僕たちの冬山登山のレイヤードを紹介してみます。
何だか、パタゴニア社の回し者みたいなんですが、定番というか何と言うか、いいものは継続して作り続けて継承していきましょう!みたいな姿勢が表れてるような気がして・・・、このモデルも多少のマイナーチェンジはあるものの定番です。
パタゴニア社のストレッチエレメントジャケット&ロウ・ビブです。防水性と透湿性に優れた3層構造のストレッチ織りナイロン製のストレッチ・エレメントは伸縮性と耐久性、やわらかな着心地がなにより動きやすさを提供してくれています。このジャケットはハーネス等を装着したときに干渉しないように内部にパウダースカートは付けていません。ステッチを使用せず継ぎ目を融着し、非常に柔軟なテープで補強した構造をにより重量を削減しつつ防水性を向上し、非常にコンパクトに収納可能です。と作り手からの宣伝ですが、まあ、今時というか冬の場合は夏の雨具とちがって、雨が降ってるときにしか着ないウェアーではなくて、ほぼ全天候型行動着ですからね、これを収納してパックの中にパッキングして行くという状況はよほど条件のいいアプローチですかね。
ロウ・ビブというのはパンツのことですが、ビブはご覧のようにサロペットパンツのことです。ただ、サロペット・パンツのように胸の上部まで生地がきていないのでロウという言葉が使われているのでしょう。
胸当て部分には防水バリアーを使わずに透湿性に優れたソフトシェル素材を使用し、ハーネス着用時も干渉することもありません。スキーやバックカントリーモデルのパンツはスノーボーダーのみなさんにも対応しているため裾幅が広いのに対してこのモデルは細めです。細目に設定している理由は、アイゼンを引っ掛けにくいということと、深いラッセル時には、登山靴の中が雪まみれになってしまうので、このパンツの上にゲーターを着けます。ゲーターを着けたときにも、中からの膨らみがないようにするためです。僕たちもゲレンデスキーをしながらバックカントリーは別ページで紹介しているパウダー・ボウルというモデルを使っていますが、「山スキー」というときはこちらのストレッチ・エレメント・ロウ・ビブです。
スーパー・プルマ・ジャケットまたはスーパー・アルパイン・ジャケット
&スーパー・アルパイン・ビブ
基本的には定番として継続されていた、ストレッチ・エレメント・ジャケット、ビブと同じです。ベースになっている生地は40デニールナイロン、カラーの濃い部分は補強として150デニールのナイロンを使っています。防水バリアーは、パタゴニア社オリジナルHOフィルムから、世の一般的、ゴアテックス・プロシェルになりました。
バックカントリーを意図として作られたシェル・ジャケット/パンツには、パウダースカートという雪が身体に入りにくいゲーターを付けていますが、登山用のシェル・ジャケット/パンツには付けていません。理由のひとつにハーネスを着用したときに生地の構成や厚みが干渉しないためです。
では、バックカントリー志向のみなさんが、こちらのシェル・ジャケット/パンツは選ばない方がいいかとなると・・・、僕は兼用しています。但し、ビブの裾幅が広くないので、ツアーブーツに対応できるかどうかは確認してくださいね。
         
                スーパー・プルマ・ジャケット/¥65000(税込)
         
                  またはスーパー・アルパイン・ジャケット
              &スーパー・アルパイン・ビブ/¥68250(税込)
         

ジャケット・ビブを脱ぐと
中間着の姿です。条件のとてもいい日などのアプローチはこのスタイルで、ということもありますね。その場合はこれが外着になってしまいますね。
ジップアップはパタゴニアじゃありません。アイスブレーカー社のBF260テック・トップ。やはり冬山登山は昔からの基本を忠実に守ってウール素材で戦うことにしましょう。低温の熱伝導が低いから結果的に保温性が高い!ちょっと湿っても冷たさを感じない。という一石二鳥の機能を持ってることは長い登山の歴史の中で継承されています。
パンツはパタゴニアのウール4ボトム。これ、今はラインナップから外れてるようですね。日本の冬山の場合、パタゴニア社現行の、メリノ2やメリノ3のボトムは下着としても使いづらいし、中間着としては薄くて、何だかとても中途半端な気がします。このウール4ボトム復活を期待してるんですが・・・・。もちろん、外着としてもある程度さらけ出せるような作りにしないとね。
ウールのシンプルなボトムはアイテム的にないようなので、ポリエステル系を使う場合はポーラテック社の素材を使ったパワーストレッチタイツですね。だいたいのアウトドアーウェアーメーカーからパワーストレッチタイツ?といった商標で発売されていると思います。
帽子は、ホグロフス社のアルパインUキャップです。ウィンドストッパーのバリアーを使っているので、冷たい風はシャットアウトしてとても役に立ちます。
僕の場合はメガネを使用しているので、この小さなツバが降雪時に役立ちます。ツバの先端はワイヤーが入っているので、型崩れなくしっかりガードしてくれます。
中間着を脱ぐと
下着です。シャツはファイントラック社の新製品、メリノスピン・サーモクルーネックです。ポリエステルとウールをらせん状に織り巻いているからスピン。100%ウール素材と比較すると、汗ばんだときの汗の水滴がひととこに溜まらず、拡散してくれるのでひじょうに快適です。去年からスパイラルフィルも使っていましたがこれも汗処理はひじょうににいい!冬山はだいたい標高1000m付近の低山ラインからスタートしますから、森林限界の2400m付近までは樹林帯の中をラッセルして動きますからそれなりの汗処理も大切ですね。僕たちは、パックの中にメリノウールの厚手の下着はいつも入っています。ボトムはスマートウール社のライトウエイトブーツトップボトムです。7分丈のインナーが靴との干渉もせずとても使いやすくていいです。
中間着湿気らせたくないというような入山アプローチの環境では、この下着の上にシェルというスタイルもありえますね。

コストパフォーマンスを求めて・・・
          
モンベル社のダイナアクション・ジャケットでまとめてみました。40デニールナイロンにゴアテックス・プロシェル3層のハードシェルです。価格的にも¥33000と外国ブランドと比較するとコストパフォーマンスは高い!(比較しちゃいけないかもしれませんが・・・)モンベル社、何故か同じモデルのパンツはないので、パンツはファイントラック社のエバーブレス・バリオ・パンツでコーディネイトしてみました。こちらはジャケットの素材番手よりやや厚手の50デニールナイロンを使っています。ゴアテックスの防水バリアーは使っていませんが、僕たちのテスト結果では、防水、透湿性は十分でした。こちらのパンツの価格も¥23000、上下で¥56000のコーディネイトです。商品の詳細は、ウエアーの外着のページで。サイズを参考までに、171cm・62kg、ウエスト75cmでモンベルのジャケットはSサイズ、ファイントラックのパンツはMサイズを選択しています。
          
このジャケットにはパウダー・スカートが付いています。雪の中で戯れたとき、下から雪が進入しないようにガードしている機能です。そればかりではなく、風を伴った寒気がジャケット内に入り、対流しないようにという意図もあります。一見するとレイン・ウェアーとの違いが見当たらないようですが、フードの一体化も含めて、細かいところでは環境に対処するための工夫がこなされています。クライミングのみを重視すると、ハーネスを付けた時のすっきり度はこのスカートは無い方がいいでしょうね。まあ、40デニールくらいのナイロン番手ならさほど邪魔にもならないと思いますが・・・・。
           
このジャケットとパンツ、収納してみるとこのように、5Lのスタッフバックにピッタリと納まります。
        
今シーズンは新たにこのストームジャケットがラインナップに加わりました。長いこと定番だったデナリジャケットの後継番です。こちらは上記のダイナアクション・ジャケットと比較すると、ベースのナイロン番手が70デニールと厚手です。その分、冷たい風雪のガードが高いといえますね。
            
ファイントラック社からも新たにエバーブレス・アルマ・ジャケットが仲間に加わりました。こちらもコストパフォーマンスの高いハードシェルジャケットです。
ジャケットを脱ぐと
          
今回は中間着ではなく、ソフトシェルでレイヤードです。ベースのナイロン番手が薄くなればなるほど、動きやすく、軽量にはなるのですが、その分、寒気の防御機能は下がります。そんな環境で戦うには下着、中着の保温はしっかりしたいですね。動きやすさを考慮して、中間層は下着の上にソフトシェル・ジャケット、パタゴニア社のガイドジャケットでコーディネイトしてみました。今季のモデルはアルパイン・ガイド・ジャケットになりました。下着は保温を重視してアイスブレーカー社のボディフィット260LSクルーです。このジャケットとコーディネイトなら薄手の200LSクルーでもいいですね。

グローブ
ショートアイスクライミングならスキーグローブで柔らかい革を使ったものが一番使いやすいでしょうね。ただ、濡れたらとか・・・になると我慢するしかありませんね。濡れを避けるなら、アックスなどの握りはしにくくはなりますが、中のグローブが交換できるシステム系が絶対でしょうね。
 
左はブラックダイアモンド社のソロイスト、右はファイントラック社のエバーブレススノーグローブ。どちらのグローブも中グローブの素材はフリース系です。これはこれとして、手の出し入れ、濡れたときの保温維持力を考えると、中グローブのスペアーはウールを用意したいですね。
単純に
 
左のオーバーグローブ(シェルだけで中身はありません)に、ウールのグローブのレイヤードでOKですね。鬼に金棒!