すーさんのひとりごと夏編

登山計画書
って、何が意図でしょうね。
家族・職場・所属団体には、何時、何処に、誰と、どのような日程で行うのか、の概要提供、警察には、もし、事故(病気等を含む)が起こった場合は救助に向かう先の情報、行方不明になった際の捜索のための情報提供といったところでしょうか?
では、登山者自身にはどうでしょう? 事務処理的なことばかりではなく、計画を立て、計画書を作る過程において、環境的危険は、何処に、どのようなことが存在するのか?行程は体力・技量に適正なのか?食糧の量・装備は適正なのか?といったことを、事前に見出せる機会が設けられることで、事故の予防に役立つことだと思います。理屈はともかくプランニングって「あ~でもない、こ~でもない」言いながら立てる。これも登山の楽しさのひとつです。
計画書の提出先は、1.家族・職場、2.所属山岳団体がある場合はその団体、3.山行地域の警察というのが一般です。警察への計画書の提出先は、山行をする県の警察本部のホームページから提出先・形式を検索してみてください。ちなみに長野県の山域はこちら、富山県はこちら、岐阜県はこちら、山梨県はこちら。計画書の提出は、僕たちはメールで送っています。できることなら、下山報告もしましょう。
遭難救助の現場からの情報からは、救助依頼は、計画書も提出していない、山岳会等に所属していない登山者が圧倒的に多いそうです。災害救助と違って、自主行為に対する救助です。マナー(ルールかな?)を守って、見放されられないようにしましょうね。

低酸素と登山活動
すーさん的データーとちょっとしたアドバイスです。よろしければ参考にしてください。

テント山行をお考えのみなさんへ
装備を揃えるのは、先立つものがあれば直ぐに揃います。揃えた道具を、スマートに使いこなすには、それなりの手順と経験を積むことが大切ですね。夏の3000m級日本アルプスの山々でテント生活をスマートにするために、まず近郊の鈴鹿の山で2~3回テント生活した山行をしたいですね。
テント設営講習、たくさんの?備品のパッキング講習を随時させていただきます。こちらを参照ください

2015年9月27日(土)
スズメバチ
各地で被害が報道される時期になりました。特に里山、低山は、10月いっぱいは、新しい女王バチが生まれ、ハチが巣を守るため攻撃的になっているため、最も注意が必要な時期です。スズメバチが、僕たちの周りをしつこく飛び回っているような状況に出くわしたら、近くに巣があると判断して、よく観察して絶対に近づかないこと!ですね。
    
おおよそ攻撃を仕掛けてくるときは、空中で停まるようになります。そんな姿をキャッチしたら、手で払ったりぜず、低い姿勢にして、まずじっとして相手に刺激を与えないようにしましょう。名古屋市天白区も、僕が生まれた頃は愛知郡天白村で、里山と、畑と、田んぼと、川ばっかりで、このスズメバチにも何度も攻撃され、じいちゃん、ばあちゃんから、今と変わらない対策を躾けられたものです。
    
やもなく刺されたら、このポイズンリムーバーを使って毒抜きします。刺されて5分以内に毒抜きすれば、腫れあがったりすることもなく回復も早いです。この時期は、是非携帯しましょう。

2015年9月14日(月)
魔法瓶
    
北アルプスの2500m以上の標高ではあっちこっちで初霜が下りたり、初氷が張ったりと最低気温が0℃以下になったようです。シルバーウィークに登山計画中のみなさん、好天時の日中はそれなりの気温ですが、下界との気温差が大きいので10℃がとっても寒く感じます。防寒着等も大切な備品ですが、飲み物も暖かいものを携帯することで、防寒具以上の保温につながります。左はサーモス社の山専モデル、右は象印の一般モデル。実際に比較してみました。両方とも前日の夜に熱いお茶を入れ持って行き、翌朝、9時頃飲んでみると、サーモスは、熱~いお茶そのものに近く、象印は、ぬる~いお茶になっちゃいました。これ、象印が悪いんじゃなく、サーモスの山専が「すごい!」んですよ。

2015年9月11日(金)
春アイテムジャケットのお出まし
パタゴニア社
レビテーション・フーディ
    
透湿性と伸縮性に優れた新登場のレビテーション・フーディは行動着として、残雪期以来の登場です。秋の冷たくなった風に対するプロテクションを提供します。丈夫ながらしなやかなストレッチ織りポリエステル製シェルは花崗岩の粗い岩肌に耐え、DWR(耐久性撥水)加工済み。ヘルメットの着用に対応し、ラミネート加工済みのバイザーを備えたフードはシングルプルで調節でき、頭をしっかりとカバーしながら視界を確保します。ミニマリストのデザインで、伸縮性を備えたバリアブル・コンディション・カフは手袋の上にすっきりとフィットし、ジッパー式ハンドウォーマーポケットはハーネスのじゃまにならない配置です。

2015年9月7日(月)
公開講座
日本山岳ガイド協会の「安全のための知識と技術」の公開講座が10月20日(火)/18時30分から開講されます。会場は、僕たちの独断で名古屋ではなく、なんと、「刈谷市産業振興センター」です。入場無料の公開講座ですので、是非お越しください。講座内容は
1.鹿屋体育大学・運動生理学教授の、山本正嘉先生による「疲労を防ぐための歩き方とトレーニング方法」 の講義。これはとっても為になります。
          
2.アルパインクライマー、日本プロガイド協会所属、佐藤裕介さんの「厳冬期 黒部横断」の記録です。これはとっても感動を呼びます。
  

2015年9月7日(月)
秋の気配
下界は気配ですが、山は「秋」です。9月に入ってから秋雨前線の影響で晴れ日も少なく、2500m以上の日本アルプスでは、最高気温も10℃前後の日が続いています。防寒着の携帯はもちろん必携ですし、行動着も夏山シャツからもう少し、保温機能をもったものに替えて行きましょう。下着を薄手のメリノウール素材のものを着るだけで保温性はずいぶんアップします。
         
僕も今月から、シャツはメリノ200です。
           
メリノウールの下着です。まだ今の季節ですと、アプローチから着ることはないでしょうが、パックに携帯していくと心強いですね。肌に一番近いところに、濡れても冷たくならない素材を付けることが基本ですね。

雨具の撥水もアップしておきましょう。撥水アップの効率のいい処置法は、店頭にてアドヴァイスさせていただきますので、遠慮なくお尋ねください。耐久的に見直しを考えられているみなさんには、ベースになっているナイロン生地がやや厚めの70デニールがおすすめです。
      
ノースフェース社マウンテン レインテックス ジャケット。上下スーツではなく、パンツと別々販売です。
   
高山植物も秋仕様になりました。

2015年8月21日(土)
ブラックダイアモンド社
ミッション50&75
   
ブラックダイアモンド社の大型パック、ミッション、今季から50リットルが新たに加わりました。背面サイズもSサイズからの展開があるので、身長が160cm付近の女性のみなさんならバランスよくフィッテングできます。何より、シンプルなデザインがいいですね。無雪期のテント山行にピッタリの大きさです。採用ナイロン生地も420デニールと耐久性も十分です。

2015年8月20日(金)
スポルティバ社
カラコルムHC
      
僕と毎回3泊~4泊の北アルプス全山縦走踏破を実行中のお客さんが、3足目の登山靴としてこの靴を履いてこの夏を過ごしました。とっても快調のようです。特に下りの支持力が素晴らしいようで、スキルアップ(コースタイム短縮レベル)が数段上がりました。

2015年8月20日(金)
スカルパ社
レベルGTX
      
スカルパ社のテスターをさせていただいています。レベルGTXをこの靴の最適使用環境で使っています。穂高岳ですと、前穂高岳北尾根、北穂高岳東稜、もちろん西穂高岳~槍ヶ岳への縦走路、剱岳ですと、源次郎尾根、八つ峰主稜、とてもフットワークも軽く、フリクションも抜群です。雪渓をアプローチするにもセミワンタッチアイゼンがバッチリ装着でき、硬い雪渓でも安心して登下降ができました。
ただ、以前にも紹介しましたが、タイプ的に、足が幅広だと思って靴を履かれているみなさんには向かないような気がします。タング(ベロ)部分のマチも浅く、薄くとられているので、足首の動きに慣れていないと当たりが出るかもしれません。

2015年8月15日(土)
サプリメント
    
夏山登山の強い味方です。MUSASHI(ムサシ)のREPLENISH(リプレニッシュ)と、NI(ニー)です。L-ロイシン、L-バリン、L-イソロイシン、の3種のアミノ酸を含んだサプリメントで、BCAAとも呼ばれ、筋肉の疲労回復に効果がある!と宣伝です。リプレニッシュは500ccの水に溶かして行動水として摂取し、二―も粉なので、水と一緒に、1日の運動中の空腹時、運動後の空腹時と2回摂取すると効果的です。ほんとに筋肉疲労回復にいいですよ!でも、「まずい!」。

2015年8月14日(金)
様変わりの登山スタイルその1
    
双六のテントサイトです。13:00で約100張りです。昔は、縦走継続地の午後1時のテントサイトってまだ数張りだったかと・・。まあ、ここは新穂高温泉を朝出発してこれば、昼頃には着きますからねえ・・。お客さんと、裏銀座コース烏帽子から気合入れて?きて、何とかいい場所に張れました。
翌朝、2時に起きて、準備して3時15分に出発したパーティは僕たちと、先行していた学生パーティだけ。まだ、明りが点いていないテントが多い中、この時間のスタートに気が引けるほど。
    
先行の学生パーティに追いつきました。まだ真っ暗です。「おはようございます!」と元気なあいさつ!パワー的にはイマイチですが、チームとしての統率力はちゃんと、とれていました。

2015年8月14日(金)
様変わりの登山スタイルその2
             
一般登山道で被ってる登山者がほんとうに増えてきました。山小屋でも貸し出しをされているところも増えています。東鎌尾根を下山してると被っていないのは僕たちだけでした。「売れる」ビジネスにとっては光明なことですが、登山の本質を見ると・・・。落石からの防御?といっても・・、自分が転倒、転落したときのための防御?といっても・・、守ることの精神は大事なことですが、一般登山道ですからね、周りをしっかり観察すること、転倒、スリップしないよう、支えのしっかり登山靴で、しっかり歩くことの方が、防御の本質と思うのですが・・。あっ、体力がもっと大事ですね。バテれば、ミスはおかしやすくなりますからね。

2015年8月7日(金)
夏山の着こなし
夏山最盛期、今年のように太平洋高気圧の勢力が強く、猛暑が続いているシーズンは、たとえ3000m付近の日本アルプスでも紫外線は強く、最高気温も20℃くらいまで上昇します。余分な暑さを感じないためにも、着こなしはシンプルに1枚で動けるシャツで行動しましょう。日焼け等や、途中で雨にあってレインジャケットを着ても不快にならないシャツの基本は、襟付き、長袖ですね。
           
登山に適した素材で作られている、このようなニット系のシャツは、基本的に汗の処理として、吸湿、拡散、速乾機能を備えているので、肌に直接着で十分だと思います。
           
また、早朝の日の出前の稜線上をスタートするには、このシャツ1枚では心もとないでしょう。そんな時には、この上にジャケットです。夏山なら、丸めてパックのレインフラップに入るくらいの薄手のジャケットで十分です。日の出とともに、暑く感じてきたら脱いでシャツ1枚!シンプル、スマートが一番快適です!

2015年8月7日(金)
マック・パック社
セラック
          
登山からアルパインクライミングまで、軽さと堅牢さを両立させたオールマウンテン用テクニカルパックです。シンプルで使い勝手の良い1気室構造を採用し、簡易的なスリーピングマットとしても使用できる背面パッドシートを内蔵。さらに背面には雪の付着を軽減し低温下でも凍りづらい水分非吸収バックパネルを使用しています。パック自体の重量と、岩や草木に引っかかるリスクを減らす無駄のないシンプルなデザインがいいですね。50リットルの容積です。夏~秋にかけて2~4泊のテント山行にピッタリのパックです。ところが、来期のマックパック社はこの一番使いやすい中型(大型?)のアイテムがドロップしてしまいました。是非今期中に!

2015年8月7日(金)
ティートン・ブロス社
ハイブリッド・パンツ
          
ストレッチ・撥水素材として一世風靡したショーラー社の生地を使って、膝、ヒップの部分には耐摩耗性の強いデュラ・ファブリックを使った「ハイブリッド」パンツです。今季の新製品として、使わせてもらっていますが、動きやすさ、シルエットともに、とってもいいパンツです。パタゴニア社のサイマル・アルパインパンツやノースフェース社の定番アルパイン・ライト・パンツも使っていますが、来週からのちょっと長期山行には耐久性をアピールしているこのパンツを使います。
生地のコストも、ハイブリッドにしている縫製コストから、¥24840(税込)と高価なのが・・・、でも、いいパンツです。秋冬も来期も継続販売されます。

2015年8月3日(月)
夏山登山靴の仲間たち
  
  
とっても、意識の高いお客さんにご来店いただき、登山靴を選んでいただいています。7月の人気順です。1.スカルパ社/トリオレ・プロ、2.スポルティバ社/トランゴ・アルプ、3.ハンワグ社/フェラータ・コンビ、4.ローバ社/チェベダーレ・プロ。
どの登山靴も、土台もソールもアッパーもしっかり作られていて、日本アルプスの岩がゴロゴロした不安定な登山道をしっかりサポートしてくれます。特に下降時に威力が発揮されます。

2015年8月2日(日)
最高の天気・・
  
日本アルプス全域で快晴の朝を迎えているようです。さらに気温も20℃と上昇中。
今日は上空に-6℃クラスのこの時期としては冷たい空気が入るようです。おそらく暖かい空気とぶつかり合う時間は14時頃から(もっと早いかも?)でしょうか。大気は不安定になり、雷を伴った強いにわか雨となりますね。みなさんのお盆休みにつれて、このような状況は続くでしょうね。ということで、夏山は、遅くても14時目的地着のプランニングを徹底しましょう。

2015年7月31日(金)
マット
テント山行には必需品ですね。コンパクトな自動膨張式マットレスを選ぶか、かさばっても、断熱性が高く、パンクリスクがない、クローズドセルマットレスを選ぶかは・・、厳冬・積雪期は言うまでもなくクローズドセルマットレスですが、無雪期は自動膨張式マットレスの保温機能で十分ですね。使い分けをされないみなさんで、厳冬・積雪期の登山もされるならクローズドセルマットレス!自動膨張式マットレスは多社から発売されていますが、総合的な耐久性ではサーマレスト社のプロライト プラスがおすすめです。
    
    
クローズドセルマットレスは、アコーディオン式収納ができるタイプの方が、半分にして、パックの背面側に収納できるので、パッキングしやすいですね。どちらのマットも120cmあれば十分です。パックの外付けは、引っかかってバランスを崩すことにもなるので避けたいですね、特にパックの下方に外付けは、下降時見えないところで引っかかるので止めましょう。

2015年7月25日(土)
フィッツソックス/ミディアム・ハイカー
     
メリノウール70%、ナイロン27%、 ポリエステル6%、ライクラスパンデックス2%、素材、配分的には、メリノウールを使ったソックスの平均的です。おすすめ度はフィット性です。足に密着感のある縫製シルエットなので、がさつき感がありません。ソックスのフィット性が悪いのが原因で「靴づれ」って案外多いかもしれませんね。

2015年7月24日(金)
段取り
お客さんが、テントペグの補充に・・。登山メーカーが作ってるテントには必要最低限のペグが入っています。というか、日本アルプスの2500m以上のテント指定地のほとんどはペグが差し込めない!ですね。何で止めるかというと、周りに点在してる「石」ですね。テントの四角に付いているペグ止めスリングだけでは石で止めれません。
  
ということで、このスリングに細引き約1mを付けましょう。そうすることで、ガッチリ石に固定できます。雪上での設営では、支点を雪中に埋めるので必須ですね。
  
山行前の準備、「段取り」です。

2015年7月17日(金)
ポリエステルVSメリノウール
暮らしの学校の実習で木曽駒ヶ岳、登山研修所友の会交流会で立山、台風前のちょっと梅雨明け系の好天だったので素材体感テストをしてみました。木曽駒ヶ岳は、ポリエステル素材で、千畳敷まではTシャツで行き、そこから、そのうえにジップアップを重ね着してみました。Tシャツはパタゴニア社のキャプリーン・ライトウェイト、ジップアップはキャプリーン3です。外気温が15℃付近ならこのコーディネイトでもいいのでしょうが、紫外線がそれなりに強くなって、20℃を上回って、運動を伴うと素材自体に熱がこもりやすくなって、暑さと蒸れを感じました。Tシャツを脱いで、ジップアップ1枚の方が、暑さ、蒸れも少なくなりました。
  
翌日の立山でも、室堂まではTシャツで行き、昨日の体感から、重ね着をせず、室堂でTシャツを脱いで、ジップアップに着替え、重ね着をせず1枚で行きました。素材はTシャツ、ジップアップともにメリノウールです。外気温は木曽駒ヶ岳とほぼ同温度でしたが、午後は5℃ほど高くなりました。下山してきたケーブル乗り場の立山駅(標高約400m)では35℃。素材はともに、アイスブレーカー社の春夏アイテムの、メリノウール 150g/m2ジャージー(ウール87%(メリノウール)、ナイロン13%)です。こちらは素材自体に熱がこもりにくいので、熱による暑さを感じず、とっても爽やかです。素材による汗の拡散性が低いので溜まりやすいはずなのですが、ベタ付き感も少ないような気がします。日プロの亘ちゃんこと、小林ガイドも、メリノファンで、交流のみなさんにもこの不思議な素材を宣伝してくれてました。
 

2015年7月11日(金)
イスカ社/エア280X
&ナンガ社/UDD BAG 280DX

個人装備で一番かさばるのは、シュラフですね。ダウンの中でも800フィルパワークラスを選択することで、よりコンパクトになり、膨らみ率も高いので、快適に過ごせます。50リットルクラスのパックにパッキングするためには、まずシュラフをコンパクトにすることですね。日本アルプスの標高2500m以上での生活にはダウンの重量が250g~300gが適正かと。秋の季節でも気温は下りますが、800フィルパワーなら大丈夫です。夏山は基本的に、外気温と内気温の格差が小さいので、テント内の結露は少ないです。ということでシュラフカバーは使いません。

夏山だけ限定で使い分けをされるなら180gダウンならもっとコンパクトになりますね。

2015年7月5日(日)
カリマー社
アルピニステ
         
またパックのご紹介です。カリマー社のアルピニステです。とってもシンプルに作られています。基本容積は45リットルで、上部のマチの部分が10リットルとられていて、フルですと55リットルの容積になります。正確な容量?の突っ込みは置いといて、このパックの容積フルに使えば、2~3泊のテント山行は、バッチリですね。マチのいいところは、初日は、3日分の消耗品(主に食糧)が全部入っていますが、消化するたびに少なくなって行きます。最後の日には、マチを使わなくて基本容積45リットルの形状でスマートになりますね!みなさん、登攀具を使わない一般の夏山テント山行2~3泊は、このくらいのパックにパッキングして行きましょう。

2015年7月5日(日)
ハイキング・シューズ
グリスポーツ モンテグラッパSP
    
マジックマウンテンのKさんが行商に訪れました。今どき、ほんとうに少なくなった営業スタイルです。別になくてもいい「物」でも、見せられると、「あっても(販売しても)いいんじゃない!」雰囲気になるものです。で、つい発注してしまいました。
ヌバックレザーを使い、ゴアテックスではありませんが、防水バリアーを貼り付けています。とっても足まねきのいいハイキングシューズです。¥22680(税込)です。

2015年7月4日(土)
ソールの張り替え
    
登山靴のソールの張り替えです。ソールから中間のミッドソール、そしてそれを覆うラバーまで交換されます。ソール交換が可能(適正)な登山靴は、基本的に、靴の土台が、セミ・ワンタッチアイゼンが装着できる、しっかりした硬さをもっていることです。

2015年7月2日(木)
ホグロフス社
ロックハード30
          
ロックと名称にあるように、クライミングパックのカテゴリーです。とっても頑丈な生地で、スマートに作られています。フィッテングもとってもいい感じです。日帰りのマルチピッチクライミングから、山小屋利用の2~3泊山行にベストマッチです。僕の愛用小型パックです。

2015年6月7日(日)
スマートウール社
NTSマイクロ150パターンボクサーブリーフ
       
ブリーフもかよ?ブリーフもだよ!薄手生地で細かいストライプ柄のボクサーブリーフ。ウール100%のとっても快適な着心地です。

2015年6月4日(木)
スマートウール社
NTSマイクロ150パターンティー
       
ウールクルーの入荷第2弾はスマートウール社の、薄手生地で細かいストライプ柄のTシャツ。ウール100%の快適な着心地です。

2015年6月1日(月)
救急パック
    

中身はざっとこんなもんです。右端のオレンジ色のものは、骨折副木の代用のパットです。テーピングは、一番広い50mm?が適応ですね。他に、ピンセット、ハサミ、体温計が入っています。
           
これ、中身は塩です。これから夏にかけて熱中症の応急処置的に効果的です。30~50gあればいいですね。

以前は、外傷の傷口消毒用にイソジンを携帯していましたが、最近は水での洗浄が推進されています。ということで、このプラティパスに水道水を500cc携帯します。このキャップが水が散らばらないのがいいですね。
毒抜き器
         
救急パックにもうひとつ付け加えとして、毒抜き器です。むしろこちらのほうが使用頻度は高いかもしれません。蜂、毒虫等に刺された時、毒液や毒針を吸引作用で抽出する応急手当器具です。毒虫や蜂、毒蛇に刺されたり、噛まれた時は、直ちに体内に入った毒液や毒針を排出しなければなりません。山中で、医師の手当てを受けるまでの応急処置として必携品です。
      
刺され箇所(口)にこのように当てて吸引します。血液と共に透明の液に変わるまで繰り返し吸引します。

2015年5月31日(日)
アイスブレーカー社
テックライト SS クルー

メリノウールが持つ独自の光沢感と肌触りをそのままに、耐久性の弱点を克服させたCORESPUN製法で仕立てました。糸のコア部分にナイロン繊維を配備し、そのまわりを最高品質のニュージーランド産メリノウールで巻きつけることで、両繊維のメリットだけをハイブリットに引き出すことに成功しています。温かい時期は単体での着用ができ、寒い季節はインナーとして着用することで幅広い使い方が可能です。
メリノはいいですね~。たかがTシャツですが、されどTシャツです。毎年1枚づつ手にして10枚目になりました。

2015年5月29日(金)
パタゴニア社
メンズ&レディース・RPSロック・パンツ
  
クライミング用パンツの中でも軽いRPSパンツは、テクニカルなルートで無制限の動きやすさを発揮します。素材はナイロン/ポリエステル混紡のストレッチ織りで、DWR(耐久性撥水)加工済み。まち付きの股と立体的なカットを採用したミニマリストのデザインです。クライミングパンツのカテゴリーですが、これから夏山に向けて、2000m未満の低山ピークハントや3000m級日本アルプスの山小屋を利用したピークハントのパンツとしてもおすすめです!

2015年5月28日(木)
パタゴニア社
メンズ&レディ―ス・キャプリーン3・ミッドウェイト・ジップネック
    
    
キャプリーン3・ミッドウェイトは多用途に使え、ソフトでコンパクトに収納可能。伸縮性、耐久性、吸湿発散性、通気性、速乾性を発揮しながら、素肌に快適な着心地を提供します。滑らかなジャージー表面はレイヤリングがスムーズで、内側は温かい起毛仕上げ。ベンチレーションに効果的なかさばらないジップネックのデザインで、脇の下のパネルにより動きやすく、肩の縫い目はずらしてあるのでバックパックのストラップの下でも肌が擦れません。これから夏山に向けて、2000m未満の低山ピークハントや3000m級日本アルプスの山小屋を利用したピークハントの行動用シャツとしておすすめです!

2015年5月28日(木)
マック・パック社
アッセント
          
シンプルな大型パックが入荷してきました。登山からアルパインクライミングまで、軽さと堅牢さを両立させたオールマウンテン用テクニカルパックです。シンプルで使い勝手の良い1気室構造を採用し、簡易的なスリーピングマットとしても使用できる背面パッドシートを内蔵。さらに背面には雪の付着を軽減し低温下でも凍りづらい水分非吸収バックパネルを使用しています。パック自体の重量と、岩や草木に引っかかるリスクを減らす無駄のないシンプルなデザインがいいですね。65~68リットルの容積です。これから夏山にかけて5~7泊のテント山行はこれくらいのパックで行きたいですね。
マック・パック社
セラック
          
こちらはアッセントと同構造の中型パックで、50~53リットルの容積です。これから夏山にかけて、2~3泊のテント山行ならこれくらいのパックで行きたいですね。

2015年5月28日(木)
寒気が入ると・・
21日、3000m付近の稜線では降雪がありました。真緑の色合いを見せていたハイマツもあっという間に白く、エビの尻尾も付きました。風が強い証ですね。
     
     
上空5000mで-20℃くらいの寒気が一時的にでも入ると、3000m級日本アルプスでは降雪になり冷たい風が吹き、視界も閉ざされてしまいます。最高気温が真夏並みの都会の日常生活からはまったく想像できない環境になるのです。暖かい空気と混ざり合うと、恐ろしいほどの「雷」も伴います。「あられ」が舞い始めたら要注意です。
こんな日になると・・、心強い味方になりますね。
パタゴニア社
レビテーション・フーディ
    
透湿性と伸縮性に優れた新登場のレビテーション・フーディは行動着として、この時期の激しい風や雪に対するプロテクションを提供します。丈夫ながらしなやかなストレッチ織りポリエステル製シェルは花崗岩の粗い岩肌に耐え、DWR(耐久性撥水)加工済み。ヘルメットの着用に対応し、ラミネート加工済みのバイザーを備えたフードはシングルプルで調節でき、頭をしっかりとカバーしながら視界を確保します。ミニマリストのデザインで、伸縮性を備えたバリアブル・コンディション・カフは手袋の上にすっきりとフィットし、ジッパー式ハンドウォーマーポケットはハーネスのじゃまにならない配置です。

2015年5月8日(金)
ローバー社
チェベダーレ プロ GTX
       
       
スカルパのテスターといいながら、自費で履いてみました。とっても歩きやすい靴なので、夏の縦走用に使っています。ローバー社にしては、ラスト(木型)が細目なので、売れないだろうなあ?と思っていたのが、意外に僕と同様にお客さんの評判がいいんです!屈曲の多い足首やつま先付近に起こるシワやネジレによる負荷を大幅に軽減。フィット感、ホールド性を損ねず、また溝の深いブロックパターンのビブラムソールは岩場のみならず土や砂利道でも高いグリップ力を発揮し、3000m級日本アルプスの岩稜の多い長い縦走ルートにも最適です。

2015年5月4日(月)
パタゴニア社
メンズ&レディ―ス・メリノ2・ライトウェイト・ジップネック
    
今週の山行時も着用でした。外気温を上回る?紫外線の反射熱でしたが、汗による拡散機能はポリエステルに比べると劣りますが、吸湿性は高く、熱の伝導率が低いので、とっても快適です。自分の汗ですが、臭くならないのもいいですね。僕たちは、基本的に、下着との重ね着はせず、直接着です。
パタゴニア社
メンズ&レディ―ス・フーディニ・ジャケット
    
メリノ2で行動がちょっと寒いような風が出てきたら、パックのフラップからさっと出して着こなせるジャケットです。これから秋の季節まで、日本アルプスの山々で、これ1枚あれば十分の働きです。今週の僕たちのレイヤードをおすすめしてみました。

スカルパ社
キネシス&ミトス(女性用)
    
    
こちらは、スカルパ社のキネシスとミトスです。こちらも入門用ですが、グランドキングより土台、ソール素材ともに、もう少し固めでしっかり度があります。
         
どちらの靴も「ソールの張り替え可!」
と、メーカーサイドは謳っています。ところが、軽登山靴系は、張替え後、張り替え以前に使えていたより短い期間で、ソールの剥離が生じる確率が高いこともわかってきました。これは、軽登山靴が名称のごとく、ソール土台が登山靴ほど強固な土台ではないため、皆さんの体重・荷物・歩かれてる凹凸の登山道、すべての環境・行為によって、土台が捩れたり・反ったり変形してしまった上に、フラットな新しいソールを張りつけた微妙なズレから生じてくるのでしょう。メーカーも変形している土台までは直すことができませんからね。そこで、その旨をみなさんにお話をしているのですが、その場ではご理解いただいても、ソールの剥離が生じるとやはり・・・・。そこで、入門用の軽登山靴は、みなさんが数年履かれ、ソールの剥離や崩壊が出てしまった場合は、なるべく「張替え」は考えず、新しい靴の購入を考えた方がいいように思います。土台がしっかりとした丈夫な登山靴はそれに至りません。

2015年4月30日(木)
今年の残雪期
 
稜線、山肌には雪が少ない残雪期ですね。天気は8連勝中です。
 
谷は平年並みのような気がします。

2015年4月27日(月)
パタゴニア社
メンズ&レディース・サイマル・アルパイン・パンツ

   
暖かい日差しの季節になってきたので、これから夏山から秋山にかけての登山用パンツのご紹介です。長い間定番として好評だったシンプルガイドパンツのニューバージョンです。透湿性を備えた軽量なストレッチ織りポリエステル製で、とってもシンプルでスマート機能的なカットを採用し、複雑な山岳環境でも邪魔になることなく行動できるパンツです。
パタゴニア社
メンズ&レディース・デュアル・ポイント・アルパイン・パンツ
 
サイマル・アルパインパンツをさらに格別な伸縮性、透湿性に優れた中厚のナイロン/ポリエステル/ポリウレタン混紡のソフトシェル素材を使ったパンツです。風を防ぎ、摩耗に耐え、DWR(耐久性撥水)加工により、ガス、霧雨くらいまでしっかり弾きます。調節およびベルトループに付け外しできるサスペンダーを備えています。パンツを一定の位置で長時間維持できるのがいいですね。こちらは日本アルプス3000m級フィールドを3日以上継続登山されるみなさんにおすすめです!

2015年4月27日(月)
ノースフェース社
メンズ&レディース・アルパイン・ライト・パンツ
     
春の2000m未満の低山、夏の3000m級日本アルプスの山岳エリアでの行動を支えるパンツです。シンプルさを極め、山岳エリアクライミングにも使いやすく、やわらかな着用感。足さばきの良いテーパード形状でありながら、立体的なパターンと豊かなストレッチ性を併せ持ち、足上げも軽快です。ハーネス使用を想定し、バックルを設けないすっきりした腰周りの逸品です。
ノースフェース社
メンズ&レディース・バーブパンツ
    
高いストレッチ性を持ち、リラックスなストレートシルエットで、春の2000m未満の低山、夏の3000m級日本アルプスの山岳エリアでの行動をサポートする定番のパンツです。素材には適度な厚みがあり、防風性と適度な保温力も備えています。特に、3000m級日本アルプス独特のガスの水蒸気には、しっかりと対応できる撥水力と、左右のベンチレーションによってムレを排出する機能も備えています。

2015年4月25日(土)
ジェットボイル
ミニモ
     
熱効率では抜群の機能をもつジェットボイルです。2~3人で使うのに最適の「スモ」の入荷がないのが残念ですね。容量は500mlですが、新しい「ミニモ」が出来上がってきました。従来のパーソナル・クッキング・システムのカップに比べ、口を23mm広く、高さを45mm低い設計で、狭いテント内でも安定して使いやすくなりました。クッカーを持つ手がカップに触れにくくなったのもいいですね。
             
同容積のこちらのフラッシュの出力が1134kcal/hに対してミニモは1512kcal/hとパワフルです。

2015年4月24日(金)
ニット帽
来週からのゴールデンウィーク?前半は晴天日が続くようですね。僕もこの好天を使わせてもらいます。ということで残雪日よけに意識がいきますね。それももちろん大事ですが、日本アルプスの稜線付近は風がない時の方が少ないのも事実です。ちょっと風が強くなった状況では、日よけ帽は飛んでしまいますね。たとえ、飛び止めを付けていても、帽子が飛んでいかないだけで、頭に帽子は乗っちゃいません。
              
そんな時には、頭にしっかりフィットするニット帽が役立ちます。夏でも稜線は案外寒さを感じます。ヘッドランプをつけて早朝出発時にも役立ちますね。こちらは、スマートウール社、メリノウール150・ビーニー、残雪期から無雪期、初秋、晩秋までおすすめです。ポケットに入る、かさと重さです。
              
こちらは、ノースフェース社ロケット・ビーニー、アクリルとウールの混紡です。

2015年4月24日(金)
ノースフェース社
コブラ50&60
         
すべての行為に適したアルパインパックです。荷室のスカート部分はワンアクションで開閉でき、内部へ素早いアクセスが可能。また、雨蓋を外して使うことも想定して、簡易的なフラップ型雨蓋も装備しています。フレームシートやヒップハーネスも取り外しでき、用途に合わせて軽量化できるようにもなっています。アルパインクライミング志向じゃなく、2~3泊テント山行をベースに縦走、定着登山にもこのくらいの大きさのパックにまとめて山行をおすすめしたいですね。
マムート社
トリオン・プロ50+7
         
こちらはマムート社のアルパインパックの定番、トリオン50がモデルチェンジしました。背面部が完全に開く新設計で、使いやすさもさらに進化しました。とてもシンプルな設計です。

2015年4月13日(月)
スカルパ社
レベルGTX
              
昨年の秋に発表になったニューアイテムです。無雪期の日本アルプス3000m級山々のピークハントはもちろんのこと、縦走にも十分適応です。セミワンタッチクランポン対応もしているので、残雪期の短期ピークハントにも使えますね。ということで、日本的に3シーズン用ブーツといえます。機能的には、密度の違うポリウレタンクッションを組み合わせ、優れた衝撃吸収性とフリクションを発揮するビブラム・リアクティブXTを使っているので、、岩場の多い日本アルプスの山々に軽快なフットワークが可能です。ラスト(木型)は、スリムタイプで、フィット感をアピールしています。甲から足首にかけて、エラスチックを配したソックフィットにして、これまたフィット感を出しています。手にしても、履いてみても、定番のトリオレ・プロと比較すると軽い!使ってみて、軽くなっても、支持力は維持しています。
と、スカルパ社のテスター?として履かせてもらっている、販促データーです。使用環境的には、上記の如くですが、履かれるみなさんのタイプ的には、足が幅広だと思って靴を履かれているみなさんには向かないような気がします。足入れもタング(ベロ)が一体型になっているので、登山靴を履き慣れていないみなさんには、足入れがしにくいでしょうね。ってことは、ビキナーや、一般的日本人足型(と言われている系)には向かない!ことになっちゃいますね。耐久性、総合的な靴としての支持力は、定番の「トリオレ・プロ」をおすすめします。
ビギナーのみなさんでも、フィット感とスマートなフットワークを求められてるみなさんには「おすすめ!」です。うちの店もファースト・オーダーをして、店頭在庫モデルなんですが、ちょっと人選してしまいやすいモデルなので、みなさんから受注入荷にさせていただきます。履いて(足入れをして)みなきゃわからない!ので関心のあるみなさんは、遠慮なく申し付けくださいませ。入荷まで2日から4日の時間をいただいています。
スカルパ社
トリオレ・プロGTX
 
セミワンタッチアイゼンの装着も可能で、これから残雪期の短期ピークハントはもちろんのこと、無雪期、日本アルプス3000m級山岳エリアの岩場の多い縦走にも対応する3季登山靴として、発売から3シーズン人気定番アイテムです。昨春から、外見上はほぼ継続ですが、靴底のソールが当初のフリクションの優れたビブラム・ムラーツから、ビブラムペンタックスプレシジョンXPに変わりました。こちらのソールの方が、摩耗耐久性がやや優れています。ラスト(木型)も以前は岩場でのフットワークを意図として先端がやや内側にふってあったのが、ちょっとストレートになりました。また、マニアック?なことですが、ブーツの前傾角度が強かったのが、立ってきました。下りに足がブーツの中で前方に移動しすぎて、指先にストレスを受けにくくなって好評です!

2015年4月9日(木)
シンプルな小型パックが入荷してきました

マックパック社の新商品、左がパーシュート NZ アルパインチーム、右がウェカ40、ともに40リットルの許容量のパックなので、これから秋にかけて、3000m級日本アルプスの山小屋利用でのピークハント、縦走にもってこいの大きさです。軽いパックは生地を薄くして軽量化を図るより、シンプルに作り上げることで出来上がります。パシュートは、マルチピッチのクライミングにも適したアイテムです。

2015年4月6日(月)
新しいレインギアー入荷してきました
ウェアーではなく、あえてギアー表現をしてみました
ウェアーメーカーとしてのイメージ、ファッション的カラー、スタイルではなく、日本の雨をよく理解して作っているレインを求めてくださいね。おすすめのレインを紹介させていただきます。

1.マムート社/ゴアテックス・クライメイト・レインスーツ
    
ベースになっているのは20デニールとやや薄手のナイロンです。フロントジッパーはこのように、ジッパーを覆うようにマジックテープを付けたフラップ式のオーソドックスなスタイルです。こちらはスーツの名称ごとく、ジャケットとパンツは同サイズのセットです。
       
ちょっと写真ではわかりにくいかもしれませんが裏地です。ゴアテックスの防水バリアーは、超薄いフィルムで、ベースになっているナイロン生地に貼り付けて、さらにフィルムが痛まないように裏地を貼り付けて3層構造(3レイヤー)が一般的です。
       
このレインスーツは、裏地の処理が編み物(トリコット)によってされています。裏地がトリコットの編み物処理の方が、湿度を含む日本の雨には結露が拡散されて目立たず、快適に感じられます。

2.ノースフェース社/レインテックス・ジャケット&パンツ
    
今年からジャケットとパンツが別販売になった新製品です。こちらはベースになっている生地は70デニールのナイロンでやや厚手です。3層構造ゴアテックス®ファブリクスのトリコットバッカーを採用することで肌触りもよく、雨天のみならずレインウエアの枠にとらわれない防風防寒シェルとして活用できます。日常でも使いやすいクラシカルなイメージカラーで汎用性を極めた1着です。

3.モンベル社/ストームクルーザー・ジャケット&パンツ
    
レインウェアの定番、「ストームクルーザー」が、新しいテクノロジーを採用し、生まれ変わりました。従来は、裏地に織物を使ったプロシェルでしたが、マムート社、ノースフェース社と同様、裏地にGORE® C-ニット™バッカーテクノロジーを採用して、しなやかさを向上させました。縫製箇所を減らすなどの大幅な軽量化と同時に、これまでにない柔らかな着心地を実現しました。こちらは、ベースになっている生地はオーソドックスな番手30デニールナイロンです。ウインドブレーカーや防寒着としても活躍します。フロントジッパーはフラップがなくむき出しですが、こちらのジッパーは止水加工がされています。
ストームクルーザーパンツは、サイズがウエストサイズをベースに基本丈の他に、ショート丈、ロング丈が選べるのがいいところです。

僕の体感ですが、日本の湿気の多い気候風土では、裏地は、この3社のアイテムに使われている、編み物(トリコット)の方が、結露が拡散されるので、目立ちにくく、結果的に快適感が得られると思います。

4.こちらはモンベル社が発売してるトレントフライヤー・ジャケットです。ゴアテックスバリアーを使ったレインの中では、最もコンパクトで軽量です。
    
軽量でコンパクトに仕上げるために手抜きはしてませんが、それだけベースになっているナイロン生地を薄くしているということです。さらにゴアテックスバリアーに裏地を付けていない、専門用語的には2レイヤーです。通常の3レイヤーと比較すると耐久性は劣ります。また透湿性は高いフィルムですが100%ではありませんので、結露は生じます。裏地はその結露が、たまらないように拡散する働きも持っていますが、裏地のない2レイヤーは結露水滴が拡散されず、たまり気味になります。だから結露が目立つわけです!ということで、好天の情報処理をして2000m未満の低山の日帰り登山や、山小屋を使った1泊2日登山をする範囲での使用ならとても便利よく使えます。レインウェアーの使い分けを意図とされないみなさんは、軽量コンパクト宣伝をうのみにせず、1.2.3.のような総合的機能をもったレインウェアーの購入をおすすめします。
マムート社レインスーツ
サンダーストーム
        
こちらは、今どきめづらしく、40デニールと工業製品上、同じマムート社でも上記1.のクライメイトレインスーツの倍の厚みのあるナイロン生地を使ったレインスーツです。重さは敵ばっかりの時代?ですが、残雪期や、初夏や秋の標高2500mを超える山稜での最低外気温はこんな日もあります。最高気温で10℃くらいでしょうね。こんな気温で雨の中行動しなきゃいけないことになる?と、大きな味方になってくれますね。
    

2015年4月6日(月)
スポルティバ社
カラコルムHC
    
ペルワンガー社の2.8mm防水加工レザーを使用し、これから残雪期の3000m級日本アルプスの長期定着、縦走登山にもってこいのブーツです。もちろん、無雪期の3000m級日本アルプスの長期縦走にも最適です。サポート力の高いハイカット仕様ながら、3Dフレックスシステムの採用によって足首の自由度が高く、30kgほどの大型ぱっくを背負っても歩行ストレスを軽減します。女性モデルも入荷しました。

残雪期の山スキー
 
昨シーズンから、積雪期のバックカントリー向けに使っているストックリ―社のストームライダー100です。積雪ハイシーズンにも快適に使えたので、使い分けどころか、ずっとこのスキーでした。残雪期を迎えて、積雪期にちょっと気になってたところをチューン?してみました。現在のバックカントリーモデルは、スキートップはロッカー形状です。このことによって、整地ではない環境でもスキーがたわんだ状態でターンに入れることから、操作性がとてもいいことは実証されています。僕も同感ですが、ロッカー形状によっては、接雪面が雪面から遠くなることで、スキー自体のターンに入るタイミングが遅れ気味になっている気がして・・・、ということで、バインディングを15mm、スキートップ寄りに(前に)移動してみました。すると、うん!この方がいい!顕著に感じました。一般的には、スキーメーカーが指示をしているセンターマークにブーツセンターを合わせて取り付けることが基本ですが、僕には前よりに付けた方が合ってた!
 
バインディングはマーカー社F12ツアーEPF。15mm前にする前は従来のF12ツアーを付けていたんだけど、フレーム幅が8mmワイドになったEPFに換えてみたら、ターン中のスキーの支持力も別物くらい向上した!マテリアルの進化はすばらしいですね。
    
陽射しで春らしい環境だったり、ちょっと寒気が入って真冬並みの環境になったり、まだ4月中旬の時期は不安定?ですね。もうパウダー?はいいや!
マーカー社/ツアー・クランポン
       
                   写真は太いフレームEPF対応じゃないのもです。
残雪期の山スキーには必需品になってきましたね。マーカー社のツアーバインディングはセンター幅が太いスキー対応用として、フレームの幅が8mm程太い、EPFフレームを発売しています。それに伴い、ツアークランポンも、この太いEPFフレーム対応のアタッチメントが装着された状態で出荷されてきます。ところが、従来のF12、F10のバインディングにはアタッチメントを外して、同封されている
従来のアタッチメントに交換しないと、装着できません。マーカー社のツアー・クランポンをお求めの方は、必ず装着を確かめてフィールドに出かけましょう!当たり前ですけどね・・。

今期は


同じストックリー社のストームライダーですが、こちらはセンター幅88mmとやや細身です。道具がどんどん細分化され、造り手は、世界的にスキー人口が増えていない中、従事人口のみなさんに、環境、行為によって使い分けの快適をアピールしてきます。それに答える必要はないのですが、販売する僕たちは、その違いが、正当なのかどうかの識別体感はもっていないと・・ですね。ということで使い分けです。ところが、これがあまりによかったんでハイシーズンからづっとこれ!。今期は100mmは1回使っただけ・・。
このテック式のバインディング、基本的にスキー幅の広い(100mm以上)のスキーには支える機能として適正じゃないのでは・・?と思っているので、88ミリに付けています。このスキー、しっとり、しっかり感がとってもいい味の「大人のスキー」って感じです。アルペン用のバインディングで、ゲレンデを滑ってみたくもなるアイテムです。ディアミール社のテック式新製品、実践しています。脱着を含めた操作性、パウダーの中での滑走性、思いっきり転倒してみての開放性ともに問題なしです。雪が深く、それなりのラッセル時での、軽量というのは機動力の武器ですね!

ルート旗
    
ホワイトアウトの中、地形図にコンパスで計った角度も記入し、GPSも携帯しながらでも、昔の習慣というか、ルート旗は安心なんだよね~。標高差700mくらいの登高でも登高角度が変わったりするところには立てながら行く。ルート旗を立てたところをGPSにマーキングする。と、完璧ですね!と言いたいところだけど、あくまで方向的なことだけ!雪面にクラックが入っていたり、大きな穴が開いていたり、地形的なことまではGPSは教えてくれませんからね。バックカントリースキーのみなさん、状況が読み取りにくい天候では、ゆっくりスピードコントロールしながら、地形の観察も忘れないでくださいね。
    
ところが、時には結果的に運も味方して、滑る時には、一転してガスも取れ、晴れ間が。ルート旗がどうのこうのは、関係なかったりすることも・・・。
    
ところによっては、地元の山岳会のみなさんの力添えで、このような立派なルート旗が立てられているところもあります。

崩落
    
尾根の側壁から「ド~ン」崩落した雪塊が大きな雪崩を誘発してデブリとなりました。残雪期はこれが怖いですね。登下降ルートの周りの観察はしっかりしましょう。崩落ですから、気温が上昇した時間、10時30分頃の出来事です。小蓮華尾根の2400m付近で崩落が起き、金山沢1700m付近がデブリの末端です。

お~い!こら!
    
山岳部の学生たち、何が「お~い!こら!」かというと、雪面に尻をついて座ってる前の下級生。写真を撮るために一時的に座ったんでしょうが、つるつるっと滑っていったら・・・。それなら上級生はロープ付けてるんだから、ちゃんとセルフビレイ取ってやらないと!「杓子岳山頂」という、それなりのアンカーがあるんだから。細かいことのようだけど、アクシデントは、ちょっとしたミスからはじまるもの!そして、余計なことをすることは負の連鎖を呼び込んでいくこと!コーチはこういうところを指導してやらないと!

5月中旬でもこんなことが・・・
   
          
上空750hp、高度3000mでマイナス6℃、それ以上の寒気?が入ったことで、2500m付近は、真冬に逆戻り。50cm積雪、つららもできました。5月初旬に、都会で生活してる僕たちには信じられない世界ですね。
   
下山を決断する前まではホワイトアウト。この日の午前中が何とか・・・という天気概況からピンポイントでした。雷鳥沢の下りはホワイトアウト「吐き気をもよおす気持ち悪~」状態でした。

大学生春山研修会
広大な大自然、僕たちは、今何処にいて、これから何処に向かおうとしてるんでしょうね。
    
幕営地に着いて、整地しながら踏み固めます。雪でブロック塀を作って強風対策、設営完了です。
    
    
春の山は、日中の陽射しと気温で融雪します。テントを張った土台も柔らかくなって凸凹になってしまうので、1日の行動を終えて帰幕してからまた整地をし直します。大切な生活技術です。
    
ヘッドランプをつけて早朝出発。早出、早帰幕、登山行動の基本ですね。
    
平蔵谷から、通称インディアン・クロアール経由で剣岳本峰に向かう研修班。
    
本峰から北アルプスの山々、何処が何岳?これも大事な概念!
    
危急時搬送研修です。まず搬送できるようツエルトを使って、要救を梱包します。
    
雪面をロープを使って確保しながら搬送します。搬送先はヘリまたは救急車両が入れるところまで。社会復帰のためにも、いち早く処置ができる医療機関へ!
    
大学生春山研修会
黒ちゃん撮影
       
               剣御前にかかる朝陽。今日は快晴!
     
霙・雪の中でナビゲーションの研修をする研修生。読図は講義でもやったはずだろ!でも、現地で、本番となると・・・・
     
スノーピケットを埋めて、雪上で支点の構築。素早く、正確に作るにはやはり反復です。
     
帰幕予定時間をちょっとオーバー。×ゲーム腕立て!1班は体育会ですね~。横山講師です。
     
山岳スキー班は池の平山まで足を伸ばしました。剣岳の裏側を目にして広大な斜面を滑走します。
     
研修最終日、今日は雪洞泊。しっかり作れ~。

春の低山
   
5月になると、近郊の鈴鹿の山は「アカヤシオ」が綺麗な季節です。近郊の山は、お手軽?に行けちゃうイメージですね。でも、出かける前に、インターネット上での情報収集もいいでしょうが、本屋さんで、ガイド冊子付地形図、『山と高原地図』を買って、見て、読んでくださいね。
           
『山と高原地図』は、それぞれの山域を研究する登山家が、実踏調査に基づき、客観的概念で掲載されています。山行前に、目を通すことで、まず、自身で、この山のこのコースなら行けそうじゃないかなあ!?と、創造力?でコースを選択してみましょう。それに基づいて、地形図を見て、おおよその概念を身に付けましょう。 登山では、常に「目的地」と「自分の現在地」を認知する必要があります。どちらか一つでもわからなくなると、道に迷って遭難してしまうこともありますので、地形図とコンパスは必ず携帯し、休息時には現在地の確認をすることを習慣 にしましょう。

BMZインソール
キュボイドパワー オールフィットスポーツ
     
試してみないと・・・、単純にインソールですが、されどインソールです。
「Cuboid(立方骨)を支えることで生み出されるパワー、BMZ社独自のCuboid balance理論により『運動性』と『安定性』を両立する足に対する革命的なサポートをお届けします」。が宣伝です。実際使い比べてみないと微妙です。登山靴に入っている中敷きを携帯して、このインソールで歩いてみても体感の感動はさほど・・です。ところが、次の日、もとの中敷きで歩くと、フィット、安定度が核違い。途中でこのインソール入れ直しました。足が痛い、靴擦れができる、とかの予防や対処にはまったくなりませんが、長時間(8時間~10時間行動)歩行安定性サポートには「素晴らしい効果!」です。
¥4320(税込)

ツエルト
    
商品パッケージは下の写真です。非常にコンパクトに収納されています。僕たちが実際に山に携帯してるパッキングは、上の写真の如く、スタッフバックに詰め替えています。テントと同様、現地でスマートに撤収するには、ギリギリの収納袋では手間取りますね。さて、ツエルトは、危急時避難待機のシェルターとして発売されています。ただ、携帯して安心?を買ってるだけでなく、危急時になった時に、スムーズに使えるよう準備が大切ですね。また、一晩このツエルトで生活する体験山行も行ってくださいね。シェルターとは、中で暖がとれる空間を構築することです。
    
天井の末端には、張るための細引きを付けるリングが付いています。そこに細引きをセットしておきましょう。
    
四隅にもループが付いています。そこにもあらかじめ細引きをセットしておきましょう。こうして段取りをしておけば、現場で手間取ることなく、安心なシェルターが短時間で完成します。
さて、このツエルト
ちょっと前までは、「ツエルトは携帯すべきですかね?」という質問が普通だったのが、「テントとどうですかね?」という質問に変わってきました。意識・レベルともにアップなのか?、ただ「軽量化」だけなのか・・?これ、危急時対策道具で、一般的登山生活道具じゃありません!けど、アライテント社のカタログには
『いろいろな使い方ができるツエルト、「危急時」だけではもったいないかもしれないですね 伝統的な日本の山道具「ツエルト」をもう一度見直してみませんか?』
さらに、
「ご存知でしたか、きちんと設営したツエルト(2~3人用)の居住空間はエアライズ2よりも広いことを」。
     
この空間の方が下のテントの空間よりも広いですよ!を宣伝しています。
                
まあ、そうでしょうけど・・、現在のテントように自立できない構造のツエルトを、テントより広い空間を作り上げるためには付属品を使うことになります。その詳細はこちらを参照してください。これらの付属品全部オプションで揃えないとテントとの比較にはおおよそ届きません。そうなると軽量化の数字的にはさほどの違いはなくなると思いますよ。
大事なのはデメリットで、
1.ツエルトは自立しないので、特にペグが使えない環境では設営にはかなりの慣れが必要!
2.ツエルト本体には防水布地を使用しているので、結露で濡れやすくなります。
3.日本アルプスのテント指定地での風雨の耐久性は低い。
このデメリットをデメリットと感じない経験をもった登山者のみなさんは、お店で、「テントとどうですかね?」という質問はされないですね。
基本は、初めから山小屋以外で宿泊山行を「計画」してるみなさんは『テント』です。ツエルトは、1日行程(日帰り)計画山行なんだけど、もし帰れなくなったりといった危急時対策(ビバーク)のための備品です。例えば、槍ヶ岳の「北鎌尾根」や、剣岳北方稜線のように、ロングコースのバリエーションルートはテント設営場所(指定認可)がありません。そのようなルートを1日で抜けられない状況になった場合はビバークになりますね。そういう山行には必需品となりますね。

軽アイゼン
夏山開きの時期になってきても、日本アルプスの山々は地域によって、融雪がにぶく、結果的に残雪が多目といったところもあります。ということで、夏山雪渓用にアイゼンを購入というみなさんに、6本爪を定義にせず、8本爪にしてくださいね。もちろん雪渓の基本は、前歯がある10本爪です。
     
     
そうそう、ちゃんとした12本爪のアイゼンをお持ちのみなさんは、わざわざ雪渓用?なんて購入の必要はないと思います。重いからなんて言いっこなしね。そのアイゼンが正論なんですから・・。使い分ける意味もないと思います。

着地は踵からつま先が順番です。軽アイゼンでも、8本爪はご覧のように靴の踵と先端に「爪」が位置するよう設計されています。長い距離?を使用してもズレは出にくいですね。

ご覧のように6本爪のアイゼン?は、靴の真ん中にしか爪が位置しません。4本爪はなおさらですね。長い距離?を使用しているとズレが生じるでしょうね。

天気概況
夏に、『上空に強い寒気が流れ込んでいるため、東日本や北日本で大気の状態が不安定になっています』。
という、概況が発表されたら、「積乱雲が発達して、雷を伴って豪雨になるんだ!」と思いましょう!
ヤマテンの猪熊くんからは、もうちょっと詳細に、
「500hPaで-9℃以下の寒気を伴う上層の谷が通過するため、これから今日(29日)の昼頃にかけて立山・剣連峰を中心に雷を伴った強い雨が降る恐れがあり、落雷や沢の増水に警戒が必要です」。と情報が届きました。「上空に」と「500hPa」は同じで、高度5000mでの大気を意味しています。「強い寒気」と「-9℃以下」も同じで、大気の様を表しています。5000mで-9℃以下ということは3000mで2℃以下ということですね。このような寒気は、暖かい空気がどんどん上昇して、上空で冷やされて積乱雲になったのとは違って、もともとの冷たい空気は重いので中々抜けてくれません。だから、山行は中止しましょうね。

「ソウンスリングを使って簡易ハーネスを作ろう」
を肯定してるわけじゃありません。
 
この細いテープ幅で、テンション(最低自身の体重)がかかって、下肢は耐えられますか?上半身も・・・どうですか?

これ、講習?にしていいのかなあ?知識としてあってもいいことですけど、そのためにスリングを購入するってのは・・、何しろ現行のソウンスリングの幅は細くなりつつあります。(一番広くても18mmがあるにはありますがそれも現実的手に入れるのは・・)
    
ブルーアイス社/コーカス・ハーネスです。170g、ソウンスリング120cm×2本の重量、かさとほぼ同等です。クライミングハーネスの基準ではありませんが、タイトロープテンションには安全、安心度たっぷりです。

クッカー&コンロ
「長期定着山行」、今どき・・ですね。例えば、涸沢をベースキャンプにして、前穂高岳の岩場(北尾根、Ⅳ峰正面壁、東壁・北壁(今は崩壊が激しく行かないでしょうね))を登ったり、北穂高岳滝谷(クラック尾根、第四尾根、ドーム(今登攀対象はこんなルートでしょうか)を登ったり、1日1ルート~2ルート登攀しても3泊~5泊必要ですね。剣沢をベースキャンプにして、源次郎尾根、八つ峰Ⅵ峰フェース、チンネを登攀するにも同等な日数が必要ですね。そんな山行の食生活を支えるのはクッカーとコンロです。涸沢も剣沢も、水はそれなりに豊富なので、レトルトやドライフーズは控え、食材から料理しましょう。登攀ではなく、ピークハントでも、2泊3日行程は必要ですね。そんな場合でも、水が豊富なテント設営地での食生活は、こうしたいですね。   
    
クッカーは特に高価なチタン製じゃなくてもアルミ製クッカーで十分です。効率よく食事を作るためには、ご飯を炊くクッカー、おかずを作るクッカー、お湯を沸かすクッカー(お茶類を飲むための)の3点がいいですね。
エバニュー社/チロルコッフェルM+(3人用)
           
ストーブは効率性でガスストーブです。但し、何でもいいわけじゃなく、大型のクッカーを乗せた時、安定したゴトクであること、火力が強いことの2点からEPI社のネオ・ストーブがいいですね。
EPI/ネオ・ストーブ
現代風に・・
           
ジョットボイル社のSUMOです。クッカーの容量が1.3リットルあるので、2~3人山行でのインスタントクッキングには最適です。パスタも300gゆでるにもOK!コンパクトで湯沸しも早い!夏なら純正230gボンベ1本で2人分の6食クッキングできますね。つまり3泊4日です。相変わらず自動点火は不安定で点いたり、点かなんだり!着火具は必携です。
プラティパス/2Lボトル&保温ケース

テント山行には必携品ですね。昔はポリタンク、こちらは水を入れて携帯しなくてもいいときには折りたためて、コンパクトになることが大メリットです。少しずつ減っていっても空気が抜けてそのつどコンパクトになります。さらには、保温ケースに入れると、途中の天然水場で補給したときもボトルの結露でパックの中が濡れないのもいいですね。
    
稜線上からちょっと下った水場、とっても冷たい源水です。この保温ケースに入れて携帯すると4~5時間はそれなりに冷たいままです。

テント山行
テント山行のみなさんが増えてきました。現在のテントは自立型で、基本的に張り綱を引っ張らなくてもポールだけで立っています。しかし、それは立っているだけで、風雨に耐えれるわけではありません。日本アルプスの山々のテント指定地には、このような石がゴロゴロしています。張り綱はしっかりした石で固定し、しっかり張りましょう。山岳部の学生たちと使ってる、アライテント社・エクスぺディションドーム6です。フライシートもしっかり張ることで雨日でも快適に過ごせます。雨休みのほんのひととき!通気するぞ~。
    
    
フライシートの固定にはショックコードが付いています。風雨時の生地への衝撃吸収です。このショックコード、直接固定するのではなく、補助ロープを還して固定します。衝撃も、張り調整も、より完璧になります。これらは登山技術の中でも生活技術です。楽しい登山を完成するには、ちゃんと生活しないと・・・。
増えているとは感じてましたが・・
    
テント山行、すごい数?です。といっても約50張りです。しかし、五竜山荘前のテントサイトで50の数ではスペースオーバーですね。小屋の前、壁面通路までびっしりでした。ところが・・・、朝3時30分に出発するときにライトの点いているテントは1張りもありません。いつ出発?夏山はヘッドランプを付けてスタートが常識だったんですけどねえ。お客さんと後立山連峰をプライベート山行で縦走です。使用テントはアライテント社エアライズ3です。目的地到着は目標13時、3日間ほぼ目標時間の-30分で行程終了。17時30分の夕食までに、その日の疲労は回復させなきゃ!
テントのパッキング
     
僕たちが使ってるアライテント社のエアライズ3型、商品として出荷されているパッケージは一番下の写真です。すごくコンパクトに収納されています。実際に使ってるスタイルは、ブルーの10リットルスタッフバックに本体、5リットルスタッフバックにフライシートと分けています。かさの違いは大きいのですが、重さはかわりません。パッキング時に、パックにしっかり力を込めて詰めれば結果は同じです。ところが、山中で設営したテントを撤収してパッキングする際、最初からコンパクトにしないと収納できない大きさの袋に詰めるのは手間がかかります。特に風の強い日や、雨の中の撤収で、飛ばされないようにするためには、フライシート、テント本体をたたみながら収納なんてやっちゃいられません。このように、大き目のスタッフバックに「押し詰め込む」のが効果的です。狭いテント内で、自分のシュラフを詰める行為と同じですね。山行前の準備で、こういう収納に段取りしましょう。
     
イスカ社・スタッフバック/10L:¥1720(税込)・5L:¥1400(税込)

テントマット&エアーマット
    
こちら、強化繊維入りアルミ蒸着フィルム、ポリエステルフィルムを使ったテントマットです。平均的に1・2人用のテントならMサイズ=約320g、3・4人用ならLサイズ=約500gです。一般的に雪山でのテント山行は必需品ですが、夏でも3泊以上の長期山行にはおすすめです。テント指定地の地面がいつも乾燥状態ではありませんし、定着山行のメッカ、涸沢にしろ剣沢にしろ地熱が上がらない環境では、快適に過ごせます。
個人用にはエアーマットです。国産?ではイスカ社、モンベル社が一般的ですが、老舗サーマレスト社がおすすめです。耐久性が抜群です。
    
愛用のプロライト・プラス/スモール120cm、「値段は高いがいい味です!」。登山者は120cmで十分ですね。足元はパックを敷けばOK!かさも、重さも、たいしたことはないにしろ、十分以上を求める必要はないと思います。それより、APテントマットが有効ですね。
アンダーシート
       
テントメーカーからオプション販売されてるアンダーシートもいいですね。こちらはテント内に敷くシートではなく、地面に先にこのシートを敷いてその上にテントを設営します。純正オプションですので、裁断はテントにピッタリです。メリットは軽量・コンパクト。平均約150g付近です。

行動着
     
薄手のメリノウール素材のジップアップです。これからのシーズンの行動着です。スマートウール社の製品ですが、輸入元のロストアローさんは、今春夏から輸入アイテムからドロップしています。カタログにも、ホームページにも掲載されていません。昨夏このアイテムのジップアップを着て、ひと夏~秋過ごしました。その体感を下にアップしていますので参照ください。とてもいい素材で動きやすかったので、昨秋に特別にオーダー(向こうにはアイテムとして生産しています)したのが入荷してきました。ストライプデザインと無地の2種類を入れてみました。なによりオリジナリティに富んでいますよ~。穂高にしかないアイテムです。
スマートウール社/メリノ・ジップ150(秋・冬は200&250と数字が大きくなります。大きいほど生地の厚みが増します。春・夏は薄手です):¥9720(税込)
冷た~い、寒~い!
昨年、雨ばかりの夏山縦走からアドヴァイスです
入山前の週間予報では☀時々☁が数日、ところが・・・、4日のうち、3日間ずっと☂!、久々の☂山行でした。小屋の軒先で「寒~い!」と震えている登山者にたくさん出会いました。「雨具の撥水・防水機能がしっかりしていないから濡れるんだよ!」一般的指摘はそうですね。まあ、それもひとつですが、防水機能が優れたゴアテックスの雨具が通常じゃない頃から、雨の中震えずに登山できていたのは、濡れても冷たさや、寒さを感じないウール素材のウェアーを肌に近いところに着ていたからです。「濡れるのが当たり前だから濡れても大丈夫なものを着る!」。雨具以前の基本です。
        
僕はこの3日間雨具の中は、このメリノウールのジップアップを肌に直接着ていました。冷たさも、寒さもなく、普通に10時間以上行動していました。現在の雨具の機能、夏山の環境なら、このスマートウール社のメリノ150、またはパタゴニア社・メリノ2・ジップアップクラスで十分でしょう。もちろん晴天日の行動着としても快適で、僕は常用です。下着パンツは、スマートウール社のマイクロウェイト・ボクサーブリーフです。
              
こちらは雨日も晴天日も関係なくずっと着用です。ポリエステル系の下着より、蒸れなく快適です。山岳部の学生は股ずれができて苦戦していました。下着が適正じゃなかったんですね。たかが下着でも、俺の真似をしないからだ!「真似る!」レベルアップの始まり行為ですね。                
雨日に朝から行動なら
                
筋肉サポートタイツじゃありません!撥水・保温材を使った沢登用のタイツパンツです。プランニング時に雨日行動が予想される状況ならパックに詰めていくととても快適な雨日行動が楽しめます。僕の雨日スタイルです。下着の上にこのパンツをはいて、この上から雨具パンツです。かさばらず、動きやすく、冷たくも、寒くもなりません!240gの携帯です。ファイントラック社・フラッドラッシュ・タイツです。

防寒具
         
夏の「衣変え」の季節になってくると、それが生活感になってしまい、つい山の環境の意識が薄れがちになりますね。3000m級日本アルプスは、生活環境より15℃~20℃気温は低くなります。登山してる過程では、少しづつしか高度が上げられませんから(平均的に1時間の行動で300m)、気温変化には鈍感気味ですね。ところが森林限界(2500m平均付近)を超えたあたりから、風も直接あたってくることもあって体感は一気に変化してきます。そこでの滞在には防寒具は必需品です。
この春夏の防寒具の新製品として、ホグロフス社の『L.I.M BARRIER PRO HOOD』、非常に軽量で、収納もコンパクトです。ちょっと値段が高いですけど、これは山だけじゃなく、秋冬になったら、生活着としても活用できます。
¥33600(税込)

靴サイズ選び
登山靴選びに来ていただけるお客さんの年齢層が若返ってきました。その場で購入ってお客さんは少なく、コンサルタント的が多いですけど・・・。
初めてのお客さんより、買い直し、買い足しのお客さんが多く、買い足しのお客さんは、登山をする環境、季節が発展していったため、従来使われていた靴の機能では不十分だから!と、購入のポイントが明確です。長い間使っていて消耗が激しくて新たに!というお客さんも明確ですね。
コンサルタントは、買い直しのお客さんで、使われている靴に不満?、不安がある方です。その理由は「足が痛い」(100%下山時))です。その原因がわかり、理解をしていただかないと、中々購入まで至らないのは当然ですね。とは言うものの、僕たちにその原因が正確にわかるかというと・・・、「みなさんの足に聞いてみて!」というのが本音です。と言う僕達は、足が痛くなったことはないのか?というと、とんでもない!そんなの何度経験したことやら・・・。登山ってある程度のストレスはかかってくる行為なんですよ。それを、繰り返していくうちに強くなっていきます。本音はそんなところです。とはいうものの、不快がないように、投資するのですからね・・・
ということで、不満、不安で靴の買いなおしのみなさんは、現在使われている靴を実際にお店に持ってきていたでけると、道具としてのバランス、適正判断の材料になります。あくまで物理的なデーター取りですけど、適正に近づける方法、手段のひとつです。
今までに靴の買い直しで来店いただいたお客さんの物理的要因のひとつに、選択サイズが「大き過ぎる」例です(下の写真参照)。靴サイズが大き過ぎると、下降時に足が前に移動しやすくなり、移動した距離も大きいので、先端に当たる衝撃も大きくなります。靴底やアッパーの柔らかいタイプのトレキングシューズは、地面とのグリップがしっかりしていないので、靴ごとづれていく(靴が滑っている)ので、足先にかかってくる衝撃も小さいのですが、靴底もアッパーもしっかり固いタイプの登山靴は、靴自体の地面とのグリップがしっかりしているので、靴がづれず(靴が滑らない)、靴の中で足だけがづれていき、強い衝撃となることがおそらく足の痛みでしょう。
    
1.靴の中敷きに踵を合わせて足を乗せてみると、足先から中敷きの靴先までの距離(ゆとり)は25mm位です。一般的にこれは大きすぎますね。
    
2.足先から靴先までの距離(ゆとり)は20mm位です。大き目ですけど足と靴の感覚の個人差によっては許容域ですね。
    
3.足先から靴先までの距離(ゆとり)は15mm位です。これくらいが適正でしょうか。
* ここで確認したいことは靴のサイズ表示ではなく、足先から靴先までの「ゆとり」適正です。
4.最後は、僕のものです。
    
靴先までのゆとりは5~6mmです。一般的に山行日数が年間50日を超え、それを何十年も継続していると答えはこれに近づいてくると思います。無駄な動きが経験とともに抑えられ、フィット感を求めるように足も成長していくんでしょうね。

「靴に足が合ってないんですかね?」
「いや~、お店で履いてみて合ってない靴をみなさんが購入される決断はしないと思いますよ!」
「お店で履いた時は、どうってことなかったんですけどね~」
と、だいたいの会話です。
きっと、足と靴というより、凸凹した急稜な登山道環境とそこをそれなりの時間運動することの弊害なのでしょうね。月1回くらいの山行ペースでは「慣れる」行為にはならないでしょう。症状の大半は下りでつま先が痛くて爪が真っ黒。実際の靴の種類と、サイズ見せてもらいリサーチしていくと、まだ登山を始めて間がないみなさんが、あまりにゆとりのないサイズ選択をされいるという、めずらしい例が増えてきました。今月もこれが原因のお客さん何人かに新しい靴を選ばさせていただいたところ「快適になりました~!」と報告までいただきました。
      *登山靴の選択アイテムはこちらのページをご覧ください!
ところが僕だって・・・
    
まあ登山を継続してれば、あり得ることですね。「いつもの登山では何ともないんだけど・・」、でも、いつもの登山とは違うほど長い下山をしたときは、特に起こりやすいでしょうね。僕も、気合を入れて通常時間の半分で下山なんてオーバーワークすると、下山中はさほどの違和感はなかったんですけど、1週間後には黒くなってきました。僕は2指が長いから、長い指がこうなります。
    

玉手箱
       
久しぶりに山登りを再開するHさん、靴の点検に箱ごと持ってきました。開けてみてびっくり!いい方向のですよ。ご覧のようにピッカピカ。だいたい4~5年、それ以上登山から遠ざかっていたお客さんの靴箱を開けると「ミイラ」になってることが多いのですが・・・。登山靴も使って何ぼの道具で、ピカピカにして何?ってなもんですが、これだけ大事に手入れされてることに敬意ですよね。先日、ソールの剥離・崩壊を載せましたが、左の靴はそのウレタンのミッドソールを使ったマインドル社の軽登山靴で7年ものですが、まだ崩壊の兆候は見られません。右の靴はハンワグ社のロッキーGTXこれもほぼ7年ものですが、先日僕の先輩の同じ靴はソールの剥離でリソールしたばかりでした。友人のTさんともに、ほんとに道具を大事にしてる。手入れによって違いも出るってことですね。
丈夫な登山靴

登山靴の靴底(ソール)剥がれに注意
『接着剤、ゴム等の合成材料で貼り付けられた靴底が材料劣化で登山中に突然剥がれることが多く発生しています。靴底を捻る、曲げる、甲革と底との中間(ミッドソール)のゴムの部分を爪等で押した場合、ひび割れ、破片が剥がれ落ちる場合は、即刻、張り替えが必要ですが、その症状が確認できなくても経年劣化が進んだものは、登山中に剥離する危険が有ります。剥離は、特にクッション性を高めるためにポリウレタンを使用した製品に頻繁に発生する模様で、水分による経年劣化が原因で、靴底の寿命は4?5年との事です』
と書かれたこのポスター、現在でも注意事項として貼られている登山店を始め、山岳関係施設も多いでしょう。
お客さんが、ソールが減ったことで、リソールに持ってみえた、マインドル社のスーパークラック、昔うちの店で買っていただいたものです。「靴底剥離?」、「靴底の寿命は4?5年」なんてくそくらえ!どこにもそんな兆候さえ見られません。価格は高いかもしれませんが、やっぱり「丈夫!」ですよ。
     
約一月、ソールのリペアーが出来上がってきました。登山靴としてよみがえりましたね。
     

50年以上前の登山靴
       
これ名古屋東新町にあった大松商会の大将作の登山靴で、昭和31年ものです。今、これと同じような靴を・・・、といって来店されたお客さんにどう対応しましょう?現在の登山靴をどう理解してもらったらいいか・・・・、お断りするしかないでしょうね。機能は別として、形、味?、耐久性とても太刀打ちできません。今の登山靴、50年後に箱から出してみたらおそらくミイラです。

手の雨対策も
雨対策手袋といっても、手袋は縫い目が多いのでどうしても縫い目から濡れてきます。でも3000m級の日本アルプスの稜線上で雨に打たれると素手では戦えません。完璧なものはありませんが、これなら○。イスカ社・ウエザーテック・レイングローブ。
こちらは、メリノウールのインナーグローブ。レイングローブだけでは冷たくなったら、インナーにこれ!夏から秋にかけてならまったく冷たくはなりません。
ということで、革手のいずれか1つと、レイングローブ、インナーグローブの3点持っていれば鬼に金棒です。合わせて260g!
撥水
「撥水」と「防水」は違うことを理解してくださいね。「撥水」、水をはじくから、結果的に「防水」。「防水」、水を防ぐから常に防水。
「撥水」は処理ですがそれに対して、防水は加工です。現在の防水加工は一般的に「ゴアテックス」ですね。処理的な「撥水」は持続性の限界値が低いのに対し、加工の「防水」はゴアテックスのフィルムが破損しない限り持続します。ということは、「撥水」なんかなくても、「防水」だけで十分!ですが、この「撥水」、特に雨具に対しては重要な働きをもっています。「撥水」しなくなった雨具の表面は、ベッタリと水分が付着します。すると、雨具の内部で生じた汗の蒸気が外部へ抜け出せず、シャツと雨具の間に溜まってしまいます。その限界を超えると、今度は肌とシャツの間に溜まり始めます。防水は維持されていても、結露が過大となって濡れ状態になります。
「撥水」の低下要因は1.摩れ、2.紫外線です。1.摩れはパックを背負っていますからある程度仕方ない部分ですね。でも全体には生じません。2.紫外線は全体的にあたりますから、雨具を雨が降っていないときの行動着に長時間使用することは避けるべきでしょうね。
       
水溶液になって、スプレー式で振り掛けるものと、原液を水溶液化して漬け処理するものが発売されています。

その前に、洗濯をしてくださいね。雨日に長時間行動して、パンツは特に泥などが着かないことはないので、洗濯の前に、行動が終わった現地で泥だけでも洗い落とせる環境があったら洗ってきてくださいね。
                 
専用洗剤も販売されています。普通の洗濯洗剤でいいように思うけど・・・。

都心近郊?の山でも
    
隣りの岐阜県、能郷白山でもブッシュの稜線を歩かなきゃいけません。パンツは丈夫な生地で撥水処理がしっかりされてないと、濡れたり、破れたり。長袖のシャツも必着です。肌を出してると、かぶれたり、吸血虫に刺されたり・・。

登山道って
       
広々とした快適なところばっかりじゃないですね。日本アルプスの稜線は、ハイマツやブッシュ、凸凹した岩稜、これらがふつうです。
こんな環境に行くなら・・・
     
薄いタイツにショートパンツ、流行のスタイルで行ったら、タイツはびりびりですね。ということも知っておくことが大切ですね。こういう環境に行かなきゃいいけど!山のお洒落は、その環境に合った着こなし!ですね。
「ストック・杖・ポール」(表現はさまざまです)雑誌や、ポスター、インターネット、お店のディスプレーはどこもかしこも「このスタイル」のようです。ということで、これがいまの登山スタイルイメージでしょうか。販売プロがこんなこと言っちゃいけないけど、「まずは、フリーハンドで歩いてくださいね」。ポールの経費認めるなら、その分、しっかりした登山靴選びましょう!高性能タイツにショートパンツもいいけど、生地はしっかりして、撥水処理、ストレッチ性のあるアルパイン?パンツに着眼してくださいね!そんなパンツはこちらです
そのストック
ブラックダイアモンド社
ウルトラマウンテンFL
Z型に折りたためて、コンパクトになる!ことで人気が出てきてるブラックダイアモンド社のトレッキングポールのニューアイテムが上がってきました。ご覧のように収納がコンパクトです。
    
Z型に折りたたまれたポールをグリップを持って引っ張ると、芋ずる式に伸びていきます。
    
    
あっという間に、簡単に1本のポールの出来上がりです。
    
但し、便利で、コンパクトで、軽量なものに、強い耐久性はありません。常時ストックを利用して登下降をする皆さんは、収納コンパクト性を求めるより、頑丈さ!ですね。
    
こちらはヘリノックス社のポール、丈夫です。

夏山の天候は・・・
午前7時にはこんな青空の天気も
      
正午には山稜どころか中腹あたりまで、一面ガスに覆われてしまいます。そして、午後1時頃には雨が、時には強く降ったり、雷が鳴ったり・・・。
      
日本アルプスの容姿はだいたいこんなもんです。そんな中、午後5時過ぎに小屋に到着って登山者も少なくありません。もちろん計画段階で計算済みで行動されるには問題も生じないでしょうけど・・・・。早出、早着のプランニング、行動、「ゆとり」のある山行、鉄則にしましょう。
早出
   
こんな空の中を、行動し続けたいですね。それにはヘッドランプをつけて早出してくださいね。くどいようですが、夏山は平均的に午後1時にはガスに覆われてしまいます。ガスだけならともかく、雷にこんな稜線上で出くわすと、無差別に戦闘機から攻撃を受けてるのと同じですね。状況にもよりますが、3時から3時半の出発がいいですね。10時間行動しても午後1時着です。すると、日の出まで1時間半くらいの時間ですが、しっかりと足元や近い周りの状況が照らせるヘッドランプは必需品ですね。
              
ブラックダイアモンド社のアイコン(¥8190税込)。全光束200ルーメンのクワッドパワーLEDを搭載しリニューアルアイテムです。

混雑時
    
学生から、「鈴木さん、登り優先!」って怒られ?ましたけど・・。まあ基本はそうで、状況見て、スマートに交互にすれ変われるなら、それが一番シンプルでスマートな行為ですね。ところが、「譲り合いの精神」、それだけじゃ、特に混雑時は時間だけが過ぎて・・、それを何度も繰り返したらどんどん時間が過ぎていくだけです。
安全も含めたタイミングの状況判断が大切です。登山「客」じゃなくて、登山「者」にならね~と!

鎖!の通過
      
穂高岳周辺、剣岳、槍ヶ岳などは、人工的補助が設置されてなかったらクライミングルートになっちゃうから一般的な登山者は困まっちゃいますね。鎖は手すり?それともアンカー? 中間支点が設けらていなきゃアンカーにならないですね。
「掴みにくい!」、「滑る!」、「付けるところ考えればいいのに」・・・、登山客からこんな声も・・・。設置してもらってることに小言を言うことじゃないと思うけど、登山客にとっては「確かに!」と思えることも。
鎖場からセルフアンカー
    
せっかく鎖等の設置がされているなら、鎖を手がかりだけに使うのではなくて、移動するアンカーとして繋いでみてはどうでしょう。スリップしても大きな落下係数は生じますが、致命的な結果は防げるかもしれませんね。
 
クライミングハーネスではありませんが、岩稜帯通過等の使用には最適です。重量わずか220gの軽量です。
      カンプ社・ブリッツ
連結のガースヒッチです。
    
      
60cmソウンスリングにHMS型のカラビナを連結します。この際、カラビナがスリング上を自由に動かないよう固定したほうがいいので、連結はガースヒッチがいいでしょう。
      
カラビナを連結した側じゃないソウンスリングの末端を、ハーネスにガースヒッチで連結します。カラビナを鎖にかければセルフアンカー?の完成です。
基本は2本のソウンスリングをセットして、中間支点のかけかえ時もセルフアンカーが外れた状態じゃないようにします。

パッキング
夏に剣岳のクラシックルート「源次郎尾根」または「八つ峰上半」を二人で1泊2日テント山行をする場合の装備と収納を紹介してみました。
Ⅰ.パック
パックはマックパック社パシュート・クラシック(約50リットル)からノースフェース社のプロフィットに変わりました。こちらもとてもシンプルで、ほぼ規格どおおり、52リットル(マックス60リットル)許容します。171cm身長の僕は背面サイズはMサイズを選んでいます(Sサイズの方が良かったかも?)。パックのアイテムはこちらを
         
パックの中は、まず装備が濡れないように、またテント内でも個人装備がバラバラにならないようまとめるためにインナーパックを使います。この中に、装備を品目ごとに、防水スタッフバックに入れてパッキングすれば、絶対に濡れません!パッキングの基本です!パックカバーを付ける前に、基本を忠実にしないと!
      

Ⅱ.靴
スカルパ社のトリオレの1stです。
「ソール減りすぎてません?」。
「いや~、張替えに出すところなんですよ!」
実際は張替えずに、新しいトリオレ・プロにしますけど・・・・。延べ約30日使用です。
      

Ⅲ.生活具
2人のチーム装備として、テントは相棒の持分です。
1.ツエルトが僕の持分です。一般的にテントを持ってツエルトは不要なのですが、源次郎尾根や八つ峰の行動日は、テントは剣沢に張りっぱなしでアタックに行く定着型ので、今回は持ち物です。ツエルトは危急時の簡易シェルターです。夏は雷に出くわす確立が高くなります。雷は通り過ぎて行くことが一般的なので、近いときはツエルトの中で待機しましょうね。シェルターにするためには張り綱が必要です。3mmのロープが10mもあればどこかに引っ掛けてシェルターが作れるでしょう。
      
             
収納パックです。ツエルトにも収納袋が付いていますが、とても小さくて、山中で使って、さっさと収納したいのに使い物になりまん。
2.マット
まあ、一般的に120cmの長さがあれば十分ですね。足元はパックを敷きます。マットの収納も、ツエルトと同様5Lのスタッフバックを使います。
      
3.シュラフ
夏山の場合ならダウン量250g~300gくらいで十分快適に過ごせます。少しでもコンパクト化するなら180gもいいかもしれませんね。僕は通常山行時は、250g、ビバークの可能性がある時は、備品として180gを携帯します。シュラフカバーと重さ、かさともにほぼ同等で、保温性は数段上ですからね。
      
             
         収納は少し楕円タイプのスタッフバックを使います。5Lです。
4.クッカー&コンロヘッド&ライター
最近はガスコンロのヘッドも軽量コンパクトなので、チーム装備というより個人装備です。1泊2日ならガスカートリッジは1人1ヶあれば十分ですね。僕はチタンクッカーです。定着登山じゃない長期の縦走は天然水場があるところの設営地がほとんどないので食材はインスタント系です。そんな山行にはジェットボイルが効率的ですね。剣沢は水が豊富なので、ちゃんと食材から料理します。だからクッカー!
      

コンロヘッドとライターはケース(袋)に入れてクッカーに収納します。
5.水筒(この水筒今となっては骨董品ですね)
この環境での行動用には1リットルですね。生活用タンクとして2.5リットル容器も必要ですね。
      
6.食料
主食は軽量化(どんだけ軽くなるの?)です。夕食は材料から作りますよ!剣沢は水が豊富ですからね。
      

Ⅳ.登攀具
1.ロープ
2人のチーム装備としてロープが僕の持分です。
この岩稜では、8.5mm1/2の50mロープをシングルで使います。クライミングはダブルですけどね。ロープの持ち運びはループではなく、このようにスタッフバックに末端から順々に押し込んでいきます。使うときにキンク(捩れ)が少なくスムーズに出ることがいいですね。
      
            
          収納時もこの方が隙間がなくコンパクトにまとまります。
2.ハーネス・カラビナ・スリング・グローブ
グローブは革製のメトリウス社のビレイグローブです。クライミングでロープを扱うときはもちろんですが、登山道でもガラ場やブッシュをつかまなくてはならないときに素手ではなんともなりませんね。鎖を掴むつかむときも滑らないのが利点ですね。ハーネスは、DMM社のスーパー・クーロアール・プロです。
      
            
3.アイゼン
とうとうアルミ製のアイゼンに手を出して2年が過ぎました・・・・。まあ、せっかく多品種にしてくれてるわけですから。使い分けが楽しいですね。しかし、夏の硬~い雪渓歩きには通常のクロモリに軍配でしょう。
      
            
4.ヘルメット
ヘルメットは落石から頭を守る!装備ですね。クライミングという行為ばかりではなく、岩稜帯を登山する場合はかぶることをおすすめします。これはパッキングというか、ブラブラしないように工夫してパックに外付けですね。
      

Ⅴ.行動着・雨具・防寒具・着替え
1.行動着としてのジャケットです。
早朝行動時や稜線での強風時にはシャツ1枚というわけにはいきませんね。一般的には雨具のジャケットを併用されていることが多いようです。こちらのジャケットは雨具のように防水のバリアーは使われていないので、蒸れないし、表面は強い撥水処理がされているので、稜線上でのガス(霧)の水蒸気くらいは水滴となって処理します。ストレッチ性もあるので動きやすさも利点ですね。
      
      
最近は、テートン・ブロスのTurugiジャケットです。プルオーバーなのでファスナーがハーネスに干渉しなくて快適です。
             
                たった3Lの収納パックに納まります。
2.雨具
この環境での登山には、軽量・薄型素材のレインは使いません。平均的な30デニールナイロンをベースにゴアテックス・プロシェルのレインです。レインキャップ、レイングローブを一緒に収納しています。
      
            
3.防寒具
防寒具は停滞時の防寒が主な活躍です。目的地に着いてからの生活には欠かせないですね。幕営地の剣沢は日照時間が長くないので、地熱が低いようで、標高こそ2500mくらいですが陽が翳ると寒~い。危急時にビバークともなれば必需品ですね。
      
夏山の防寒着は、パタゴニア社のナノパフ・プルオーバー。
            
4.着替え
雨で湿気ると・・・、山小屋生活なら乾燥室であっという間に乾燥ですけどね。それもさりとて、汗で臭くなった?のをそのままってのも・・・・。パンツは筋肉サポートタイツとは違いますけど、身体にピタッに近い、ポーラテック社パワードライ素材を使ったタイツ系です。行動前から雨日では、このパンツに雨具。長時間雨行動は、この方が動き易い。
      
シャツは基本的にメリノウール。濡れても冷たさを感じないし、汗でも臭い匂いも少ない。
      
            
                シャツとパンツを合わせて収納。

Ⅵ.その他だけど大事な装備
危急時パック(怪我等の応急的処置)は2人のチーム装備として相棒の持分です。
1.ヘッドランプ
早朝行動(朝3時出発)を通常にしてればヘッドランプは必需品ですね。複雑な登山道地形をしっかり照らしてもらうためには明るさは大事です。ペツル社のミオRXPです。
      
2.ロールペーパー、予備電池、予備ライター、固形燃料を一緒に収納しています。
      
3.ニット帽・ウール手袋・タオル・サングラス
      
ニット帽は、稜線ばかりではなく風が強い環境下には必要ですね。日除けのためのつばがある帽子は飛んでちゃいますね。飛んでかないように帽子止めはダメですか?って言いっこなしですよ!帽子は飛んでいかないかもしれないけど、頭には定着しないならかぶらなくても・・・ね!手袋はウールの薄手です。
      
地形図です。剣岳周辺は1/25000図ですと何枚も合わせないといけないので使いにくい。そこで電子国土からコピーです。縮図も中高年でも見やすいように。コピーは濡れると滲んで役立たずになるので、ビニールに入れます。
これらの装備は、いつでもとっさに出したいので、パックのレインフラップの収納スペースにパッキングします。

レインフラップに収納するときは、レインフラップは直接雨が当たるので、2重収納にします。

装備を一品づつスタッフバックに詰めることが大切です。上手くパッキングするためには、段取り、仕分けが大切なんです。パッキングが2のことなら、まず1の仕分けをしっかりやらないと!

パックの底が・・・
    
年に2~3人のお客さんから「パックの底が破れたんですけど・・」と、修理の依頼があります。何でこうなったのか?までは僕たちも同行していないのでわかりませんが、想像として、現在のパックは立体裁断、型くずれ防止のため、このようにアルミ製のフレームが入っています。「ドン!」とパックを下す繰り返しによってテンションがかかった結果ではないかと・・。「そんなことで破れるもんなの?」と突っ込まれると、製品の強度の弱さ?を肯定せざるをえませんが、登山者のみなさんがちょっと気をつけてパックを下す時、そっと着地していただけると・・。また昔の話をすると、「ドン!」とパックを下すと、先輩や指導者から「叱咤」されたものです。「ドン!」と下しちゃいけない!んです。

大学生夏山研修会
    
重~い乱層雲に覆われて、雨が続く状況かと予測すれば・・・、何となくそれなりに行動できる状況になったり、天気に惑わされました。いや、その前の「天気予報に!」です。それも経験のひとつとして今後に生かしていけば・・・。
    
初めは小さな石で張り綱を止めていたのが、何度も張るうちに、ぱっと目でしっかりした石を判断して、それを使うようになります。やっと「常識!」になってきました。
    
道あり登山道ならそれなりに歩けちゃうんだけど、道無きところで、どう辿るのかとなると・・・、高津先生、「よ~く見てみろ!よく見ればわかるだろ!」って、東大の研修生相手に・・・。
    
どうルートを取るべきか、見て、さっと判断する!まだこのレベルに達しないんだよねえ。だからモタモタする。経験を積み重ねて身に着くことなんだけど、少ない経験の中からも、意識をもって取り組めば・・・。
    
クラックに適正なカムをセットします。これもとっさの判断!
    
よっしゃ~!しっかり支点もできて、ビレイ態勢が整ったら大きな声でコール!「登ってきていいぞ~!」。声が小さい!声も自信の表れですね。キャプテンはしっかり聞こえる声を発しなきゃ!
大学生夏山研修会
研修会はいきなり山域ではなく、計画、入山準備から始まります。そして研修所の人口施設を使って、確保システム、ロープワークの基礎を研修します。
    
人口壁で約60kgの人形「東くん」を墜落させます。すると東くんをビレイしているビレイヤーは、
    
墜落衝撃でロープの引っ張られる方向へ身体も引っ張られます。クライマーが墜落するとビレイヤーにこんなふうに衝撃がかかりますよ!という体験です。
    
体験設定は、墜落地点まではビレイヤーから8mロープは伸びています。ロープをセットしている最終プロテクションの1m上部で墜落をしたので、落下の係数は、墜落した長さ2m/ロープの伸びている長さ8mで、0.25です。これくらいの落下係数でも、プロテクションには、ビライヤーの身体が持ち上がるほどの墜落エネルギーがかかりますし、ロープには10回同じ衝撃がかかると切断手前まで摩耗してしまいます。
    

春山研修会にも参加していた研修生5名が夏山研修会にも参加してくれました。
    
八つ峰Ⅵ峰Cフェース剣稜会ルートをリードする研修生。この後、雨になり3ピッチ目から懸垂下降で撤退。
      
背負い搬送の研修に取り組む研修生。剣沢からみくりが池まで搬送しました。よく頑張りました。
      
中でも2班の研修生の2人は、春山研修会ではダメダメだったのが、今回はひたむきに研修に取り組み、成長した姿を見せてくれました。担当講師だった杉ちゃんこと杉坂先生も満足?ってとこですね。
    
下山後、研修所では研修を振り返って、記録の整理、まとめをします。そして、研修で学んだことで、これからの自分なりのリーダー像を発表します。

美しい雲
    
巻積雲です。雲の中で最も「美しい?」雲です。日本的には、鰯雲、鯖雲とも呼ばれています。高度にして7000~8000mくらいですかね?前線面にあることが多く、降雨の前兆として観天望気してくださいね。それにしても癒される空ですね。

岩登りの備品
岩登りの講習会はさかんですね。講習ブームなのかもしれません。ということで、初心者のみなさんに「必要な装備」を。講習会等に参加されるみなさんもご参考ください。
全部揃えると、総額で¥55000くらいでしょうか。
1.ハーネス
みなさん自身に装着して、ロープを直接連結します。
2.ビレイ用カラビナ
ハーネスのビレイループ部分と連結して、ビレイ・ディバイス(確保器)と連結します。

6.のHMS型カラビナでもOKです
3.ビレイ・ディバイス
確保器です。ハーネスに専用カラビナと連結して、ロープで繋がってるリードクライマー(指導リーダーですね)を確保します。
4.カラビナ 3枚
アンカー(支点)に連結して、自己確保をとるシステムを構築します。
5.120cmソウンスリング 1本
アンカー(支点)に連結したカラビナに均等に加重がかかるよう連結して自己確保システムを構築します。
6.HMS型カラビナ 3枚
用途1: 構築した自己確保システムに繋がってるメインロープを連結して、自己確保をとります。
用途2: 懸垂下降の準備時の自己確保にアンカー(支点)と連結します。

用途3: 懸垂下降器に連結します。
7.ビレイグローブ
確保時、ロープが手の上を「ちょっと動いた」だけで火傷です。それより「熱!」ってロープから手を離したら大変!懸垂下降時にも同様です。
8.エイト環
懸垂下降器です。確保器でも下降は可能ですがやはり使い分けましょう。
9.60cmソウンスリング 2本
用途1: 懸垂下降時にハーネスから下降器を中間連結します。
用途2: 懸垂下降時にフリクションヒッチを使って、ミスをしても墜落しないようにバックアップをとります。
10.パーソナルアンカーシステム
懸垂下降は、メインロープの自己確保が外れますから、下降準備が整うまでハーネスに連結し、アンカー(支点)にHMSカラビナを用いて連結し自己確保をとります。120cmソウンスリングで対応してもOK
11.クライミングシューズ
の理屈はいりませんね。
12.ヘルメット
「落~」!何が?落ちてきても、安全のために被りましょう。
*クライミング時の、中間支点に構築するプロテクション類や、それらと連結するカラビナ、ソウンスリング、クイックドロー等は上げていません。それらは、初めはクライミングリーダーや指導者の方々が用意するものだと思います。経験を重ねることで、徐々に状況にあわせて必要備品、数量等を用意をしていってくださいね。
長いソウンスリングはこんな時にも・・
      
八つ峰主稜上半Ⅶ・Ⅷ峰間、自然物、岩のピナクルを使って中間支点をセット。何より強固なプロテクションです。

ビレイ・グローブ
山岳雑誌の中で、クライミング(沢登を含めて)におけるビレイ(確保)システム、方法論がよく紹介されています。気になるのはスタイルのお手本を示しているにもかかわらず、ビレイヤーはほとんど素手です。ロープを使う場合は、たとえそれがどんな環境でクライミングしようと、グローブは必需品だと思うのですが・・・。クライマーがロープを引っ張ったり、テンションがかっかたりすると、ビレーヤーの手の上をロープが動いたり、走ったり(早く動く)します。もし、素手の上をロープが、たった数センチ動いただけでも火傷を負ってしまいます。火傷を負う前に「熱っ!」といってロープから手を離したら、そこでビレイ(確保)放棄になっちゃいますね。

ペツル社・コーデックス・プラス
ということで、クライミングのビレイグローブとして発売されている商品を紹介してみます。ホームセンターの作業用手袋でも代用できないことはありませんが、フィットがよくないし、耐久性もイマイチのようです。
いいグローブが店頭の革手のアイテム紹介します。
     
          トランゴ社・ゴートビレイグローブ

べアール社・アシュアマックス

メトリウス社・ビレイグローブ

ブラックダイアモンド社
トランジッション・グローブ

アルパイン派?
のみなさん!ヘルメットはかぶってくださいね。アルパインの現場は落石の宝庫?ですよ~。なんて大袈裟に脅したりして・・・。でも、常識です。
  
ブラックダイアモンド社から発売のベイパーヘルメット(左)約190gと、ベクターヘルメット(右)約230g、ともに軽量ヘルメットです。最近は岩稜帯の縦走路での使用も増えてきました。ベイパーヘルメットは注書きに、ベンチレーターの開口部が大きいため、落石の可能性の低いクライミングエリア専用!登山やアイスクライミングには適しません!とあります。悪まで可能性です。割り切って使えばいいんじゃね~の!

アルパイン向き?
クライミングシューズ購入のお客さんたちが、「アルパイン向きのシューズを・・」。
「アルパインは登山靴だろ!」が理屈(正論)なんですが、そう言えないご時世なんですね~。自然の岩場のマルチピッチ登ることがアルパインと言う時代なんだと理解して「それならこのシューズをおすすめ!します」って・・・・。
      
スポルティバ社のTCプロです。マルチピッチの自然岩のクライミングにはとても快適な1足です。
      
吸湿性の優れた薄手のクライミングシューズ専用のソックス「ロックマスター」と組み合わせるとさらに快適!です。
     
定番中の定番、ミウラでも十分快適なんですけどね。

ライトハーネス(クライミングハーネスではありません)
ライトハーネスは、クライミング用に適してはいませんが、フィックスロープやタイトロープのように、大きな墜落落下係数が伴う衝撃荷重がかからないスタイルには適しています。現場で、スリングはあるけどハーネスは持ってない状況で身体とロープを繋がなきゃいけない状況になった場合に、持ち物のあるものでハーネスを作る(その場合でもソウンスリング120cmを持っていないとできません)なら、上記の手段ですね。でも、あらかじめ、こういうことが起こりうる環境に行く場合、120cmのソウンスリングを持つなら、やっぱりハーネスを持っていくこと!でしょう。
収納はご覧の通りの大きさになり、重量は330g。かさも、重さも悩まなきゃいけないものではないと思います。価格は¥3600(税込) こちらは、ブラックダイアモンド社のクーロワール。重量わずか230gの超軽量ハーネスです。こちらは¥6190(税込)

猛暑?に
脱水とは
登山のように比較的長時間運動はたくさんのエネルギー、水分を消耗します。水分は、体重1kgあたり、1時間行動することで約5mlの水分が失われるようです。体重60kgの僕は1時間300ml失われるようです。みなさんの体重で計算してみてくださいね。
        体重○kg×5ml×行動時間=登山活動で失う水分量 ○ml
水分摂取は基本的に失われた分を補給します。
日常生活では、体重の2%が失われた時点で脱水状態が始まるといわれています。
              体重○kg×0.02=日常脱水量kg(=ml)
僕の場合なら1200ml(1.2リットル)、登山ではたった4時間水分補給なしで行動すると脱水状態になるわけです。しかし、日常生活そのもので脱水体質をつくりあげてしまうと、必ずしもこの計算通りにはいかないようです。すなわち僕は、毎日最低1.2リットルの水分を摂取しておかないと、脱水体質が出来上がってしまうことになります。脱水体質で入山すれば、「あっ!」という間に脱水症状が出てしまいます。日常生活での水分貯蓄(ローディング)忘れないでくださいね。
* ビールは特に要注意ですよ!何でも情報によりますと、ビールは500ml飲むと、倍の1000ml(1リットル)脱水するそうです(もちろんすぐにではないようですが・・・)。ビール飲んだ後は必ず水分補給忘れないでね。
脱水すると
脱水が引き起こすさまざまな障害は、1)熱疲労といって、血液中の水分量まで減り、血圧が下がり、各器官への血液循環が悪化し、動悸、息切れ、めまい、頭痛、嘔吐などが起こります。2)熱痙攣といって、発汗による水分、塩分が大量に失われ、筋肉中の電解質のバランスが崩れ、ふくらはぎ、ふとももの筋肉に痙攣が起こります。3)「むくみ」も脱水障害のひとつで、脱水が進むと生体が反応で、それ以上の水分を失うまいとして、尿を減少させます。本来排出されなければいけない水分が、蓄積された症状です。よく、登山後に体重が増えてるって人は、この典型的状態では?食べ過ぎて・・・・、あり得ませんよ! 山中で、宿泊した翌日が最も多いようですが、下山して1~2日続くこともあります。4)血栓もそのひとつで、血液中の水分減少で、血液の粘性が高まり、血液が固まってしまった症状です。中高年の皆さんは、最も注意が必要でしょう。これらの症状を熱中症といい、最終的には、日射、熱射と脱水がもとになり、体温が上昇し続け、発汗は停止し、運動の失調や意識の混濁が起こり死亡例のある結果です。僕の友人は、熱中症の熱射と脱水がもとで、肝臓、腎臓障害の合併症を起こし、人工透析をしながら、1ヶ月入院していました。脱水は、オーバーワークという、自身の持久力以上の行動が長く続くことでも促進されますし、日焼けによる、皮膚の気化熱によっても促進されます。余裕をもった行動、長袖、襟付きシャツ着用の基本も忘れないでください。
 僕は山行中は、ミネラルウォーターが中心で、中でもマグネシウム、カリウム、カルシウムなどの含有量の多いものを休息ごとに200~300cc摂取します。汗の量とともにナトリウムが多く含まれたスポーツドリンクの併用もしますが、基本的にはミネラルウォーターです。中身が水だけのほうが、裂傷などのケガが生じても、傷の洗浄に使える利点もあります。ザックを下ろして休息がとれない環境での登山・クライミングでは、ハイドレーションシステムを使っています。山奥深い環境でのクライミング行為でない限り、クライミングそのものの行為は、登山の行為よりは脱水しないような気がします。かく汗はひ汗!なんちゃって・・・。
宿泊地に着いてからの補給もわすれないでください。できる範囲で理想近い水分補給を心がけないといけませんが、登山活動で計算式にあるような理想的な水分補給ができる環境も少なくないと思います。したがって、行動が終わってからの水分補給も大切です。行動が終わってからの補給は、体内に貯めたくない汚れた水分を排出するために、利尿作用のあるコーヒー、紅茶などの嗜好品を飲んで、利尿したら、また水を飲む、を繰り返し1日が終わります。なんだか1日中水で始まって水で終わってるようですね。

食べる酸素
             
『違う!』・・・・。
富士登山の季節になると問い合わせの多いこと!この「酸素」は標高の高いところへ行って、低酸素による、一般的に言われている「高山病」の一時的解決に役立つものではありません!長時間運動をしたときに蓄積?される疲労物資、活性酸素を消滅させる効果があるサプリメントです。効果がでるためには継続的投与が必要で、高山病?の症状を解決のために、投与しても即効性も何もありません!まあ害にもなりませんけど・・・・。
疲労軽減、回復のためにも、運動前の食前に投与、5~6時間でまた投与、運動後30分で投与、こんな取り方を繰返すと役立つかもしれません。「酸素水」も同じです!
それでも、何か?あったら・・・と、富士山に念のため心で持っていくなら、
             
高山病?は、低酸素の環境から脱却しない限り、回復は望まれませんが、ほんの一時的に頭痛や嘔吐を回復?させるなら「酸素缶」。10リットルとありますが、圧縮なので小さなボトルです。

ということで、このようなものに頼らなくてもいいように、トレーニングをしましょう!といっても体力はすぐにつくものではないので、標高の高い低酸素環境に「慣れる」トレーニングなら出来ますね。例えば、富士登山の1週間位前に、乗鞍岳に遊びに行く。ここは畳平(標高2800m付近)まで交通手段であがれるので、ここでゲームなんかして1日過ごします。泊まってきたらなお効果的ですね。これはからだをその環境に慣らす(順応といいます)というトレーニングです。といっても遊びながら出来ることです。当然、何度も繰返すほど効果はあがりますね。
まあ、苦労して、苦しい思いをして登るのも登山ですから。苦労もしてください。

ポイズン・リムーバー
自然界は動物や昆虫(吸血虫)が生活の場で、たま~に行く、人間が主人公ではないですね。人間様の訪問を喜んでるのは吸血虫だけでしょうか・・・。
さて、毎年、「脅威を振るってる」と報道されてるスズメバチも基本的に巣に近づいていかなければ攻撃をしてこない!ことはたしかなようですが・・・、僕たちに巣がどこにあるかを見抜くする能力がないし、威嚇中のハチが刺してくることもあるし、僕も過去に4回も刺されました。ところが、この武器?で、毒抜きをしたおかげで、腫れ、痛み、かゆみの症状が出たこともありません。みなさん、是非必携してくださいね。
    
          
刺されてから5分以内に、このように、刺し口に当てて吸引すればほぼOKです

アルミ製アイゼン
    
     
軽量化が主流の登山道具なので、アルミ製のアイゼンも使っています。軽いのは幸せだけど、下降はやっぱり従来のクロモリのしっかりしたのが支えられますね。でも6本爪、8本爪とは比較になりません!

製品名
「アダムキラー」
「フィンガージャムが痛くて・・・!」と嘆きの紳士、淑女のみなさん、紳士、淑女じゃないみなさんも、クラック、ジャムトレーニング?用キットです。
誰が作ったかって?
こういう面白い発想する仲間は日プロ高津君に決まってます。
今日実物を持ってきてくれました。
「痛て~」、だからトレーニングじゃね~の?
皮膚や岩に指を突っ込む感覚アップにはいいですよ~。クライミング現場で、痛くてジャムれな~い・・・ではね。
受注生産