すーさんのひとりごと春夏編

登山計画書
って、何が意図でしょうね。
家族・職場・所属団体には、何時、何処に、誰と、どのような日程で行うのか、の概要提供、警察には、もし、事故(病気等を含む)が起こった場合は救助に向かう先の情報、行方不明になった際の捜索のための情報提供といったところでしょうか?
では、登山者自身にはどうでしょう? 事務処理的なことばかりではなく、計画を立て、計画書を作る過程において、環境的危険は、何処に、どのようなことが存在するのか?行程は体力・技量に適正なのか?食糧の量・装備は適正なのか?といったことを、事前に見出せる機会が設けられることで、事故の予防に役立つことだと思います。理屈はともかくプランニングって「あ~でもない、こ~でもない」言いながら立てる。これも登山の楽しさのひとつです。
計画書の提出先は、1.家族・職場、2.所属山岳団体がある場合はその団体、3.山行地域の警察というのが一般です。警察への計画書の提出先は、山行をする県の警察本部のホームページから提出先・形式を検索してみてください。ちなみに長野県の山域はこちら、富山県はこちら、岐阜県はこちら、山梨県はこちら。計画書の提出は、僕たちはメールで送っています。できることなら、下山報告もしましょう。
遭難救助の現場からの情報からは、救助依頼は、計画書も提出していない、山岳会等に所属していない登山者が圧倒的に多いそうです。災害救助と違って、自主行為に対する救助です。マナー(ルールかな?)を守って、見放されられないようにしましょうね。

2013年10月2日(木)
公開講座
恒例の公開講座、300人もの登山愛好家のみなさんにお越しいただきました。
    
おっさん講師の加藤智二さんとおっさん司会の僕。好日登山学校の宣伝!
    
若手?うちの桜井の「地図を使ってみよう」講義。地図とコンパスを使った実技講座の紹介です。
    
    
講座最後の「世界の山を旅をする」講師の花谷さんは、ネパール・インドヒマラヤ、アンデス、アラスカの山々を紹介され、学生時代の30泊31日の冬山縦走体験や、日本の冬山のすばらしさ!「黒部横断~剣岳」で締められたのがよかったですね~。

2013年9月15日(日)
都心近郊?の山でも
    
隣りの岐阜県、能郷白山でもブッシュの稜線を歩かなきゃいけません。パンツは丈夫な生地で撥水処理がしっかりされてないと、濡れたり、破れたり。長袖のシャツも必着です。肌を出してると、かぶれたり、吸血虫に刺されたり・・。

2013年9月13日(金)
登山道って
       
広々とした快適なところばっかりじゃないですね。日本アルプスの稜線は、ハイマツやブッシュ、凸凹した岩稜、これらがふつうです。薄いタイツにショートパンツ、流行のスタイルで行ったら、タイツはびりびりですね。ということも知って、状況に合った着こなしがお洒落かな?

2013年9月12日(木)
大学生夏山研修会
    
重~い乱層雲に覆われて、雨が続く状況かと予測すれば・・・、何となくそれなりに行動できる状況になったり、天気に惑わされました。いや、その前の「天気予報に!」です。それも経験のひとつとして今後に生かしていけば・・・。
    
初めは小さな石で張り綱を止めていたのが、何度も張るうちに、ぱっと目でしっかりした石を判断して、それを使うようになります。やっと「常識!」になってきました。
    
道あり登山道ならそれなりに歩けちゃうんだけど、道無きところで、どう辿るのかとなると・・・、高津先生、「よ~く見てみろ!よく見ればわかるだろ!」って、東大の研修生相手に・・・。
    
どうルートを取るべきか、見て、さっと判断する!まだこのレベルに達しないんだよねえ。だからモタモタする。経験を積み重ねて身に着くことなんだけど、少ない経験の中からも、意識をもって取り組めば・・・。
    
クラックに適正なカムをセットします。これもとっさの判断!
    
よっしゃ~!しっかり支点もできて、ビレイ態勢が整ったら大きな声でコール!「登ってきていいぞ~!」。声が小さい!声も自信の表れですね。キャプテンはしっかり聞こえる声を発しなきゃ!

2013年9月12日(木)
美しい雲
    
巻積雲です。雲の中で最も「美しい?」雲です。日本的には、鰯雲、鯖雲とも呼ばれています。高度にして7000~8000mくらいですかね?前線面にあることが多く、降雨の前兆として観天望気してくださいね。それにしても癒される空ですね。

2013年8月24日(土)
マムート社レインスーツ
サンダーストーム
        
いや~、今年のお盆は日本アルプス中、乾燥地帯!それくらい☂どころかにわか☂ひとつない状態だったので雨具なんて・・・でしたね。さてさて、来月には連休が続いて、登山客さん的には、まだ夏山シーズンの延長線ですね。ところが事実上は、寒気もともなった秋雨前線の影響もでてきて、冷た~い☂の中を行動しなきゃいけないことも。そんなとき力強い味方はこのレインスーツ。15デニールや20デニールといった何でも軽量コンパクト化の中で、唯一40デニールナイロンをベースにした頑固なレインです。171cm63kgの身体でMサイズです。マムート社が日本の風土にあわせてプロデュースしたアイテムです。
    
8月28日の剣御前小屋の最低外気温です。この日は最高気温で12℃でした。

2013年8月15日(木)
増えているとは感じてましたが・・
    
引き続きテント山行のことを、すごい数?です。といっても50張りですけど。しかし、五竜山荘前のテントサイトで50の数ではスペースオーバーですね。小屋の前、壁面通路までびっしりでした。ところが・・・、朝3時30分に出発するときにライトの点いているテントは1張りも。いつ出発?夏山はヘッドランプを付けてスタートが常識だったんですけどねえ。今回はお客さんと後立山連峰をプライベート山行で縦走です。使用テントはアライテント社エアライズ3です。目的地到着は目標13時、3日間ほぼ目標時間の-30分で行程終了。17時30分の夕食までに、その日の疲労は回復させなきゃ!

2013年8月15日(木)
今さらですが・・
           
ジョットボイル社のSUMOです。クッカーの容量が1.3リットルあるので、2~3人山行でのインスタントクッキングには最適です。パスタも300gゆでるにもOK!コンパクトで湯沸しも早い!夏なら純正230gボンベ1本で2人分の6食クッキングできますね。つまり3泊4日です。相変わらず自動点火は不安定で点いたり、点かなんだり!着火具は必携です。

2013年8月10日(土)
パックの底が・・・
    
年に2~3人のお客さんから「パックの底が破れたんですけど・・」と、修理の依頼があります。何でこうなったのか?までは僕たちも同行していないのでわかりませんが、想像として、現在のパックは立体裁断、型くずれ防止のため、このようにアルミ製のフレームが入っています。「ドン!」とパックを下す繰り返しによってテンションがかかった結果ではないかと・・。「そんなことで破れるもんなの?」と突っ込まれると、製品の強度の弱さ?を肯定せざるをえませんが、登山者のみなさんがちょっと気をつけてパックを下すことも意識づけてくださいね。また昔の話をすると、「ドン!」とパックを下すと、先輩や指導者から「叱咤」されたものです。「ドン!」と下しちゃいけない!んです。

2013年8月8日(木)
テント山行
テント山行のみなさんが増えてきました。現在のテントは自立型で、基本的に張り綱を引っ張らなくてもポールだけで立っています。しかし、それは立っているだけで、風雨に耐えれるわけではありません。日本アルプスの山々のテント指定地には、このような石がゴロゴロしています。張り綱はしっかりした石で固定し、しっかり張りましょう。僕たちのアライテント社・エクスぺディションドーム6です。フライシートもしっかり張ることで☂日でも快適に過ごせます。☂休みのほんのひととき!通気するぞ~。
    
    
フライシートの固定にはショックコードが付いています。風雨時の生地への衝撃吸収です。このショックコード、直接固定するのではなく、補助ロープを還して固定します。衝撃も、張り調整も、より完璧になります。これらは登山技術の中でも生活技術です。楽しい登山を完成するには、ちゃんと生活しないと・・・。

2013年8月8日(木)
冷た~い、寒~い!
入山前の週間予報では☀時々☁が数日、ところが・・・、4日のうち、3日間ずっと☂!、久々の☂山行でした。小屋の軒先で「寒~い!」と震えている登山者にたくさん出会いました。「雨具の撥水・防水機能がしっかりしていないから濡れるんだよ!」一般的指摘はそうですね。まあ、それもひとつですが、防水機能が優れたゴアテックスの雨具が通常じゃない頃から、雨の中震えずに登山できていたのは、濡れても冷たさや、寒さを感じないウール素材のウェアーを肌に近いところに着ていたからです。「濡れるのが当たり前だから濡れても大丈夫なものを着る!」。雨具以前の基本です。
        
僕はこの3日間雨具の中は、このメリノウールのジップアップを肌に直接着ていました。冷たさも、寒さもなく、普通に10時間以上行動していました。雨日の行動も考慮したうえで、パックの中に携帯していればそれでいいことです!現在の雨具の機能、夏山の環境なら、このパタゴニア社・メリノ2・ジップアップクラスで十分でしょう。たった230gの携帯です。もちろん晴天日の行動着としても快適です。僕は常用です。下着パンツは、スマートウール社のマイクロウェイト・ボクサーブリーフです。
              
こちらは雨日も晴天日も関係なくずっと着用です。ポリエステル系の下着より、蒸れなく快適です。山岳部の学生は股ずれができて苦戦していました。下着が適正じゃなかったんですね。たかが下着でも、俺の真似をしないからだ!「真似る!」レベルアップの始まり行為ですね。                
雨日に朝から行動なら
                
筋肉サポートタイツじゃありません!撥水・保温材を使った沢登用のタイツパンツです。プランニング時に雨日行動が予想される状況ならパックに詰めていくととても快適な雨日行動が楽しめます。僕の雨日スタイルです。下着の上にこのパンツをはいて、この上から雨具パンツです。かさばらず、動きやすく、冷たくも、寒くもなりません!240gの携帯です。ファイントラック社・フラッドラッシュ・タイツです。

2013年7月27日(土)
靴サイズ選び
登山靴選びに来ていただけるお客さんの年齢層が若返ってきました。その場で購入ってお客さんは少なく、コンサルタント的が多いですけど・・・。
初めてのお客さんより、買い直し、買い足しのお客さんが多く、買い足しのお客さんは、登山をする環境、季節が発展していったため、従来使われていた靴の機能では不十分だから!と、購入のポイントが明確です。長い間使っていて消耗が激しくて新たに!というお客さんも明確ですね。
コンサルタントは、買い直しのお客さんで、使われている靴に不満?、不安がある方です。その理由は「足が痛い」(100%下山時))です。その原因がわかり、理解をしていただかないと、中々購入まで至らないのは当然ですね。とは言うものの、僕たちにその原因が正確にわかるかというと・・・、「みなさんの足に聞いてみて!」というのが本音です。と言う僕達は、足が痛くなったことはないのか?というと、とんでもない!そんなの何度経験したことやら・・・。登山ってある程度のストレスはかかってくる行為なんですよ。それを、繰り返していくうちに強くなっていきます。本音はそんなところです。とはいうものの、不快がないように、投資するのですからね・・・
ということで、不満、不安で靴の買いなおしのみなさんは、現在使われている靴を実際にお店に持ってきていたでけると、道具としてのバランス、適正判断の材料になります。あくまで物理的なデーター取りですけど、適正に近づける方法、手段のひとつです。
今までに靴の買い直しで来店いただいたお客さんの物理的要因のひとつに、選択サイズが「大き過ぎる」例です(下の写真参照)。靴サイズが大き過ぎると、下降時に足が前に移動しやすくなり、移動した距離も大きいので、先端に当たる衝撃も大きくなります。靴底やアッパーの柔らかいタイプのトレキングシューズは、地面とのグリップがしっかりしていないので、靴ごとづれていく(靴が滑っている)ので、足先にかかってくる衝撃も小さいのですが、靴底もアッパーもしっかり固いタイプの登山靴は、靴自体の地面とのグリップがしっかりしているので、靴がづれず(靴が滑らない)、靴の中で足だけがづれていき、強い衝撃となることがおそらく足の痛みでしょう。
    
1.靴の中敷きに踵を合わせて足を乗せてみると、足先から中敷きの靴先までの距離(ゆとり)は25mm位です。一般的にこれは大きすぎますね。
    
2.足先から靴先までの距離(ゆとり)は20mm位です。大き目ですけど足と靴の感覚の個人差によっては許容域ですね。
    
3.足先から靴先までの距離(ゆとり)は15mm位です。これくらいが適正でしょうか。
* ここで確認したいことは靴のサイズ表示ではなく、足先から靴先までの「ゆとり」適正です。
4.最後は、僕のものです。
    
靴先までのゆとりは10mm未満です。一般的に山行日数が年間50日を超え、それを何十年も継続していると答えはこれに近づいてくると思います。無駄な動きが経験とともに抑えられ、フィット感を求めるように足も成長していくんでしょうね。

「靴に足が合ってないんですかね?」
「いや~、お店で履いてみて合ってない靴をみなさんが購入される決断はしないと思いますよ!」
「お店で履いた時は、どうってことなかったんですけどね~」
と、だいたいの会話です。
きっと、足と靴というより、凸凹した急稜な登山道環境とそこをそれなりの時間運動することの弊害なのでしょうね。月1回くらいの山行ペースでは「慣れる」行為にはならないでしょう。症状の大半は下りでつま先が痛くて爪が真っ黒。実際の靴の種類と、サイズ見せてもらいリサーチしていくと、まだ登山を始めて間がないみなさんが、あまりにゆとりのないサイズ選択をされいるという、めずらしい例が増えてきました。今月もこれが原因のお客さん何人かに新しい靴を選ばさせていただいたところ「快適になりました~!」と報告までいただきました。
僕の指も・・・
    
内出血。「こんな風にならないように登山靴を新調したのに!」と、超不快。まあ登山を継続してれば、あり得ることですね。「いつもの登山では何ともないんだけど・・」。ということはいつもの登山とは、違うほど長い下山をしたときは特に起こりやすいでしょうね。気合を入れて通常時間の半分で下山なんてオーバーワークも・・・。僕は後者です。下山中はさほどの違和感はなかったんですけど、1週間後には黒くなってきました。
    

夏山の天候は・・・
午前7時にはこんな青空の天気も
      
正午には山稜どころか中腹あたりまで、一面ガスに覆われてしまいます。そして、午後1時頃には雨が、時には強く降ったり、雷が鳴ったり・・・。
      
日本アルプスの容姿はだいたいこんなもんです。そんな中、午後5時過ぎに小屋に到着って登山者も少なくありません。もちろん計画段階で計算済みで行動されるには問題も生じないでしょうけど・・・・。早出、早着のプランニング、行動、「ゆとり」のある山行、鉄則にしましょう。
早出
   
こんな空の中を、行動し続けたいですね。それにはヘッドランプをつけて早出してくださいね。今さらですが、夏山は平均的に午後1時にはガスに覆われてしまいます。ガスだけならともかく、雷にこんな稜線上で出くわすと、無差別に戦闘機から攻撃を受けてるのと同じですね。状況にもよりますが、3時から3時半の出発がいいですね。10時間行動しても午後1時着です。すると、日の出まで1時間半くらいの時間ですが、しっかりと足元や近い周りの状況が照らせるヘッドランプは必需品ですね。
              
ブラックダイアモンド社のアイコン(¥8190税込)。全光束200ルーメンのクワッドパワーLEDを搭載しリニューアルアイテムです。

2013年7月21日(月)
LOWA社の登山靴
    
「売れてま~す!」ってビジネスインフォメーションみたいなめずらしいことを・・・。でも、僕たちが消極的だったアイテムが、お客さんが店頭で2~3種類同等アイテムを履かれて、「これにします!」って答えです。しかし、日本風に言うと、靴のラスト(木型)は決して広いモデルではありません!
チェベダーレ プロ GTX ¥43050(税込)
実は僕も、最近スカルパばかりじゃなくて、2泊以上の山行に履いてるんです。フィティング・バランス・フットワークともに、とてもいい靴!に仕上がっています。
ローバ(LOWA)社
トリオレGTX
      
足はへなちょこになってきてるのに、靴もへなちょこ?に。ふつう逆ですね。でも、このローバ社のトリオレ、へなちょこ風で¥30000もするんだけど、使ってみると意外に使える。岩場でのフリクションはソールを見たときから想像していた通りバッチリ!ただ溝の深さは浅く、それに比例してソールの厚みもさほどではないので、耐久性的には使い分けシューズですね。でも、僕が使っていて感触的には、
        
こんなイメージ風の同価格帯のトレッキングシューズ?より、フットワークもいいし、それなりの剛性もあって快適に感じてます。低山の日帰り、残雪が終って夏から秋にかけての日本アルプスの山々を1泊2日山小屋利用山行にはベストマッチです。

50年以上前の登山靴
       
これ名古屋東新町にあった大松商会の大将作の登山靴で、昭和31年ものです。今、これと同じような靴を・・・、といって来店されたお客さんにどう対応しましょう?現在の登山靴をどう理解してもらったらいいか・・・・、お断りするしかないでしょうね。機能は別として、形、味?、耐久性とても太刀打ちできません。今の登山靴、50年後に箱から出してみたらおそらくミイラです。

2013年7月19日(金)
懸垂下降の事故
懸垂下降時の死亡事故が起こりました。懸垂下降の事故はほぼ墜落(グランドホール)です。その要因も支点の崩壊が大半ですが、今回は、ロープ末端が下降器からスッポ抜けた墜落のようです。ロープの末端を結束せず、ロープの末端が平坦な終了地点に届いていない状態で下降して、それがスッポ抜けを引き起こしたようです。ロープの末端を結束すると引っかかりやすくなる。といって結束しないクライマーを見かけますね。ブッシュや、下降状況が複雑で引っかかりやすい状況では、トップを下降するクライマーはロープの末端を自分のハーネスに付けて、セカンド以降を下降するクライマーは、トップを下降するロープがスムーズに、また余分に落ちないようコントロールしますね。懸垂下降クライマーのバックアップはこういう時に役立つシステムですね!

軽アイゼン
夏でもルートによっては雪渓が残っています。その雪渓を歩くのに、一般的に呼ばれている軽アイゼン、おそらく4本・6本爪でしょうか、ほんとうにその爪の数がいいのか?よ~く考えてみてくださいね。この暑~い気温の中でも残る「雪」ですよ!とても固~い!スリップして命まで奪われるようなところを歩くわけじゃない環境での使用でしょうから、大袈裟に考えることはないのですが、効率よく省エネ的に歩くために選ぶことが意図の道具ですね。

着地は踵からつま先が順番です。軽アイゼンでも、8本爪はご覧のように靴の踵と先端に「爪」が位置するよう設計されています。長い距離?を使用してもズレは出にくい。

ご覧のように6本爪のアイゼン?は靴の真ん中にしか爪が位置しません。4本爪はなおさらですね。長い距離?を使用しているとズレが生じるでしょうね。
アルミ製アイゼン
    
昨年の長次郎谷は残雪が多く、9月になっても熊の岩まで雪渓を詰めることができました。要注意ですけどね。
     
軽量化が主流の登山道具なので、初めてアルミ製のアイゼンを、この時期まで残っている固い雪渓に使ってみました。軽いのは幸せだけど、下降はやっぱり従来のクロモリのしっかりしたのが支えられますね。

2013年7月13日(土)
これが今の登山スタイル!か?
     
最近は子供たちの親御さんまで、「ストック・杖・ポール」(表現はさまざまです)必要ですかねえ?と。何でかなあ?と不思議に思ってたところ、雑誌や、ポスター、インターネット、お店のディスプレーはどこもかしこも「このスタイル」のようです。ということで、これがいまの登山スタイルイメージなんですね。販売プロがこんなこと言っちゃいけないけど、「まずは、フリーハンドで歩いてよ!」ポールの経費認めるなら、その分、しっかりした登山靴選んでよ!高性能タイツにショートパンツもいいけど、生地はしっかりして、撥水処理、ストレッチ性のあるアルパイン?パンツにも着眼してよ!タイツにショートパンツ、暑苦しいと思うけどなあ?

そのストック
ブラックダイアモンド社
ウルトラマウンテンFL
Z型に折りたためて、コンパクトになる!ことで人気が出てきてるブラックダイアモンド社のトレッキングポールのニューアイテムが上がってきました。ご覧のように収納がコンパクトです。
    
Z型に折りたたまれたポールをグリップを持って引っ張ると、芋ずる式に伸びていきます。
    
    
あっという間に、簡単に1本のポールの出来上がりです。
    
但し、便利で、コンパクトで、軽量なものに、強い耐久性はありません。常時ストックを利用して登下降をする皆さんは、収納コンパクト性を求めるより、頑丈さ!ですね。
    
こちらはヘリノックス社のポール、丈夫です。

LEKI社SPDサーモライトAS
    
名?トレッキングストックメーカーのレキ社の製品ですが、不具合が発生しています。このモデルは先端の部分の固定と解除は、アンチショックシステムのため、従来のスクリューくさび式になっています。そのアンチショックシステムを含めた土台部分の破損が生じています。結果的に「固定ができない!」ことになります。このようなことになったみなさんは購入店にお持ちくださいね。クレーム処理でジョイント部品を交換しています。まだ、そのようなことが起こっていない方も、可能性がありますので、なる前にでも部品交換をしますので購入店にお持ちください。要するにリコールです。

2013年7月7日(日)
アルパイン派?
のみなさん!ヘルメットもかぶってくださいね。アルパインの現場は落石の宝庫?ですよ~。なんて大袈裟に脅したりして・・・。でも、常識です。
  
ブラックダイアモンド社から発売のベイパーヘルメット(左)約190gと、ベクターヘルメット(右)約230g、ともに軽量ヘルメットです。最近は岩稜帯の縦走路での使用も増えてきました。ベイパーヘルメットは注書きに、ベンチレーターの開口部が大きいため、落石の可能性の低いクライミングエリア専用!登山やアイスクライミングには適しません!とあります。割り切って使えばいいんじゃね~の!

2013年7月7日(日)
アルパイン向き?
クライミングシューズ購入のお客さんたちが、「アルパイン向きのシューズを・・」。
「アルパインは登山靴だろ!」が理屈(正論)なんですが、そう言えないご時世なんですね~。自然の岩場のマルチピッチ登ることがアルパインと言う時代なんだと理解して「それならこのシューズをおすすめ!します」って・・・・。
      
スポルティバ社のTCプロです。マルチピッチの自然岩のクライミングにはとても快適な1足です。
      
吸湿性の優れた薄手のクライミングシューズ専用のソックス「ロックマスター」と組み合わせるとさらに快適!です。
     
定番中の定番、ミウラでも十分快適なんですけどね。

猛暑?に
脱水とは
登山のように比較的長時間運動はたくさんのエネルギー、水分を消耗します。水分は、体重1kgあたり、1時間行動することで約5mlの水分が失われるようです。体重60kgの僕は1時間300ml失われるようです。みなさんの体重で計算してみてくださいね。
        体重○kg×5ml×行動時間=登山活動で失う水分量 ○ml
水分摂取は基本的に失われた分を補給します。
日常生活では、体重の2%が失われた時点で脱水状態が始まるといわれています。
              体重○kg×0.02=日常脱水量kg(=ml)
僕の場合なら1200ml(1.2リットル)、登山ではたった4時間水分補給なしで行動すると脱水状態になるわけです。しかし、日常生活そのもので脱水体質をつくりあげてしまうと、必ずしもこの計算通りにはいかないようです。すなわち僕は、毎日最低1.2リットルの水分を摂取しておかないと、脱水体質が出来上がってしまうことになります。脱水体質で入山すれば、「あっ!」という間に脱水症状が出てしまいます。日常生活での水分貯蓄(ローディング)忘れないでくださいね。
* ビールは特に要注意ですよ!何でも情報によりますと、ビールは500ml飲むと、倍の1000ml(1リットル)脱水するそうです(もちろんすぐにではないようですが・・・)。ビール飲んだ後は必ず水分補給忘れないでね。
脱水すると
脱水が引き起こすさまざまな障害は、1)熱疲労といって、血液中の水分量まで減り、血圧が下がり、各器官への血液循環が悪化し、動悸、息切れ、めまい、頭痛、嘔吐などが起こります。2)熱痙攣といって、発汗による水分、塩分が大量に失われ、筋肉中の電解質のバランスが崩れ、ふくらはぎ、ふとももの筋肉に痙攣が起こります。3)「むくみ」も脱水障害のひとつで、脱水が進むと生体が反応で、それ以上の水分を失うまいとして、尿を減少させます。本来排出されなければいけない水分が、蓄積された症状です。よく、登山後に体重が増えてるって人は、この典型的状態では?食べ過ぎて・・・・、あり得ませんよ! 山中で、宿泊した翌日が最も多いようですが、下山して1~2日続くこともあります。4)血栓もそのひとつで、血液中の水分減少で、血液の粘性が高まり、血液が固まってしまった症状です。中高年の皆さんは、最も注意が必要でしょう。これらの症状を熱中症といい、最終的には、日射、熱射と脱水がもとになり、体温が上昇し続け、発汗は停止し、運動の失調や意識の混濁が起こり死亡例のある結果です。僕の友人は、熱中症の熱射と脱水がもとで、肝臓、腎臓障害の合併症を起こし、人工透析をしながら、1ヶ月入院していました。脱水は、オーバーワークという、自身の持久力以上の行動が長く続くことでも促進されますし、日焼けによる、皮膚の気化熱によっても促進されます。余裕をもった行動、長袖、襟付きシャツ着用の基本も忘れないでください。
 僕は山行中は、ミネラルウォーターが中心で、中でもマグネシウム、カリウム、カルシウムなどの含有量の多いものを休息ごとに200~300cc摂取します。汗の量とともにナトリウムが多く含まれたスポーツドリンクの併用もしますが、基本的にはミネラルウォーターです。中身が水だけのほうが、裂傷などのケガが生じても、傷の洗浄に使える利点もあります。ザックを下ろして休息がとれない環境での登山・クライミングでは、ハイドレーションシステムを使っています。山奥深い環境でのクライミング行為でない限り、クライミングそのものの行為は、登山の行為よりは脱水しないような気がします。かく汗はひ汗!なんちゃって・・・。
宿泊地に着いてからの補給もわすれないでください。できる範囲で理想近い水分補給を心がけないといけませんが、登山活動で計算式にあるような理想的な水分補給ができる環境も少なくないと思います。したがって、行動が終わってからの水分補給も大切です。行動が終わってからの補給は、体内に貯めたくない汚れた水分を排出するために、利尿作用のあるコーヒー、紅茶などの嗜好品を飲んで、利尿したら、また水を飲む、を繰り返し1日が終わります。なんだか1日中水で始まって水で終わってるようですね。

食べる酸素
             
『違う!』・・・・。
富士登山の季節になると問い合わせの多いこと!この「酸素」は標高の高いところへ行って、低酸素による、一般的に言われている「高山病」の一時的解決に役立つものではありません!長時間運動をしたときに蓄積?される疲労物資、活性酸素を消滅させる効果があるサプリメントです。効果がでるためには継続的投与が必要で、高山病?の症状を解決のために、投与しても即効性も何もありません!まあ害にもなりませんけど・・・・。
疲労軽減、回復のためにも、運動前の食前に投与、5~6時間でまた投与、運動後30分で投与、こんな取り方を繰返すと役立つかもしれません。「酸素水」も同じです!
それでも、何か?あったら・・・と、富士山に念のため心で持っていくなら、
             
高山病?は、低酸素の環境から脱却しない限り、回復は望まれませんが、ほんの一時的に頭痛や嘔吐を回復?させるなら「酸素缶」。10リットルとありますが、圧縮なので小さなボトルです。

ということで、このようなものに頼らなくてもいいように、トレーニングをしましょう!といっても体力はすぐにつくものではないので、標高の高い低酸素環境に「慣れる」トレーニングなら出来ますね。例えば、富士登山の1週間以内前に、乗鞍岳に遊びに行く。ここは畳平(標高2800m付近)まで交通手段であがれるので、ここでゲームなんかして1日過ごします。泊まってきたらなお効果的ですね。これはからだをその環境に慣らす(順応といいます)というトレーニングです。といっても遊びながら出来ることです。当然、何度も繰返すほど効果はあがりますね。
まあ、苦労して、苦しい思いをして登るのも登山ですから。苦労もしてください。

「~山って・・・?」
「私(僕)、でも大丈夫ですかね?」って、来店の20代、30代の若い人たちから、来店の多い土・日は、1日1膳といっていいくらい聞かれます。「何処の山がおすすめですかね?」は日常茶飯事的になってきました。僕達の仕事って登山道具のアドヴァイスで、山登りのコンサルタントじゃないんだけど・・・・。知らない、わからないことだから聞いて知りたい!お気持ちは察しますけど、一緒に山の中を歩いたことのない、ましてやお店で初対面の方から、そんな質問されても・・、大丈夫かどうかは、「あなたの身体に聞いて」的です。長い30年業務の中で、聞かれなかったような質問が出てくるから余計に気になっちゃう。
「初心者が北アルプスの山に行くのに・・・・」。「いろんな情報があるから何を信用したらいいのか・・・」。「お店の名前が穂高だから北アルプスに詳しいかと・・・」。後を絶えません。
まあ、夏の北アルプスの一般登山道を行くのに、そう悩むことはないと思うんだけど・・・、少なくても山雑誌系には「これなら行ってみたい!」と思えるようなイメージで掲載されていますよね。「北アルプス」の自然環境で戦える登山装備を適正に携帯して、自分で不安だと思ったら止めて帰ってきて、不安部分を解消してまた行けばいいじゃない!登山って継続的行為に楽しさがあるから、そんなに答えを急いで出さなくてもいいと思うんだけど、生活感のエラーさえしなければ、「失敗は成功のもと」。
愛知県に在住の皆さんたちは、隣県の三重県に「鈴鹿山脈」があります。1.藤原岳、2.竜ヶ岳、3.釈迦が岳、4.御在所岳、5.雨乞岳、6.鎌ヶ岳、7.入道ヶ岳と、主なピークを称して鈴鹿7マウンテンとも名づけています。夏に北アルプスの山々に行く前に、この7マウンテンくらいは登ってほしいいなあと。「山脈」ですからこの7つの頂上は連なりをしています。縦走をしてみても楽しいかな(苦労はすると思うけど・・)。標高からの地形、大気の厳しさはあっても、登山の大系に違いはないので、こつこつと身近な時間で身近な登山を繰り返してくださいね。
『即効で自己満足を求める、そこに不安があるなら「ガイド」と行け!』命令しちゃおかな。

ポイズン・リムーバー
自然界は動物や昆虫(吸血虫)が生活の場で、たま~に行く、人間が主人公ではないですね。人間様の訪問を喜んでるのは吸血虫だけでしょうか・・・。
さて、毎年、「脅威を振るってる」と報道されてるスズメバチも基本的に巣に近づいていかなければ攻撃をしてこない!ことはたしかなようですが・・・、僕たちに巣がどこにあるかを見抜くする能力がないし、威嚇中のハチが刺してくることもあるし、僕も過去に4回も刺されました。ところが、この武器?で、毒抜きをしたおかげで、腫れ、痛み、かゆみの症状が出たこともありません。みなさん、是非必携してくださいね。
    
          
刺されてから5分以内に、このように、刺し口に当てて吸引すればほぼOKです

登山道って・・・
    
学生から、「鈴木さん、登り優先!」って怒られ?ましたけど・・。そんなこと、状況見て、交互にすれ変われるなら、それが一番シンプルでスマートな行為だろ!「譲り合いの精神」、それだけじゃ、特に混雑時は時間だけが過ぎて・・、それを何度も繰り返したら・・・。安全も含めたタイミングの状況判断!だ。と教えました。登山「客」じゃなくて、登山「者」にならね~と!

鎖!
      
穂高岳周辺、剣岳、槍ヶ岳などは、人工的補助が設置されてなかったらクライミングルートになっちゃうから登山者は困まっちゃいますね。鎖は手すり?それともアンカー?あっ、それなりに中間支点が設けらていなきゃアンカーにならないですね。
「掴みにくい!」、「滑る!」、「付けるところ考えればいいのに」・・・、登山客からこんな声も・・・。設置してもらってることに小言を言うことじゃないと思うけど、登山客にとっては「確かに!」と思えることも。
鎖場からセルフアンカー
    
せっかく鎖等の設置がされているなら、鎖を手がかりだけに使うのではなくて、移動するアンカーとして繋いでみてはどうでしょう。スリップしても大きな落下係数は生じますが、致命的な結果は防げるかもしれませんね。
 
クライミングハーネスではありませんが、岩稜帯通過等の使用には最適です。重量わずか230gの軽量です。
ブラックダイアモンド社・クーロワール
連結のガースヒッチです。
    
      
60cmソウンスリングにHMS型のカラビナを連結します。この際、カラビナがスリング上を自由に動かないよう固定したほうがいいので、連結はガースヒッチがいいでしょう。
      
カラビナを連結した側じゃないソウンスリングの末端を、ハーネスにガースヒッチで連結します。カラビナを鎖にかければセルフアンカー?の完成です。
基本は2本のソウンスリングをセットして、中間支点のかけかえ時もセルフアンカーが外れた状態じゃないようにします。

LEKIのストック
  
最近たて続けにLEKIのストックの修理、トラブル?が(年間を通じるとけっこうな数です)。アイテム的には特にウルトラライト。結果は100%、「伸縮が動かない!止まらない!」です。トラブルの原因は伸縮を固定するクサビ状のストッパーを回し過ぎて、ネジメを切ってしまったり、伸縮を解除するためにも回し過ぎて、クサビが外れてしまい、固定できなくなったり・・・。構造を理解してれば簡単に固定できるんですけどね。
動かない原因は、ジョイントのストッパー部分の芯棒が何らかの影響で曲がってしまったものや、写真のように腐食してしまったものです。腐食は雨の中の行動で、ストックの中にも水分が入ってそれをそのまま放置した結果です。これを見ると手入れが必要ですね。僕たち販売員もストックの効果?ばかりをアピールして手入れのこともちゃんと伝えないといけませんね!とは言うものの、15年前以上前の僕のLEKIのストックは何のトラブルもありません。もちろん、雨の中使用の後はばらして拭いてはいますけど。価格はそれないに高価なのに、品質的には落ちてますね。輸入元のキャラバン社には今後も十分に伝えます。
販売量に違いこそあるものの、日本製のシナノ社のストック、こちらはトラブルは一切ありません。
           

パッキング
夏に剣岳のクラシックルート「源次郎尾根」または「八つ峰上半」を二人で1泊2日テント山行をする場合の装備と収納を紹介してみました。
Ⅰ.パック
パックはマックパック社パシュート・クラシック(約50リットル)現行モデルではありませんが、僕が使い分けてるパックの中では気に入って、もう5年も使っているパックです。
         
パックの中は、まず装備が濡れないように、またテント内でも個人装備がバラバラにならないようまとめるためにインナーパックを使います。パックカバーは使いません!この中に、装備を品目ごとに、防水スタッフバックに入れてパッキングすれば、絶対に濡れません!パッキングの基本です!パックカバーを付ける前に、基本を忠実にしないと!
      

Ⅱ.靴
スカルパ社のトリオレです。受講者の方から、
「ソール減りすぎてません?」。
「いや~、張替えに出すところなんですよ!」
実際は張替えずに、新しいトリオレ・プロにしますけど・・・・。延べ約30日使用です。
      

Ⅲ.生活具
2人のチーム装備として、テントは相棒の持分です。
1.ツエルトが僕の持分です。一般的にテントを持ってツエルトは不要なのですが、源次郎尾根行動日はテントは剣沢に張りっぱなしでアタックに行く定着型ので、今回は持ち物です。ツエルトは危急時の簡易シェルターです。夏は雷に出くわす確立が高くなります。雷は通り過ぎて行くことが一般的なので、近いときはツエルトの中で待機しましょうね。シェルターにするためには張り綱が必要です。3mmのロープが10mもあればどこかに引っ掛けてシェルターが作れるでしょう。
      
             
収納パックです。ツエルトにも収納袋が付いていますが、とても小さくて、山中で使って、さっさと収納したいのに使い物になりまん。
2.マット
まあ、一般的に120cmの長さがあれば十分ですね。足元はパックを敷きます。マットの収納も、ツエルトと同様5Lのスタッフバックを使います。
      
3.シュラフ
夏山の場合ならダウン量250g~300gくらいで十分快適に過ごせます。少しでもコンパクト化するなら180gもいいかもしれませんね。僕は通常山行時は、250g、ビバークの可能性がある時は、備品として180gを携帯します。シュラフカバーと重さ、かさともにほぼ同等で、保温性は数段上ですからね。
      
             
         収納は少し楕円タイプのスタッフバックを使います。5Lです。
4.クッカー&コンロヘッド&ライター
最近はガスコンロのヘッドも軽量コンパクトなので、チーム装備というより個人装備です。1泊2日ならガスカートリッジは1人1ヶあれば十分ですね。僕はチタンクッカーで食器も兼用です。定着登山じゃない長期の縦走や、積雪期の長期山行は燃料の携帯などを考えるとガソリンコンロですかね?。
      

コンロヘッドとライターはケース(袋)に入れてクッカーに収納します。
5.水筒(この水筒今となっては骨董品ですね)
この環境での行動用には1リットルですね。生活用タンクとして2.5リットル容器も必要ですね。
      
6.食料
主食は軽量化(どんだけ軽くなるの?)です。夕食は材料から作りますよ!剣沢は水が豊富ですからね。
      

Ⅳ.登攀具
1.ロープ
2人のチーム装備としてロープが僕の持分です。
この岩稜では、8.5mm1/2の50mロープをシングルで使います。クライミングはダブルですけどね。ロープの持ち運びはループではなく、このようにスタッフバックに末端から順々に押し込んでいきます。使うときにキンク(捩れ)が少なくスムーズに出ることがいいですね。
      
            
          収納時もこの方が隙間がなくコンパクトにまとまります。
2.ハーネス・カラビナ・スリング・グローブ
グローブは革製のメトリウス社のビレイグローブです。クライミングでロープを扱うときはもちろんですが、登山道でもガラ場やブッシュをつかまなくてはならないときに素手ではなんともなりませんね。鎖を掴むつかむときも滑らないのが利点ですね。ハーネスは、DMM社のスーパー・クーロアール・プロです。
      
            
3.アイゼン
とうとうアルミ製のアイゼンに手を出して2年が過ぎました・・・・。まあ、せっかく多品種にしてくれてるわけですから。使い分けが楽しいですね。
      
            
4.ヘルメット
ヘルメットは落石から頭を守る!装備ですね。クライミングという行為ばかりではなく、岩稜帯を登山する場合はかぶることをおすすめします。これはパッキングというか、ブラブラしないように工夫してパックに外付けですね。
      

Ⅴ.行動着・雨具・防寒具・着替え
1.行動着としてのジャケットです。
早朝行動時や稜線での強風時にはシャツ1枚というわけにはいきませんね。一般的には雨具のジャケットを併用されていることが多いようです。こちらのジャケットは雨具のように防水のバリアーは使われていないので、蒸れないし、表面は強い撥水処理がされているので、稜線上でのガス(霧)の水蒸気くらいは水滴となって処理します。ストレッチ性もあるので動きやすさも利点ですね。
      
             
                たった3Lの収納パックに納まります。
2.雨具
この環境での登山には、軽量・薄型素材のレインは使いません。平均的な30デニールナイロンをベースにゴアテックス・プロシェルのレインです。レインキャップ、レイングローブを一緒に収納しています。
      
            
3.防寒具
防寒具は停滞時の防寒が主な活躍です。目的地に着いてからの生活には欠かせないですね。幕営地の剣沢は日照時間が長くないので、地熱が低いようで、標高こそ2500mくらいですが陽が翳ると寒~い。危急時にビバークともなれば必需品ですね。
      
            
4.着替え
雨で湿気ると・・・、山小屋生活なら乾燥室であっという間に乾燥ですけどね。それもさりとて、汗で臭くなった?のをそのままってのも・・・・。パンツは筋肉サポートタイツとは違いますけど、身体にピタッに近い、ポーラテック社パワードライ素材を使ったタイツ系です。行動前から雨日では、このパンツに雨具。長時間雨行動は、この方が動き易い。
      
シャツは基本的にメリノウール。濡れても冷たさを感じないし、汗でも臭い匂いも少ない。
      
            
                シャツとパンツを合わせて収納。

Ⅵ.その他だけど大事な装備
危急時パック(怪我等の応急的処置)は2人のチーム装備として相棒の持分です。
1.ヘッドランプ
早朝行動(朝3時出発)を通常にしてればヘッドランプは必需品ですね。複雑な登山道地形をしっかり照らしてもらうためには明るさは大事です。ペツル社のミオRXPです。
      
2.ロールペーパー、予備電池、予備ライター、固形燃料を一緒に収納しています。
      
3.ニット帽・ウール手袋・タオル・サングラス
      
ニット帽は、稜線ばかりではなく風が強い環境下には必要ですね。日除けのためのつばがある帽子は飛んでちゃいますね。飛んでかないように帽子止めはダメですか?って言いっこなしですよ!帽子は飛んでいかないかもしれないけど、頭には定着しないならかぶらなくても・・・ね!手袋はウールの薄手です。
      
地形図です。剣岳周辺は1/25000図ですと何枚も合わせないといけないので使いにくい。そこで電子国土からコピーです。縮図も中高年でも見やすいように。コピーは濡れると滲んで役立たずになるので、ビニールに入れます。
これらの装備は、いつでもとっさに出したいので、パックのレインフラップの収納スペースにパッキングします。

レインフラップに収納するときは、レインフラップは直接雨が当たるので、2重収納にします。

みなさんの感想は
装備を一品づつスタッフバックに詰めていることが、ぼた餅だったようです。「やっぱりパッキングの上手さが違うね。なんかベテランの登山者の人は背負ってるザックを見ればわかるもんね。ピシと決められてるから・・・」。
まあ、結果はそうなのでしょうけど、上手くパッキングするためには、段取り、仕分けが大切なんです。パッキングが2のことなら、まず1のことをしっかりやらないと!

多品種なゴアテックス
ゴアテックスって透湿・防水フィルムって謳ってるけど、防水に関しては誰もが認めることでしょうが、透湿性はホント?ってところが本音ですよね。ゴアテックスのレインがまだ世に出てない頃のレインを使った経験のある往年の登山者のみなさんからは絶賛されても、比較の体験がなければ・・、高価なだけに、こんなもんなの・・・?となりますね。僕もその往年の域に達しましたが、昔のレインなんて使う気はまったくなれませんね。透湿性の宣伝はちょっと過剰な部分もあるけど、もっといいものが他にあるか?というと・・・。
工業的テクノロジーは素晴らしい?ですね。進化を遂げています。ところが、このテクノロジーの進化の違いを感じるかというと・・・・?シビアには・・・・。
でも違いがって部分を明かしちゃおかな!
1.こちらはマムート社が日本向けに生産しているレインスーツ。
    
フロントジッパーはこのように、ジッパーを覆うようにマジックテープを付けたフラップ式のオーソドックスなスタイルです。
       
ちょっと写真ではわかりにくいかもしれませんが裏地です。ゴアテックスの防水バリアーは、超薄いフィルムで、ベースになっているナイロン生地に貼り付けて、さらにフィルムが痛まないように裏地を貼り付けて3層構造(3レイヤー)が一般的です。
       
       
このレインスーツのゴアテックスのタグは、下部に「Performance Shell」(パフォーマンス シェル)と記入されています。この表示は、裏地の処理が編み物(トリコット)によってされています。という表示です。手触りでちょっとザラザラ感があります。

2.こちらはモンベル社が生産しているレインジャケットです。
    
フロントジッパーはフラップがなくむき出しですが、こちらのジッパーは止水加工がされています。
       
こちらも写真ではわかりにくいですが、3層構造の裏地です。
       
       
こちらのレインジャケットのゴアテックスのタグは、上記1.の「Performance Shell」(パフォーマンス シェル)とは違って「Pro Shell」(プロ シェル)と記入されています。この表示は、裏地の処理が上記の編み物(トリコット)とは違って織物によってされています。という表示です。手触りでちょっとザラザラ感があった上記1.に対してこちらはサラサラ感です。

3.こちらはホグロフス社が欧州のものをそのまま輸入しているジャケットです。
    
こちらもフロントジッパーはむき出しの止水ジッパーです。
       
こちらも写真ではわかりにくいですが、これ裏地がありません。
       
       
こちらのレインジャケットのゴアテックスのタグは、上記2.の「Pro Shell」(プロ シェル)とは違って「Paclite Shell」(パックライト シェル)と記入されています。この表示は裏地は使わずにベース生地にゴアテックスのフィルムを貼り付けてドット加工という製法でフィルムを保護し、上記1.2.は3層構造でしたが、こちらは2.5層です。という表示です。手触りでサラサラ感があった上記2.に加えてツルツル感があります。
 さて、本題の体感の違い・・・ですが、日本の湿気の多い気候では、1.のジャケットにマジックテープ式のフラップの着いたジッパー構造のものが、一般的に行動ができる範囲の降雨の場合、ジッパーは開けたままで、間隔をあけて付けられているマジックテープのフラップだけ止めて着れるので、通気が確保され機能以上に蒸れにくい気がします。裏地の処理では、1.のパフォーマンスシェルが編み物だけあって一番かさが出ますね。少しでも軽量コンパクトを追求すると、3.のパックライトですが、納得のいくほどの違いが出るか・・・?。
外見上はさりとてこの裏地、結露に大きな体感差が出ます。ゴアテックスのフィルム自体は同じなので、おそらく3つとも同じ結露が生じているのでしょうが、一番目立つのは3.のパックライトで、「格差」です。1.のパフォーマンス・シェルは裏地の編み物(トリコット)によって拡散されるので、一番目立ちません。2.のプロ・シェルはあまり特徴がありませんが、総合的にはバランスがとれています。
これはゴアテックスの裏地の処理方法だけの体感データーですが、最近はベースになっているナイロン生地に薄手が目立つようになりました。生地が薄ければ、軽量だし、蒸れにくいことは事実ですが、その分耐久性は下がることを理解しないといけませんね。
手の雨対策も
雨対策手袋といっても、手袋は縫い目が多いのでどうしても縫い目から・・・・、でも3000m級の日本アルプスの稜線上で雨に打たれると素手では戦えません。完璧なものはありませんが、これなら○。イスカ社・ウエザーテック・レイングローブ。
こちらは、メリノウールのインナーグローブ。レイングローブだけでは冷たくなったら、インナーにこれ!夏から秋にかけてならまったく冷たくはなりません。
ということで、革手のいずれか1つと、レイングローブ、インナーグローブの3点持っていれば鬼に金棒です。合わせて260g!
撥水
一般的にお客さんは「防水スプレー」といって求められますが・・。「撥水」と「防水」は違うことを理解してくださいね。「撥水」、水をはじくから、結果的に「防水」。「防水」、水を防ぐから常に防水。
「撥水」は処理ですがそれに対して、防水は加工です。現在の防水加工は一般的に「ゴアテックス」ですね。処理的な「撥水」は持続性の限界値が低いのに対し、加工の「防水」はゴアテックスのフィルムが破損しない限り持続します。ということは、「撥水」なんかなくても、「防水」だけで十分!ですが、この「撥水」、特に雨具に対しては重要な働きをもっています。「撥水」しなくなった雨具の表面は、ベッタリと水分が付着します。すると、雨具の内部で生じた汗の蒸気が外部へ抜け出せず、シャツと雨具の間に溜まってしまいます。その限界を超えると、今度は肌とシャツの間に溜まり始めます。防水は維持されていても、結露が過大となってずぶ濡れ状態になります。
「撥水」の低下要因は1.摩れ、2.紫外線です。1.摩れはパックを背負っていますからある程度仕方ない部分ですね。でも全体には生じません。2.紫外線は全体的にあたりますから、雨具を雨が降っていないときの行動着に長時間使用することは避けるべきでしょうね。
       
水溶液になって、スプレー式で振り掛けるものと、原液を水溶液化して漬け処理するものが発売されています。

その前に、洗濯をしてくださいね。雨日に長時間行動して、パンツは特に泥などが着かないことはないので、洗濯の前に、行動が終わった現地で泥だけでも洗い落とせる環境があったら洗ってきてくださいね。
                 
専用洗剤も販売されています。普通の洗濯洗剤でいいように思うけど・・・。

2012年9月8日(土)
大学生夏山研修会
研修会はいきなり山域ではなく、計画、入山準備から始まります。そして研修所の人口施設を使って、確保システム、ロープワークの基礎を研修します。
    
人口壁で約60kgの人形「東くん」を墜落させます。すると東くんをビレイしているビレイヤーは、
    
墜落衝撃でロープの引っ張られる方向へ身体も引っ張られます。クライマーが墜落するとビレイヤーにこんなふうに衝撃がかかりますよ!という体験です。
    
体験設定は、墜落地点まではビレイヤーから8mロープは伸びています。ロープをセットしている最終プロテクションの1m上部で墜落をしたので、落下の係数は、墜落した長さ2m/ロープの伸びている長さ8mで、0.25です。これくらいの落下係数でも、プロテクションには、ビライヤーの身体が持ち上がるほどの墜落エネルギーがかかりますし、ロープには10回同じ衝撃がかかると切断手前まで摩耗してしまいます。
    

春山研修会にも参加していた研修生5名が夏山研修会にも参加してくれました。
    
八つ峰Ⅵ峰Cフェース剣稜会ルートをリードする研修生。この後、雨になり3ピッチ目から懸垂下降で撤退。
      
背負い搬送の研修に取り組む研修生。剣沢からみくりが池まで搬送しました。よく頑張りました。
      
中でも2班の研修生の2人は、春山研修会ではダメダメだったのが、今回はひたむきに研修に取り組み、成長した姿を見せてくれました。担当講師だった杉ちゃんこと杉坂先生も満足?ってとこですね。
    
下山後、研修所では研修を振り返って、記録の整理、まとめをします。そして、研修で学んだことで、これからの自分なりのリーダー像を発表します。

2013年5月22日~28日
大学生春山研修会
広大な大自然、僕たちは、今何処にいて、これから何処に向かおうとしてるんでしょうね。
    
幕営地に着いて、整地しながら踏み固めます。雪でブロック塀を作って強風対策、設営完了です。
    
    
春の山は、日中の陽射しと気温で融雪します。テントを張った土台も柔らかくなって凸凹になってしまうので、1日の行動を終えて帰幕してからまた整地をし直します。大切な生活技術です。
    
ヘッドランプをつけて早朝出発。早出、早帰幕、登山行動の基本ですね。
    
平蔵谷から、通称インディアン・クロアール経由で剣岳本峰に向かう研修班。
    
本峰から北アルプスの山々、何処が何岳?これも大事な概念!
    
危急時搬送研修です。まず搬送でえきるようツエルトを使って、要救を梱包します。
    
雪面をロープを使って確保しながら搬送します。搬送先はヘリまたは救急車両が入れるところまで。社会復帰のためにも、いち早く処置ができる医療機関へ!
    

2013年5月13日(月)
お~い!こら!
    
山岳部の学生たち、何が「お~い!こら!」かというと、雪面に尻をついて座ってる前の下級生。写真を撮るために一時的に座ったんでしょうが、つるつるっと滑っていったら・・・。それなら上級生はロープ付けてるんだから、ちゃんとセルフビレイ取ってやらないと!「杓子岳山頂」のいい?アンカーがあるんだから。細かいことのようだけど、アクシデントは、ちょっとしたミスからはじまるもの!そして、余計なことをすることは負の連鎖を呼び込んでいくこと!コーチはこういうところを指導してやらないと!

2013年5月2日(木)
新しいシステム?のシール
コルテックスC-40
細かい吸盤式になっていて、密着がよく剥がれにくい!粘着持続性も高い!という宣伝で使ってみたコルテックスのシール。2シーズンを使ってみた評価は、この価格で、このシールを使うメリットはないかな?です。写真のように、ヒールフックのシステムが使いにくいこともありますが、
      
これを純正ベルトが付いている部分をちょん切って、ブラックダイアモンド社のエンドフックに交換してみるとばっちり快適になりました。
       
一番の弱点は耐久性です。僕は、厳冬・積雪期はブラックダイアモンド社のモヘア・ミックスを使って、残雪期にはこのコルテックスC40を使い分けています。水分が多くなる残雪期には吸盤式が効果的でした。ところが、シール面の毛の耐久性が20日ほどでグリップが悪くなりました。やっぱり残雪期はブラックダイアモンド社のナイロンですね。

2013年4月29日(月)
ヘッド社REV90
 これは昨シーズンモデルです。桜井が愛用しているスキーを借りて行きました。いや~、山中の中・急斜面の小回り、中回りは最高でした。やっぱり、残雪期の山スキーフィールドにはこのくらいのスペックが使いやすいですね。
ラディウスは、170cmで
トップ135mm・センター90mm・テー116mm/R:15.4mです。
野郎に、「そんな、残雪期じゃなくても、パウダーでも十分ですよ!」と。
偉っそうに、何~が「十分ですよ」だ!
でも、1台のスキーであらゆる環境で70点の満足を得るならその通り「十分」で間違いないです。ビジネス的には1台で平均70点じゃなくて2台でそれぞれ90点を求めてほしい!ですね。僕は使い分け続けます。ということで、来期は残雪用山スキーとして、これよりちょっと太いけど、しっかり度的にストックリー社のストームライダー95に決めた!少々重くても、しっかりした土台を持ってるスキーが滑走性として楽しい!

軽アイゼン
まだまだ、残雪はたっぷっり?一般的に呼ばれている軽アイゼン、おそらく4本・6本爪でしょうか、ほんとうにその爪の数でいいのか?よ~く考えてみてくださいね。

着地は踵からつま先が順番です。軽アイゼンでも、8本爪はご覧のように靴の踵と先端に「爪」が位置するよう設計されています。長い距離?を使用してもズレは出にくい。

ご覧のように6本爪のアイゼン?は靴の真ん中にしか爪が位置しません。4本爪はなおさらですね。長い距離?を使用しているとズレが生じるでしょうね。
アイゼンと軽アイゼン
英語ではクランポン。一般的登山装備語はドイツ語でアイゼンです。軽アイゼンは、もう完璧に日本語ですね。某山岳雑誌の冬号の見開きページが、一面「6本爪軽アイゼン」と謳った宣伝ページだったことも・・・・。でも、道具屋から、ひとこと理屈っぽいこと言わせてもらうと、アイゼンの定義が写真左側の12本爪であるとすると、軽アイゼンは、それをちょっと満たない右側の10本爪がほんとうじゃないですかね?では、広告にあるような、6本爪のものは何と呼べばいいのでしょうね。ある人は、「滑り止め」と呼んでいました。それ、いい呼び方ですね。まあ、どう呼ぼうと、使用環境が適正であれば「よし!」としましょう。でも、雪面歩行の重心移動を支えるためには、靴の先端部と踵部に爪が位置すること!ということも忘れないでくださいね。
現在ではオーソドックスとされている、セミ・ワンタッチ?と呼ばれている12本爪アイゼン 取付けシステムは同様で、前歯がありながらも、10本爪アイゼン 同じ10本爪アイゼンでありながら素材はアルミ製。軽さは魅力!本質的な軽アイゼン!

2013年4月18日(木)
残雪期の山スキーには
 
     
積雪期のバックカントリー向けに、スキーのセンター幅を115mmと太くしたまでは良かったんだけど、残雪期になると、使えなくて、不便でもないんだけど、センター幅が100mm以下のスキーを使っていた時に比べると・・・。
雪面が締まって固くなった環境で、長い距離時間を、左右の斜登高を繰り返すには95mm付近の方がグリップがいい!むしろ90mmくらいがベストのような気がする。積雪期は、2000m付近までのバックカントリー的行為が中心だったので、このマテリアルで十分快適でした。問題?は、スキーよりこのサロモンのバインディング、滑走性では言うことなし!なのですが、複雑な山中の登高時には弱点が多々!気になっていたクライミングサポートのバーの支持力が弱く、後方に倒れてしまうと、かかとを上げて着地した時にロックしてしまう。よって、ふくらはぎが「ガツン」と引っ張られてしまう。何よりも、そこで、バインディングを外し、ロック解除して再び登高システムにしないといけない!2時間の登高で2回なりました。クライミングサポートの高さ調節も2段階しかないので、それも季節、環境を限定するならともかく、オールラウンドで使うには、まだまだ途上段階ですね。スキーアイゼン(クトー)のオプション販売がないのも、今となってはどうかと・・
と、いうことで、僕の使ってる限りでは、マーカー社のツアー12、重さはちょっとあるけどバロンが総合力では◎ですね。
来期はチロリア社からも発売されますが、山スキーの環境、行為で長時間使ってみないと?ですね。滑走性の支持力はアルペンバインディングメーカーですからバッチリなんですけど!
スキーも、流行?のパウダーを浮力だけを使って満喫するには、太ければ!ということでしょうが、残雪期の日本アルプスの山々もフィールドとして楽しんでる山スキー愛好家のみなさんには100mm未満のセンター幅が良し!と僕の体験では定義してもいいような気が・・・。もしくは使い分け!これが一番楽しくて、贅沢ですね。
     
火打岳頂上直下、南よりの風、風速15mくらいでした。先週末の寒気の影響でおそらく20cmくらい積雪したんでしょうね。周りの雪化粧は美人でしたね。すっごい滑らない雪に変貌してましたけど。

崩落
    
尾根の側壁から「ド~ン」崩落した雪塊が大きな雪崩を誘発してデブリとなりました。残雪期はこれが怖いですね。登下降ルートの周りの観察はしっかりしましょう。崩落ですから、気温が上昇した時間、10時30分頃の出来事です。小蓮華尾根の2400m付近で崩落が起き、金山沢1700m付近がデブリの末端です。

5月中旬でもこんなことが・・・
剣沢は真冬
   
          
上空750hp、高度3000mでマイナス6℃、それ以上の寒気?が入ったことで真冬に逆戻り。50cm積雪、つららもできました。5月初旬に、都会で生活してる僕たちには信じられない世界ですね。
   
下山を決断する前まではホワイトアウト。この日の午前中が何とか・・・という天気概況からピンポイントでした。雷鳥沢の下りはホワイトアウト「吐き気をもよおす気持ち悪~」状態でした。

玉手箱
久しぶりに山登りを再開するHさん、靴の点検に箱ごと持ってきました。開けてみて!いい方向の!ですよ。ご覧のようにピッカピカ。だいたい4~5年、それ以上登山から遠ざかっていたお客さんの靴箱を開けると「ミイラ」になってることが多いのですが・・・。登山靴も使って何ぼの道具で、ピカピカにして何?ってなもんですが、これだけ大事に手入れされてることに敬意ですよね。先日、ソールの剥離・崩壊を載せましたが、左の靴はそのウレタンのミッドソールを使ったマインドル社の軽登山靴で7年ものですが、まだ崩壊の兆候は見られません。右の靴はハンワグ社のロッキーGTXこれもほぼ7年ものですが、先日僕の先輩の同じ靴はソールの剥離でリソールしたばかりでした。友人のTさんともに、ほんとに道具を大事にしてる。手入れによって違いも出るってことですね。

丈夫な登山靴

登山靴の靴底(ソール)剥がれに注意
『接着剤、ゴム等の合成材料で貼り付けられた靴底が材料劣化で登山中に突然剥がれることが多く発生しています。靴底を捻る、曲げる、甲革と底との中間(ミッドソール)のゴムの部分を爪等で押した場合、ひび割れ、破片が剥がれ落ちる場合は、即刻、張り替えが必要ですが、その症状が確認できなくても経年劣化が進んだものは、登山中に剥離する危険が有ります。剥離は、特にクッション性を高めるためにポリウレタンを使用した製品に頻繁に発生する模様で、水分による経年劣化が原因で、靴底の寿命は4?5年との事です』
と書かれたこのポスター、現在でも注意事項として貼られている登山店を始め、山岳関係施設も多いでしょう。
今日、お客さんが、ソールが減ったことで、リソールに持ってみえた、マインドル社のスーパークラック、7年前にうちの店で買っていただいたものです。「靴底剥離?」、「靴底の寿命は4?5年」なんてくそくらえ!どこにもそんな兆候さえ見られません。価格は高いかもしれませんが、やっぱり「丈夫!」ですよ。
約一月、ソールのリペアーが出来上がってきました。登山靴としてよみがえりましたね。

2012年5月22日(火)~5月29日(火)
大学生春山研修会
黒ちゃん撮影
       
               剣御前にかかる朝陽。今日は快晴!
     
霙・雪の中でナビゲーションの研修をする研修生。読図は講義でもやったはずだろ!でも、現地で、本番となると・・・・
     
スノーピケットを埋めて、雪上で支点の構築。素早く、正確に作るにはやはり反復です。
     
帰幕予定時間をちょっとオーバー。×ゲーム腕立て!1班は体育会ですね~。横山講師です。
     
山岳スキー班は池の平山まで足を伸ばしました。剣岳の裏側を目にして広大な斜面を滑走します。
     
研修最終日、今日は雪洞泊。しっかり作れ~。

室堂積雪調査
数年にわたって立山室堂山荘北側の遊歩道の鞍部から東面の傾斜斜面の積雪調査をしています。積雪層は吹き溜まりを形成していった過程を、ある程度読み取ることができるようです。積雪調査の報告は登山研修所友の会のホームページに掲載さてれいますのでご覧ください。
僕も含めてですが、登山者のみなさんの大方は雪庇という概念について雪の張り出し庇(ひさし)と思われているでしょうね。読んで字の如くですから、間違いではありませんが、目視できる庇部分だけを雪庇というわけではなく庇は雪庇の一部で、実は吹き溜まっている根元までの部分全てを総称して雪庇です。庇は目視できても、吹き溜まりの麓までは目視できません。昨年は夏の遊歩道から17メートル先が雪庇の先端でした。今年は昨年の先端より約6~7m張り出しが長く約23~24mでした。すなわち23メートルの吹き溜まり全てが雪庇というわけです。雪庇は危険だ!には違いないことですが、吹き溜まり部分を総称して雪庇ですから、積雪山稜はほぼ雪庇ですね。
   
積雪層の中に茶色っぽい層が見えますが黄砂の跡です、黄砂が3月中旬頃だったのでその後に積雪したのが黄色い層の上です。この場所で3月中旬から昨日までに約1.5m積雪したということですね。

ルート旗
       
ホワイトアウトの中、地形図にコンパスで計った角度も記入し、GPSも携帯しながらも、ださいかもしれないけど、昔の習慣というか、ルート旗は安心なんだよね~。標高差700mくらいの登高でも登高角度が変わったりするところには立てながら行く。
       
ところが、時には結果的に運も味方して滑る時には、一転してガスも取れ、晴れ間が。ルート旗がどうのこうのは、関係なかったりすることも・・・。
           
ところによっては、地元の山岳会のみなさんの力添えで、このような立派なルート旗が立てられているところもあります。

岩登りの備品
新年度を迎えて、山岳会に新会員のみなさんが入会?なんて過去のことですかね?でも、春になって岩登りの講習会もちらほらといったところです。ということで、初心者のみなさんにとりあえず「必要な装備」を。講習会等に参加されるみなさんもご参考ください。
全部揃えると、総額で¥55000くらいでしょうか。
1.ハーネス
みなさん自身に装着して、ロープを直接連結します。
2.ビレイ用カラビナ
ハーネスのビレイループ部分と連結して、ビレイ・ディバイス(確保器)と連結します。

6.のHMS型カラビナでもOKです
3.ビレイ・ディバイス
確保器です。ハーネスに専用カラビナと連結して、ロープで繋がってるリードクライマー(指導リーダーですね)を確保します。
4.カラビナ 3枚
アンカー(支点)に連結して、自己確保をとるシステムを構築します。
5.120cmソウンスリング 1本
アンカー(支点)に連結したカラビナに均等に加重がかかるよう連結して自己確保システムを構築します。
6.HMS型カラビナ 3枚
用途1: 構築した自己確保システムに繋がってるメインロープを連結して、自己確保をとります。
用途2: 懸垂下降の準備時の自己確保にアンカー(支点)と連結します。

用途3: 懸垂下降器に連結します。
7.ビレイグローブ
確保時、ロープが手の上を「ちょっと動いた」だけで火傷です。それより「熱!」ってロープから手を離したら大変!懸垂下降時にも同様です。
8.エイト環
懸垂下降器です。確保器でも下降は可能ですがやはり使い分けましょう。
9.60cmソウンスリング 2本
用途1: 懸垂下降時にハーネスから下降器を中間連結します。
用途2: 懸垂下降時にフリクションヒッチを使って、ミスをしても墜落しないようにバックアップをとります。
10.パーソナルアンカーシステム
懸垂下降は、メインロープの自己確保が外れますから、下降準備が整うまでハーネスに連結し、アンカー(支点)にHMSカラビナを用いて連結し自己確保をとります。120cmソウンスリングで対応してもOK
11.クライミングシューズ
の理屈はいりませんね。
12.ヘルメット
「落~」!何が?落ちてきても、安全のために被りましょう。
*クライミング時の、中間支点に構築するプロテクション類や、それらと連結するカラビナ、ソウンスリング、クイックドロー等は上げていません。それらは、初めはクライミングリーダーや指導者の方々が状況に合わせて用意するものだと思います。経験を重ねることで、徐々に状況にあわせて必要備品、数量等を用意をしていってくださいね。
長いソウンスリングはこんな時にも・・
      
八つ峰主稜上半Ⅶ・Ⅷ峰間、自然物、岩のピナクルを使って中間支点をセット。何より強固なプロテクションです。

2012年6月21日(木)
ビレイ・グローブ
山岳雑誌の中で、クライミング(沢登を含めて)におけるビレイ(確保)システム、方法論がよく紹介されています。気になるのはスタイルのお手本を示しているにもかかわらず、ビレイヤーはほとんど素手です。ロープを使う場合は、たとえそれがどんな環境でクライミングしようと、グローブは必需品だと思うのですが・・・。クライマーがロープを引っ張ったり、テンションがかっかたりすると、ビレーヤーの手の上をロープが動いたり、走ったり(早く動く)します。もし、素手の上をロープが、たった数センチ動いただけでも火傷を負ってしまいます。火傷を負う前に「熱っ!」といってロープから手を離したら、そこでビレイ(確保)放棄になっちゃいますね。

ペツル社・コーデックス・プラス
¥7700(税込)
ということで、クライミングのビレイグローブとして発売されている商品を紹介してみます。ホームセンターの作業用手袋でも代用できないことはありませんが、フィットがよくないし、耐久性もイマイチのようです。
いいグローブが店頭の革手のアイテム紹介します。
     
       新製品トランゴ社・ゴートビレイグローブ
            ¥4800(税込)

べアール社・アシュアマックス
¥3360

メトリウス社・ビレイグローブ
¥4720

ブラックダイアモンド社
トランジッション・グローブ
¥4620

セルフレスキュー講習会?
一般登山時のセルフレスキュー、ソウンスリングを使って簡易ハーネスを作りましょうテーマもある講習会。お客さんの用意してくるものリストには、「シュリンゲ・チューブテープ4m」(ハーネス作り用)」と書いてありました。え~、ハーネスは作ることが講習じゃなくて、用意してくるものでしょ。そうすればハーネスを作る講習は省けるじゃありませんか!下の写真のように、120cmソウンスリングを持っていることを前提に、それを使ってハーネスを作りましょう!知識講習をよくやります。確かに作れないことはないと思いますが、細いスリングに力がかかったことを想像してみてください。スリングが強度的に切れて致命的になることはありませんが、くい込んで痛~いと思いますよ!ちょっとのことだから?我慢すればいいっか!力がかかって骨折しちゃうこともあるのでは?セルフレスキューを意図としてるくらいだから、当然ロープは用意していくわけですよね?ならハーネスも用意していってはどうでしょう。というわけで、ここで紹介するハーネスはクライミングハーネスではありません。落下係数が大きく生じない行為用に、それなりの強度で作られてるハーネスです。カサ、重さがここでイメージできなかったらお店に見にきてください。テープ4mもつ重さ・かさと変わらないと思いますよ!
この細いテープで下肢は・・、耐えられますか? この細いテープで上半身は・・、耐えられますか?
ライトハーネス(クライミングハーネスではありません)
写真はクライミングスタイルでもなく、セルフレスキューのスタイルでもありませんが、レスキューになる前に、ならないようにすることが大事かな?と思い、鎖等が構築がされている岩稜帯登山道、あるいはチームとしてフィックスロープ構築をした上での自己確保の例を、ダックス社から発売されている軽量ハーネス・スーパーフライと60cmソウンスリング、安全環付きカラビナを連結して示してみました。フィックスロープ構築なら、そのロープにカラビナをかけるよりは、フリクション・ヒッチでハーネスにカラビナで連結が理想です。
収納はご覧の通りの大きさになり、重量は330g。かさも、重さも悩まなきゃいけないものではないと思います。価格は¥3600(税込) こちらは、この春から採用したブラックダイアモンド社のクーロワール。重量わずか230gの超軽量ハーネスです。こちらは¥6190(税込)

製品名
「アダムキラー」
「フィンガージャムが痛くて・・・!」と嘆きの紳士、淑女のみなさん、紳士、淑女じゃないみなさんも、クラック、ジャムトレーニング?用キットです。
誰が作ったかって?
こういう面白い発想する仲間は日プロ高津君に決まってます。
今日実物を持ってきてくれました。
「痛て~」、だからトレーニングじゃね~の?
皮膚や岩に指を突っ込む感覚アップにはいいですよ~。クライミング現場で、痛くてジャムれな~い・・・ではね。
受注生産