなっている弊害のほうが大きいのかもしれません。姿勢の悪さは、今まで過ごしてきた毎日の生活環境などの影響で(歩かない、動かない。あるいはケガ等)、身体のバランスが徐々に微妙に崩れてしまい、それを人間の体が、自然に調整しようとした結果のようです。病院でどこも悪くないと言われるのに、腰やヒザが痛い!のは、実はこの姿勢の悪さに根本的な原因があるのかもしれません。足元に注目すると、崩れた足のバランスが、この悪い姿勢に大きく影響している!のではないでしょうか。足のバランスをインソールで整え、身体全体のバランスも改善することで姿勢も良くなり、足のトラブルを解決しよう!というのがインソールのねらいです。足裏には、身体全体のバランス調整を司っている重要なセンサーや筋肉があります。インソールは、個人個人の状態に個別に対応し、ここに刺激を与えることで崩れた身体のバランスを徐々に整え、足や身体のトラブルを改善へと導きます。土踏まず部分をサポートしながら、専用パーツで歪んだ身体を調整。身体と足の状態に合わせた形状と大きさで足裏センサーへ的確な刺激を行っています。結果、ヒザが正常な向きに整い高さも揃い、身体の軸も安定しやすくなっていきます。継続的に使用することで、トラブルが改善するでしょう。ということは、登山靴もさりとて、日常生活用が最も大切ということですね。たまにしか使わない靴に投資はもったいないけれど、毎日履く靴に投資するなら・・・。年輩のみなさんに共通な靴感覚は『楽』です。柔らかすぎる靴、大きすぎるサイズ・ワイズは確かに楽ですが、体を支え、バランスのいい身体を日々整えるには程遠いでしょう。
穂高ではコンフォーマブルの成型インナーを最新システム、モジューロシステムを使っています。
僕も5年前に大腿四頭筋の外側広筋断絶という大ケガをして3ヶ月間リハビリをしていました。それ以来、日常生活から、スキー・登山すべてインソールの助けを借りて快適ライフをしています
膝の痛み解消 その2.筋肉サポートタイツ
ワコールCW−Xを代表に、ノースフェース社のバイオテックス、フェニックスの4DMとメーカー・アイテムもバラエティです。僕も、トレーニングオタク系なので、どのメーカーのタイツもそれなりに使いこなしてテストしています。最近はワコール社の営業のT女史が積極的に、テスト商品を送ってきてくれて、CW−X・エキスパートモデル、昨年の夏からは腰部の安定・股関節サポート力の上がったスタビライクスモデルの2タイプをテストしていて、スタビライクスは短期バックカントリーには大いに役立ちました。どのメーカーも機能効果を追及して作っているだけあって、どれが!という決定的なものはないように感じました。ストレッチ性が最も高く、コンプレッションの強いのがCW-X。ミディアムなのがフェニックス。最も弱いのがノースフェースといったところでしょうか。そこで、僕は、日常トレーニングにはノースフェース社のバイオテックスを使い、長期山行(縦走)にはCWーXのスタビライクスとフェニックス4DMを併用しています。どれかひとつに絞るなら、CW−X・エキスパートモデル。といったところでしょうか。速乾性についてもどのタイプも高いといえますが、寒気にさらけ出すと冷たさを感じます。CW−Xのトレッキングアドバイサーのひとり、友人の竹内洋岳君も高い評価をしてくれています。おそらく、コンプレッションの強さが細身の身体に合っているのでしょう。僕も彼ほど細身ではありませんが(最近、年のせいかやや・・・)、コンプレッションの強さはCW−Xに評価をもっています。このコンプレッションの強さは、強すぎても血流を悪くしますし、弱すぎると筋肉のサポートにならず、どれくらいが適度なのかは体型によって普遍的なので微妙です。膝の痛みの即解決には説得力がないように感じますが、筋肉疲労の軽減には多いに役立っていると思います。まだ、タイツを使用していないウォーカー・登山者のみなさん、早速購入!タイツもさることながらCW−XにはX−FITマルチスタイル・オールシーズンといったハーフスリーブのインナーが発売されています。肌面にタイトにフィットして、上腕筋のサポート効果も汗の処理も快適です。ストックを使った登山・ウォーキング、クライミングにも効果的だと思いました。

「もはや、インナーでもサポーターでもない!身体に溶け込み、からだと一体化する第2の皮膚、第2の筋肉だ!」とコメントしている竹内君。昨年のシシャパンマ南西壁の登攀時かな?現在、日本人では、8000m14座完登の最も近いところにいるアルピニストです。今春、カンチェン・チュンガとローツェを目指していたようですが、ローツェは失敗に終わったようです。山と渓谷の8月号からカンチの連載が始まったようです。ちょっとは休んだら!というくらい毎年出かけています。完登したら、中部地区で座談報告会開かないとね。いつになりますか、ちゃんと生きててくれないとね。
膝の痛み解消 その1.サプリメント
山登りのストレスに『膝の痛み』が、最も多いようです。その場解決策として、サポーターの着用、杖やストックの使用等があげられています。それも処置としていいことですが、予防として筋疲労サプリメントを使ってみてはいかがでしょう。膝の痛みの要因が、徐々にくる筋疲労ならサプリメントは効果的です。山中にたくさんのサプリメントを持って行くのも大変ですので、僕がずっと使っていて効果的と感じた2つを紹介しておきます。左:ムサシ クアン タンパク質の少ない食事や体内での消化、吸収が悪い場合などは不可欠アミノ酸が不足してしまうのです。不十分な不可欠アミノ酸は疲れをまねきます。そこで、起床時にスプーン一杯投与します。行動時間が長くなりそうな時には昼食をとる前、空腹時にもう一杯!右:ムサシ ニー 登山終了後、筋肉に痛みを感じることなく筋力を維持するために、体はロイシン、イソロイシン、バリンなどの有枝鎖アミノ酸を要求します。これらのアミノ酸は体内で合成することはできず、食物などから得なくてはなりません。BCAAは肝臓で作用を受けることなく直接筋肉に送られやすいので、筋肉の痛みを防ぎやすくなります。登山終了後30分以内にスプーン一杯投与!山岳部の学生達との長期合宿、研修会等に活用しています。
ムサシ・クアン
66g ¥3465
150g¥6195

ムサシ・ニー
66g¥4095
150g¥7035
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